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あんしんキーパーって何ですか?

ほっぷのあんしんサポーターが、みなさんと面談をしている中で「あんしんキーパーを今後探していきませんか?」というご提案をすることがあります。すると「あんしんキーパーはあなたでしょ?」と言われてしまうことがたまにあります。似たような名前なので、勘違いされている方も多いと思いようです。
あんしんキーパーは、地域にお住まいの方々にボランティアとしてお願いします。ほっぷに「あんしんキーパー」として登録して頂き、あんしんキーパーを希望される登録者がいた場合には、見守り役としてご本人の生活を見守ってくれる存在になります。

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今回は「あんしんキーパー」というものがなぜこの制度に存在しているのか、詳しく説明していきたいと思います。

まずは、後見的支援事業の目的について振り返ります

横浜市健康福祉局から「後見的支援事業業務運営指針」というガイドラインが発効されました。この中にはこの事業の存在意義について「地域とともに、本人の見守り体制を構築できること」ということで、以下のような記述があります。

さらに本制度の特色は、「地域住民が参画する仕組みにより、本人の見守り体制を構築できる」という点です。
後見的支援室の職員(あんしんマネジャー・担当職員・あんしんサポーター)による支援と併せ、地域住民が「あんしんキーパー」の役割を担い、緩やかに本人の日常生活を見守ります。

― 地域とともに、本人を支えるネットワークを作ることの意義 ―
地域住民とともに本人を見守る体制を構築することにより、支援機関や成年後見人による関わりだけでは実現困難な、きめ細やかな見守りを行うことが出来ます。また、あんしんキーパーをはじめとした、地域における人との関係づくりを進めることにより、本人が、地域住民と相互に支え合いながら生きていく力を育みます。さらに、地域の中で本人の意思が理解・尊重され、本人が自らの意思に基づいて、その人らしく生きることにつながっていきます。
— 「地域づくり」への発展 ―
このような取組を推進することで、地域の中で障害理解が促進されるとともに、人それぞれの価値観や多様性を認め合い、支え合うことのできる地域風土の醸成につながっていきます。こうした地域風土が、障害のある人の日常生活を見守っていく地域住民の拡大や、地域全体での包括的な見守り体制の構築につながります。

支援者だけがご本人のことを理解していても、ご本人らしい地域生活の継続は難しい。

ご本人のことを地域の人が知っていてくれる、理解してくれていると、何が良いのでしょうか。
ある地域の人は、ご本人が障害を抱えながらも、ご本人なりに一生懸命毎日を生きていることを知って応援したいと思ってくれるかもしれません。またある地域の方は、具体的なお手伝いや応援はできないけれど「そんな風に生きている人もいるんだ!」と障害のある方に対する眼差しがいままでと変わるかもしれません。
裏を返せば、障害のある方の生活や生き方、社会参加の難しさについて、ご存じの方はまだまだ少ないということになります。理解がある人が増えれば、自信を持って外出できるようになったり、自分のことを受け止めてくれる人が増えて、ご本人らしくその地域で元気に過ごせるようになるかもしれません。
障害のあるご本人が社会や地域の中で生活している以上、社会や地域との関係性を考えること無しに、ご本人の人生や生活は豊かにならないのではないか?というのが、上記ガイドラインの問題提起であると考えられます。
支援者とご本人との関係性だけで、ご本人の地域生活を安定した豊かなものにすることは非常に難しいことなのです。

あんしんキーパーは「何かをしてくれる人」ではなく「存在自体に意味がある人」です。

「あんしんキーパーがつくことで何のメリットがあるんですか?」とたまに質問があります。この質問に対しては「あんしんキーパー(その人のことを知っていてくれる人)がいること、そのものがメリットです」ということになります。確かに、ご本人が困ったところに遭遇して、助けてくれるキーパーさんもいるかもしれませんが、あんしんキーパーには「助けてあげる人」という役割はありませんし、そこまでのお願いはしていません。
あんしんキーパーが増えることで「この地域には障害のある方を応援したいという気持ちを持った人がこれだけいるんだ!」と、そのこと自体が、当事者やそのご家族の不安な気持ちを軽くすることにつながるかもしれません。ですから「存在そのものに意味がある」のです。

まとめ

今回は、少しお堅い内容だったようにも思いますが、いかがでしたでしょうか。
後見的支援室ほっぷでは、理解者(あんしんキーパー)を増やすための様々な取り組みを行っています。
特に「あおばエール協力店」は、お店の方にあんしんキーパーになって頂くことで、「障害者を応援するお店」として、お店で暖かく見守ってくれる存在となるでしょう。
「グループホームに入ったよ」という方でも、ホームと通所先(就労先)の往復だけで終わる人はいないと思います。地域で生活する以上、必要なものを地域のお店で購入することや、外食をすることは誰しもあるでしょう。障害のある方でも安心して楽しく利用できるお店が身近にあったら、きっと素敵な青葉区生活が送れることと思います。そんな青葉区になるよう、少しずつ進んでいきたいと思います。




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