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物が多い

私の部屋には物が多い。
最近はそれこそ足の踏み場も無い。
しかし己は「踏んで大丈夫な所」を心得ているので、滞りなく生活できてしまう。

物を片付けるという行為が苦手だ。
物に囲まれている方が落ち着く性分だから、というのもあるだろう。
頂き物も割とあるので、その辺は単純に捨てたくないと思ってしまう。

引越しの度に断捨離はしてきたが、それでも捨てられないもの達がいる。
主に本、手紙、書類、作品だ。自分の物語の一部を構成するものたち。

あとは百舌鳥の様なところがあるので、食べ物をちょこちょこ買っては、買ったことを忘れてダメにしてしまうことがある。
見えないと忘れてしまうのだ。つまり冷蔵庫に入れると忘れてしまう。
スケスケな冷蔵庫があればマシになるだろうか…。
その日食べる分だけ買ってくる様にはしているが、野菜は液状にしてしまったことも少なくない。
冷凍食品を買っても、冷凍庫に入れ忘れてしまうことも…。
話が逸れた。

文章を削って推敲するように、自分の物語の主軸から逸れる物達は手放しても問題は無いのだろう。
つまり大根になるということだ。主根を残して側根は控えめに。
と、ここまで考えて「はて、それはいいことなのか」と少し立ち止まる。
大根は抜けやすい。側根がないからスポンッといける。だから収穫もしやすい。
対してたんぽぽは抜けにくい。主根も側根も発達しているからだ。あちこちに根を張り巡らせ、精一杯栄養を取りつつ自分を広げる。
そも自分の物語とは何なのか。どちらが主根で、どちらが側根なのか。側根と思っていたものは、実はへその緒なのではないか。

とまぁグダグダ考えて、結局断捨離を後回しにしてしまう。
「必要なくても捨てられないもの」は、いずれ「必要ないから捨てられるもの」になるだろう。
自分の心の整理は、一朝一夕には終わらない。
時が経ち、自分の感性・価値観が変わるその時まで。
それまで私は、きっと物に囲まれて過ごす。

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