見出し画像

四季折々の出会いの奇跡

春の桜吹雪の道を歩いていけば、
髪や肩に花びらがついて、あなたの姿を艶やかに。
数えきれないほどの花びらが舞っているのに、
あなたに付いたその数枚だけの花びらは、
その日その時その場所を歩いたから。

夏の街路樹の道を歩いていけば、
輝く日差しを避けて、木漏れ日があなたの姿を輝かせ。
数えきれないほどの木の葉が枝に揺らめいているのに、
あなたの体に影を浮き出させる数枚だけの木の葉は、
その日その時その場所を歩いたから。

秋の紅葉の庭園を歩いて行けば、
色とりどりに染まった絨毯を踏みしめて、あなたの姿を色づかせ。
数えきれないほどの紅葉が絨毯になっているのに、
あなたが掌にすくいあげる数枚の紅葉は、
その日その時その場所を歩いたから。

冬の小雪ちらつく公園を歩いて行けば、
赤い傘の上に白い模様がついて、あなたの姿を清らかに。
数えきれないほどの小雪が舞っているのに、
あなたの傘に落ちている小さな雪粒は、
その日その時その場所を歩いたから。

都会の駅や繁華街を歩いて行けば、
見知らぬ人の洪水の中にまぎれて、私の心は寂しく。
もう二度とすれ違うことの無い人ばかりなのに、
その中から出逢った一人の女は、
あの日あの時あの場所を歩いたから。

どんなに桜や木の葉や紅葉や雪が綺麗でも、
いつまでも手に持っていられないが、

あなたはいつでもそばにいてくれる。

それは、人生の四季折々での出会いの奇跡。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?