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信じるちからが もたらすせかい

我が家には、
毎月1日になると、カレンダーをめくる、こびとさんがいる。

季節の変わり目には、季節のテーブルのしつらえを変える、こびとさんがいる。
春のしつらえ。
梅雨のしつらえ。
夏のしつらえ。
秋のしつらえ。
冬のしつらえ。

作りかけていた手仕事の、最後のむずかしいところを仕上げてくれる、こびとさんがいる。

夜寝ている間に、食べかけのおやつを食べてしまう、こびとさんがいる。

抜けた歯を窓ぎわに置いておくと、外国のコインやきれいな石に交換してくれる、妖精さんがいる。

どんなときも光をはこんできてくれる、天使さんがいる。

クリスマスの天使さんとおてつだいこびとさんは、特にはたらきもので、
サンタさんにお手紙を届けてくれたり、
アドヴェントが始まる前夜には、一夜のうちに、ツリーやクリスマス飾り、
くるみのアドヴェントカレンダーを持ってきてくれる。

12月のお誕生日の日のくるみの中には、小さなプレゼントを特別に2つ、入れてくれている。

鏡もちをこっそり食べて、ヒビが入っちゃったり、
お月見のお団子が減っていたり。

我が家には、
いたずらの、こびとさんも、
はたらきものの、こびとさんも、
喜びをはこぶ、天使さんも、
たくさんたくさんいて、
こっそりこっそりだけど、姿は見えないけれども、
一緒に暮らしている。

娘が物心がつく前から、
そんな毎日のいとなみ。

こびとさんはうっかりもするけれども、
こびとさんのおしごとから、
見えないせかいへの信頼が生まれ、
またこの季節が巡ってきた、という安心が生まれ、
生きているせかい、ともに生きるひとへの信頼となる。
裏切りなく、必ず巡るこの季節。
繰り返しが、こんなにもあたりまえに、安心をもたらす。

見えないせかいが見える娘は、
みんなが見えているせかいと、見えていないせかいとの境をまだ知らない。
わたしには、わたしが見えているせかいしか見えないけれども、
娘が見えているせかいを、信頼して肯定しつづけている。

信じることから、すべてははじまる。
信頼があるところから、すべては起こる。

今年もやってくるアドヴェントの季節。
光がくることを知っているから、光を待つことができる。
待降節。

そして娘は、今年も信じて待っている。
こびとさんは、どきどきいそいそ準備を整える。





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