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傘を貸してあげるから

突然の雨に降られて雨宿りをしていて、
たまたま知り合いに出逢って傘をさしかけられたら、
それだけで恋に落ちてしまうかもしれない。

裸体のあなたの上に、
自分の体を覆い被さる時には、
無防備の裸体に大きな傘を差し掛けてあげるよう。

そしてあなたも、
いつもは服を着ていて、
日常に置ける自分の弱さ、つらさをかろうじて隠し、
体裁を整えているのを、
全裸になることでさらけ出されるが、
それを私に覆い被さってもらえたなら、
どんな土砂降りの雨であろうとも、
何も心配いらなくなる。

傘に降り注ぐ雨の音は、
あなたの喘ぎ声に置き換わり、
傘にあたる雨粒は、
あなたの肌の汗と股間の滴りに置き換わり、
私の大きな傘に包まれて、
あなたはすっかり安心しきっている。

傘の大きさには限界があるように、
逢瀬の時間にも限界があり、
それがたとえ一時しのぎの避難であったとしても、
そのひとときのおかげで、
心と体を冷やすこと無く、
風邪を引かないでいられる。

だから、
あなたのために、
少しでも雨模様になったなら、

私の傘を貸してあげましょう。

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