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成年後見制度はお金(財産)がない人は使えない?

みなさんこんにちは。
お正月も終わりましたが、初詣に行かれた方もいるのではないでしょうか?毎回いくらお賽銭を入れれば良いか、悩んでしまうのは私だけでしょうか。お金を入れないで拝んだら、やっぱり御利益はないのでしょうか?
今回は、そんな成年後見とお金に関するお話です。

世の中の「誤解」の内容

親御さんや一部の支援者とのお話の中で、たまに出てくる、代表的な誤解について、リストアップしてみました(今回のテーマに関するもの)。

  1. 成年後見人がついても報酬が払えないと思うので、成年後見制度は使えない。

  2. 申し立て費用を用立てられないので、成年後見制度は利用できないと思う。

  3. そもそもお金を持っていないから、保護する財産がないので成年後見制度は利用する必要がない。

この疑問にお答えする前に…

成年後見制度の後見人等への報酬については、生活に支障がない範囲の額を家庭裁判所が決定することになっていますので、支払えないほどの報酬額になることは基本的にありません。まずはこのことを踏まえた上で、お話を進めていきたいと思います。

意外と知られていない「成年後見制度利用支援事業」

みなさんは「成年後見制度利用支援事業」をご存じでしょうか。
成年後見制度は公的介護保険制度が始まり、介護サービスが利用者ご自身と事業所の契約により提供されることになったため、判断能力が低下している方でも契約による利用が可能なように「車の両輪」として誕生した制度です。
しかし、財産のない方や低所得な方が成年後見制度を利用する必要がある場合に、財産がないから(少ないから)制度を利用できないと言うことになるとサービス利用時に不利益を被ることになったり、結果として利用者の権利侵害が起きたり、生活が危うい状態に陥ることも考えられます。また、そもそも、判断能力が低下している方との契約行為ですので、契約の有効性に疑問が生じます。
そこで、たとえ低所得な方であっても、こういったことが起きないようにとできたのが、「成年後見制度利用支援事業」という制度です。
成年後見制度利用支援事業は、後見人への報酬や申し立て費用を助成するものですが、内容や条件については自治体ごとに若干の違いがあります(実施していない市区町村も一部あります)。

横浜市の「成年後見制度利用支援事業」の内容は?

インターネットで「横浜市」「成年後見制度利用支援事業」などと入れて検索しても、詳しい内容が掲載されたWebが出てきません(どうしてでしょう…?)。そこで、横浜市社協の横浜生活あんしんセンターさんが発行している冊子「障害のある方のご家族、支援者向け ご存じですか成年後見制度」と「ご存じですか成年後見制度」に簡単な説明が書かれているものがありましたので引用いたします。

収入は障害年金や、生活保護費しかないけれど、成年後見人等への費用は支払えるだろうか?
⇒成年後見人等への報酬額は家庭裁判所が決めます。報酬は、本人の財産の中から支払うことになりますが、報酬の負担が困難な方には、横浜市から費用の全部又は一部の助成を受けることができます。(成年後見制度利用支援事業)
生活保護を受給されている方のほか、単身世帯の場合は、収入見込額が年額
150万円以下、かつ資産(預貯金など)が 350 万円以下の方等が対象となります。
助成の上限は、施設入所の場合で1か月あたり1万8,000 円、在宅の場合は
2万8,000円となります。
※詳しくは福祉保健センター(区役所)にお問合せください。

障害のある方ご家族向け冊子・9ページより

成年後見の申立て費用や後見人等への報酬の負担が困難な方には、その費用の全部または一部の助成があります。ただし、申立て費用については、区長が申立てを行った人を対象としています。詳しくは各区役所高齢・障害支援課へお問い合わせください。

ご存じですか 成年後見制度 横浜市社会福祉協議会・横浜市 6ページより

まとめ

成年後見制度は、財産のみならずその方の権利や生活を守るための制度でもあります。財産の有無や額の大小によって、成年後見制度の利用が制限されることは原則としてありません。


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