どこにもいかないよ
官能の極みに到達した時、
男も女も「いく」という言葉を思わず発してしまうのは、
体も心も日常の自分とは、
最もかけ離れた果てまで、
飛んで行ってしまう気持ちになるから。
きっとそれよりも大切なのは、
体も心も逆にこれ以上無いほどに、
大切な人と一緒になっていることを伝えたいから。
心も体も、
遠いところまで飛ばされてしまいながら、
あなたは私の背中をしっかり抱きしめている。
どこにもいかないで、
ずっとそばにいて、
と、いう想いが、
あなたの「いく」という叫びに、
たくさんこめられているのがわかるから、
私はどこにもいかない。
ずっとあなたのそばにいる。
という気持ちを、
「いく」と叫び声に変えて、
私は痙攣しながら、
あなたをきつく抱きしめながら、
あなたに遅れないように、
あなたの中で、
いく。
どこにもいかなないから、
安心して、
あなたもいきなさい。