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ポジティブな願い

 先日、AIに自作小説のアドバイスを求めてみた。二作送ってみたのだが、二作とも「テーマの明確化」「一貫性」「心理/情景描写の緻密化」が必要だという指摘を受けた。
 その瞬間、ズボシ、という音が耳の奥で鳴った。図星。
 AIは私の痛いところを的確に突いてきた。確かに私はテーマを決めたことがあまりなかった。一貫性が生まれないのは当然だ。描写に関しては、邪魔だと感じるから削いでいるのだけれど、それじゃ駄目なのだろうか。それとも作為的に削いでいるつもりになっているだけで、本当は単に私の目が曇りきっているだけなのかもしれない。

 今、書きたいことがあるのだけれど、怖くて冒頭を書き始めることができずにいる。書いたらどこかの賞に応募しなければならない。けれど面白いものが書けるかどうかも分からないし、そもそも書き上がるかどうかも分からない。また箸にも棒にも引っかからないものを書くなんて嫌だ。自信が全くない。
 プロットを作ると、それで満足してしまうので、プロットは作れない。

 こういうことを延々と考えていると眠れなくなり、やっぱり死にたくなってくる。生きる理由を沢山作りたかったけれど、そんなに無理して作らなくても、と思う。別に私じゃなくたって、私がやらなくたって、と思う。
「おじいさん、早くお迎えに来てください」
 と、祖母はよく祖父の仏壇の前で願っていた。当時は祖母にどんな言葉をかけるべきか分からなかったけれど、今なら分かるし、こんな風に言いたい。
「分かるよおばあさん、さっさと迎えに来てほしいよね!」

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