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怪盗パラキート


第一話「怪盗パラキート参上!」

最近、世間を騒がせてる奴がいる。
そいつは嘴があって羽根が生えてて
色はやたらとカラフルで
サイズとしては小型~中型くらいの鳥。
つまりパラキート。

この街のてっぺんの、ばかでかい猫屋敷。その屋敷の主人の寝室にて事件は起きた。
使用人さえ知らない筈の隠し扉が何者かに侵入され、中にあった金庫から主人の大好物の.....
マタタビが盗まれたのだ。

主人の通報を受け、警察犬が駆けつけた。
犬逹は匂いを嗅ぐまでもなく、それが誰の犯行か分かった。

何故なら現場には大量のフンの跡。
間違いない、奴だ。
「出たな!怪盗パラキート!」

犬警部補が叫ぶと、部屋の窓が勢いよく開いた。

『やっと気付いたか、バカ犬ども!』

キーン、と耳をつんざくような鳴き声が部屋中に響いて犬逹は耳をふさいだ。

その声の正体は
窓の外で懸命に羽ばたくカラフルな鳥。
ばかでかい屋敷の窓との対比でいつも以上に小さく見える。

「俺の名前は怪盗パラキートゥ!」
「世間を騒がス小鳥怪盗とは俺のことさ!」

素早い動きで犬逹の頭上を飛び回る。緩めにできてる肛門からは10分から15分おきくらいにフンが漏れる。

「畜生!糞くれぇ我慢できねえのか!」
「これだから鳥は!」

犬逹がワンワンキャンキャン言っている間に、パラキートは颯爽と屋敷を後にした。

「あいつ、一体何しにきたんだ。」
「目立ちたいんですよ。犯行の後はいつもああなんだ。わざわざ我々の到着を待って、アピールしてから逃げていく。インコって本当に目立ちたがりだな。」

結局、またしてもパラキート捕獲は失敗に終わった。と思われた。

背後に何者かの気配を感じ、犬警部補は振り向いた。そこには

「にゃ~にやってですかあんたら。」

自慢の髭を撫でながら、猫撫で声で犬を見下す。猫探偵がいた。

🦜🦜🦜🦜🦜🦜🦜🦜🦜🦜🦜🦜🦜🦜🦜🦜

「なぜあんなやつを寄越すんですか、警部!」

電話越しに怒鳴る犬警部補。

「マタタビさえ与えれば何でもやるようなジャンキーですよ!!」

「ジャンキーだろうが、何だろうが腕は確かだ。」
「お前らよりよっぽど役に立つよ」
ガチャッ。一方的に電話は切れた。

「犬警部補、相変わらず猫探偵がお嫌いなようで...」
「当たり前だ!!」
「俺があいつに過去何をされたと思ってる...?」
「警察学校時代、俺が必死で集めたコレクションをあいつはズタズタにしやがったんだ。忘れる訳がねえ」
犬警部補はスリッパを片方ずつ集めてくるのが趣味であった。

「爪とぎ用にちょうど良かったから」
そう、猫探偵もかつては警察猫であった。組織に属するのは性に合わず探偵となったのだ。
「マタタビうめぇ~」

ちっ、ハイになりやがって....
犬警部補は小さく舌を打った。

「とにィかく、こんにゃ所でチンタラ油売ってる暇にゃんてにゃいんですよ。全く。バカ犬どもが。早く奴を追うニャ!」

そして捕まえたあかつきには....
じゅるり。
おっと、いけねえ。涎が垂れちまわぁ....

(つづく!)

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