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明日は外に出よう

 四連休のうち二日目を迎えた。昨日から一歩も外に出ておらず、寝てばかりいる。カーテンも開けていないため、天気すら分からない。生活リズムも崩れ、自分にしては夜更かしをしている。
 夜になると蛙と虫の大合唱が始まり、そこで、夜なのだと知る。隣人は連休に入ると決まってどこかへ出かけるため、壁伝いに音が漏れ聞こえてくることもなく、それだけでストレスが激減する。
 そんな風に心が安らいだ状態で、実写ドラマ『ONE PIECE』を観た。全八話を一気に観た。アニメ版の声優さんがドラマ版の吹き替えも担当されることを知り、吹き替え版を選択した。結論から述べると、本当に素晴らしい作品だった。
『ONE PIECE』は、小学生の頃、ゴールデンタイムにアニメ放送されていたときに観ていたけれど、それ以来は触れてこなかった。内容の記憶も消えていた。だからゼロに近い状態で観ることができ、かえって良かったと思う。
 ただ、視聴前は少なからず身構えもした。「海賊王に、俺はなる!」という名言があるように、主人公のルフィは海賊で、つまりダークヒーローなのだろう、それは今の自分には合わないのではないか、と考えていたからだ。正義か悪かという二元論的思考からどうしても脱せずにいた。
 けれど物語が展開されていくにつれ、仲間のため・信念のために振るわれる拳は粗野な暴力などではなく、ある種正当な手段だと思えるようになった。それは海賊王を目指すルフィよりもずっと極悪で陰険な敵が続々と現れたからでもある。ルフィ率いる麦わらの一味は社会的には悪党かもしれないが、少なくとも悪人ではない。
 MBTI(性格診断)が流行して久しいが、そもそも人間のタイプをテンプレートに当て嵌めることなど出来やしないのだ。ルフィは陽気でわんぱくで仲間思いで、海賊王を目指している。けれど、きっとそれだけじゃない。『ONE PIECE』のルフィのみならず、どの作品・キャラクターにおいても、なるだけ柔軟に捉え、本当の姿を想像し続けたい。

 ちなみに私のMBTIはINFJ-T(提唱者)だ。解説を読むと、当て嵌まっている部分とそうでない部分とがある。非常に内向型且つ激動型なところは見事に言い当てられたと思った。

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