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そこにいるあなた

男と女が体を重ね合う時は、
自分の視野が狭くなるほどに近く、
そして抱きしめれば両腕に一杯となり、
男の大きなものは、女の体の中奥深くを侵略し、
お互いの存在感は、互いに圧倒されるほどになる。

今、あなたは私の腕の中にいて、
私のものはあなたの体の一番奥にいる。

そして終わって体を離しても、
あなたはまだそこにいて、
妖精のように消えたりはしない。

それは、
そこにいる貴女を最も愛おしく感じる時間。

それだけ存在感を感じ合ったから、
一緒にいない時間でも、
互いの存在を常にどこかに感じていても不思議ではない。

それはたとえば、
激しく交わった官能の余韻、
交わった痕跡が残る部屋、
体に残された爪痕、唇の痕、
そしてなにより、
心のひだにすっかり収まっている愛しい気持ち。

一緒にいない時間でも、
いつもそこにいる貴女。

でも、やっぱりそこには本当にはいないから、

早くあなたにまた逢いたくなる。

そこにいる貴女のおかげで、
また貴女に逢いたくなる。
そばにいてあげたくなる。

官能の余韻と体の痕が消える前に。

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