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高速道路

久々に帰省した実家からひとり暮らしのマンションへ向かう高速道路。

車のフロントガラスから見える高速道路の景色は、私に何かを訴えかけていた。

ものすごいスピードでかっ飛ばして走る車。
車線を何度も変えて煽りまくる車。
規則通りの時速で走る車。
カーブを曲がる度に遠心力で倒れてしまうのではないかと心配になるほど、大きな荷物を乗せたトラック。
小粋なスタイルの車。
パンパーが少々凹んだ年季の入ったワゴン車。

高速道路には多種多様な自動車たちが目的地は異なるが、ある場所に向かってそれぞれ絶えず進んでいる様子が広がる。

まるで自動車は私たち人間のようだ。
他者の気持ちを考えず自分よがりな行動をとってしまう人間。
常に誰かをライバル視して競争に勝つことで心が満たされる人間。
規則や規律を忠実に守る人間。
ひとりで色々と抱え込みすぎてしまう人間。
他者からの評価を常に気にする人間。
休む暇もなく働き続けなければならないほどの窮地に立たされている人間。

人それぞれ、その時置かれている状況や生きる道は異なる。生きる環境を変えたくても変えれない人も中にはいる。
でも、生き長らえるために今日という日を必死に生きているのは全ての人間に共通することだと思う。

毎日同じ景色を見ていると段々と感覚が麻痺して、自分が見ているものが当たり前のように感じてしまう時がある。自分に見えている世界が基準なのだと思い込んでしまう。

けれども自分に見えている世界はほんの一部に過ぎず、自分が見たことのないような未知の世界がこの世には無数に存在することを忘れてはいけないと思う。

だからどんなに自分に自信があったとしても、自分は全てを知り尽くしているといった具合に傲慢な態度を取るのではなく、常に謙虚な姿勢を持ち続けることが大切なのではないかと思う。

自分が普段見えている世界がいかに小さいのか痛感した1日だった。

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