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マスクが当たり前の暮らしには様々な影響がある

あおばエール協力店のある方から伺ったお話

あおばエール事務局です。
登録店さんよりこのようなお話を伺いましたのでご紹介します。
ある売店にて、女性の店員さんと年配の男性がやりとりをしていました。たまたま近くにいたので様子を見ていると、こちらが聞き取れる声の大きさで話す店員さん

「郵便ポストは出て左側にありますよ」

しかし、その年配の男性は何度も聞き返しています。
数回のやりとりを経て、男性は店員さんにお礼を行って立ち去りました。

(そのやりとりを見ていた協力店さんに気付いた年配の男性が立ち去る前に言いました。)
「私は、耳に障害があって、補聴器をつけている。これまでは相手の口の動きを見て、話していることが分かったけど、コロナでみんながマスクを付けるようになってから、人の声がこもって聞き取りにくくなり、口の動きも見られないので、何回も何回も聞き返さなければいけなくなって、とても不便になった!」

これまでは周囲の会話も理解できていたことが、今は何を話しているか分からない状態が1年以上続いているのかと思うと、年配男性の孤立感を感じる場面と感じたそうです。

補聴器を使用している人と、していない人の音の聞こえ方には違いがある

普段私たちは自然と必要な音を聞き分けて注意力を調整しています。(電車の中や人ごみの中で相手の話を聞き取るような場面など)
補聴器を使用している人は音の調整を機械が行いますので、雑音が入ったり、ハウリングして音が聞こえなかったりします。
現在は開発が進み、音質の改善、小型軽量化、ハウリング抑制機能や音の空間を認知する機能などの補聴器が発売されています。

「聴覚障害=手話」ではない

生まれながらの聴覚障害(先天性聴覚障害)と事故や病気などが理由で生じる聴覚障害(中途聴覚障害)があります。
先天性の聴覚障害がある人は、手話や、読唇、筆談など相手に合わせたコミュニケーション手段をとることも可能です。
中途で聴覚障害がある人は、手話を身につけていない場合があり、コミュニケーションに苦労される人が多くいます。ですので、口の動き、指文字、手話、筆談など様々な方法を用いてコミュニケーションをとります。

当事者が安心して頼みごとができるために

コロナ禍では、外出時はマスクの着用が必然の世の中になりました。
障害のない人でも相手の表情が見えないことで、コミュニケーションに影響がでています。(子どもの発育問題、心の健康面など)
聴覚障害や、発達障害のあるお子さんにとっても、相手の顔が見えないことで不安になることや、意思疎通ができないことがあります。
ですが、マスクを外して対応することには抵抗、リスクがあると思います。

例えば、店内に「手話」「筆談」マークを掲示しておくことで、聴覚障害のある方が要望しやすい工夫をすることや、コミュニケーションボードを使い、簡単なやりとりができるよう配慮することはいかがでしょうか。

今回の場面のように一生懸命伝えていただくことは店員さんの“優しさ“だったと思います。しかし、本人の立場になると、毎回なにかを尋ねる時は人の何倍も時間をかけなくてはいけないこと、逆に冷たい態度を取られたり、迷惑がられたりすることがあるかもしれません。

まちにあるユニバーサルデザインや、マーク、ボードなどは当事者が安心して頼みごとができる手段にもなっています。皆さんの身近な取組として検討してみてはいかがでしょうか?

【参考】

「手話マーク」「筆談マーク」は、聴覚障害の方が「手話で対応できる」「筆談で対応できる」ことを、一目でわかるようにと、全日本ろうあ連盟が策定したものです。

●手話マーク

手話マーク(全日本ろうあ連盟)カラーA2

●筆談マーク

筆談マーク(全日本ろうあ連盟)カラーA2

詳しくは、全日本ろうあ連盟のホームページをご参照ください。

また、コミュニケーションボードについては、あおばエール協力店に登録されたお店の方には、登録時にお渡しておりますが、詳しい使用方法等は以下のサイトをご参照ください。

↑岩手銀行さんの使い方マニュアルは、非常にわかりやすいのでオススメです!

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