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こういうのを求めてたんだなぁ。

11月3日。文化の日。世の中は祭日。

昨日の夜は繁忙期故の夜出勤があり、(怪しい仕事ではなく!)今日は一日のんびりしたいなぁ、と思っていたのだが、どうしても今日中にやらなければいけないことがあり1時間半だけ仕事をした。

入社して半年、最近仕事に対する不満が湧いてくるのは、余裕が出てきたと見るべきか、単なるストレスなのか。

夕方仕事を終え、ふと気が向いて、近所のマフィン屋さんに行った。気になっていたけどお店を覗くのは初めてだった。

ドアを開けると奥から店員さんが出てきて、
「いらっしゃいませ〜!」と一言。
夕方だからか、ショーケースの中は少し寂しげで、5,6個のマフィンが照明に照らされて並んでいた。

「すみません、あまりお選びいただけないんですけど…」
と、店員さん。
『いえいえ、大丈夫ですよ〜』

その中からレモンピールとホワイトチョコが入ったものと、オレンジが練り込まれているものをチョイス。

「柑橘系好きなんですね〜」
『そうなんです、つい選んでしまいがちで…』
「わかります、私も好きなんですよ」

そんなやりとりをして、お会計を済ませ、店を後にした。

知らない土地で一人暮らしを始めて半年。
会社と家との往復で、社外でコミュニケーションなんてほぼ皆無だったけれど。

店員さんとの何気ないやりとりができたことがすごく嬉しかった。仕事以外で人とコミュニケーションがとれたこと。近所のお店を開拓できたこと。少しずつ私もこの町に馴染んでいるのかもしれない。

帰宅後、マフィンの袋を開けると、中には一枚の折り込みが。

あたたかい接客の裏に、こんなコンセプトがあったなんて。
コンセプトを見事に体現するような、人と人との繋がりを感じられる場であったことが嬉しく、こういう出会いを私は求めていたんだなぁ、としみじみしてしまった。

店員さんと話すためにまたお店に行ってもいいな、そう思える素敵な時間だった。

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