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4月という怪物

新たなる学年の生活が幕を開ける。
1年前に綴った思いを今改めて読み返してみたい。

何だろうこの感情は。胸のあたりが毎日ざわざわする。とにかく落ち着かない。様々な感情が入り混じり、私の脳内は今にもパンクしそうな程ごちゃごちゃしている。無秩序、いわゆるカオスな状態。
何に対して不安になっているのか、自分でも分かっているようで分からない。地に足が着いていないような、少しふわっとした感覚。この感覚には覚えがある、確かそれは大学に入学したばかりの春だった。何もかも新しいことだらけ。私はどのように不安から抜け出していたのだろう。

4月は脅威なる怪物だ。いや、誰にも降り注ぐ雨のような存在なのかもしれない。雨は、この地球に生きている以上誰もが避けることのできない自然現象なのである。シャワーとイメージとしては似ているかもしれないが、全く異なるもの。シャワーは自分が浴びたい時に浴びることができ、誰にも選択の自由が与えられ、自由自在に操ることが出来るものだ。しかし、雨を操っているのは神様なのか、それとも私たちが排出する二酸化炭素が誘発しているのか、説明がつきにくい。とにかく私たちにとっては手強い相手なのである。そんな雨から自分を守る方法は「傘」である。しかし、たとえ傘をさしていたとしても斜めから入り込む雨には対抗できないことは多々ある。傘をさしていたからまさか濡れていないだろうと思っていたのも束の間、ズボンのサイドがぐっしょり濡れていることに気付き落胆するというのは、多くの人が経験したことがあるのではないだろうか。こういった具合に、雨は防ぎようのない強敵なのである。だけれども、私たちは雨と共存して生きている。そうしなければ生きていけないと分かっているからだ。

雨と同じように4月に襲いかかってくる不安は、私たちに絶えず降り注ぎ何度も接近してくる。しかし、私たちは不安の雨粒に触れることを恐れず前に進んで行かなければならない。神経質になりすぎず、ふっと肩の力を抜いて、たとえ雨粒に触れたとしても心に余裕を持って受け止める。このようにして私たちは「不安」と上手に付き合っていくことで、心身への負担を減らし、もっと楽に生きることが出来るようになるのではないだろうか。
雨でちょっとぐらい濡れても、すぐ乾くさ、大丈夫。4月は少し楽観的になってみようかな。


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