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茨城歴三十年

 生まれてこの方茨城を離れたことがない。それどころか同じ街にずっと住み続けている。これまで三度の引っ越しを経たが、いずれも賃貸アパートかマンションだったため、一軒家に住んだ経験もない。つまり三十年間、同じ市内の賃貸物件をぐるぐる巡っているというわけだ。
 これは住居に限った話ではない。幼稚園から高校、そして職場に至るまで、市内且つ家から徒歩圏内のところに通い続けている。こんな人間はなかなかいないんじゃないかと思う。
 ここまで書くと余程の茨城好きだと思われそうだが、そんなことはない。ただ保守的で臆病なだけだ。
 魅力度ランキング最下位で知られる茨城だが、調べてみると素敵な観光名所もあるらしい。三十年も住んでいながら何故こうも他人事なのかというと、茨城の観光名所をよく知らない上に、ほとんど行ったことがないからだ。
 試しに行ったことのない観光名所を挙げてみようと思う。
 ※観光名所の引用元は楽天トラベル。

・国営ひたち海浜公園
・神磯の鳥居
・偕楽園
・笠間稲荷神社
・鹿島神宮
・牛久大仏
・二ツ島
・牛久シャトー
・宍戸ヒルズ
・シルバニアパーク
・ミュージアムパーク茨城自然博物館
・霞ヶ浦
・道の駅ひたちおおた黄金の郷

 ここまで来ると、行ったことのあるスポットを挙げた方が早い。行ったことがあるのは筑波山と大洗水族館くらい。終わり。
 こんなだから、県外在住の友人が茨城に興味を持ってくれて「遊びに行きたい」と言ってくれても、果たしてどこを案内したら良いのか分からない。東京から来るならつくばか水戸辺りがアクセスしやすいだろうけれど、かといって筑波山やJAXA、偕楽園は違う気がする、というか、求められていないだろう。もっとライトでポップなスポットはないものか。
 観光名所だけでなく、茨城ならではの食べ物もよく分からない。納豆は市販の普通のものしか食べたことがないし、メロンも蓮根もアンコウもあまり食べない。大体、茨城は特産品を売り出す気概が足りないのではないか。
 北海道でいうところの海鮮、沖縄でいうところのソーキそば、宮城でいうところの牛タン、というような、その食べ物に特化した専門店が沢山ある土地は良いなあと、羨望に似た気持ちを抱いてしまう。例えば納豆レストランが駅前にずらりと並んでいたら匂い的によろしくないかもしれないが、それなら蓮根レストラン、メロンカフェなんかがあっても良いと思う。
 ここまで書いて思い出した。干し芋だ。私は茨城名物なら、干し芋が一等好きだ。このところ毎日食べている。シルクスイートも紅はるかも、平切りも丸干しも好き。幸田商店の商品なら間違いないが、最近ふるさと納税の返礼品で得た茜農園の干し芋も美味だった。
 茨城の駅には干し芋が沢山売られている。というわけで、茨城にお越しの際は是非、干し芋をお召し上がりください。美味しいですよ。

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