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ソシャゲ疲れ『天才たちの作った悪魔』

それは今回の記事で取り上げる
「ソシャゲ疲れ」

俺の場合はパズドラに始まり艦これに手を出して、デレステからIDOLM@STER関係に流れて、プリコネやらなんやらとやっているんだけど、最初にパズドラをプレイした2012年から今までの9年の間で色々と思うところがあったんだよね。

楽しいと思ってやっていたはずが
「さて、今日もパズドラやらないとな」

……ん?
やらないと?

義務では?

だけど、
「俺はこのゲームが好きだし」「次のイベントにはこの艦娘が必要だから育成している」「来月のガチャで担当を引くために石を貯めてるんだ」

と、ゲームを楽しむはずが義務感を薄めるために言い訳をしてまでやっていたのではないだろうか?

あなたにも思うところがあるかもしれない。

そしてそんな俺が今、どういう風にソシャゲと向き合っているか。

そんな題材でつらつらと書いていこうと思う。

結論を言ってしまえば、この記事で一番伝えたいのは

・時間は有限(これが一番大事)。
・今やりたいことがあるなら時間を大事にした方がいい。
・歳を取ると体力と気力と瞬発力が減って使える時間の質が落ちる。
・ソシャゲはいつでもできる。
・今はソシャゲでもSNSでもYouTubeでも無料で無限に楽しいものが簡単に手に入る。時間は無限にあっても足りない時代になっている。
・気の向くままに受動的コンテンツに使ってると人生の時間が終わる。
・やりたいことがなくても終わらないソシャゲというマラソンをするのはオススメしない。
・やるなら自分でゴールや一日にやる時間を決めた方がいい。
・ソシャゲや人から与えられるコンテンツにアイデンティティを見いださなくてい。

一番と言いつついっぱい出てきてしまった。
それだけ今回はソシャゲ疲れについて感情的に書いていきたい。

先に謝罪をしておくと、数日をかけて書いているので、その時のテンションで少し文体がキツイ時があるのは許して欲しい。

それとこういう記事の性質上、ある程度ソシャゲを知っている前提で書くので、有名タイトルや有名用語の解説は一部省かせてもらっている。

◯70億総スマホ中毒社会

現代人はソシャゲとSNS、ひいてはスマホというデバイスの中毒者集団だ。

このデバイスが爆発的に普及してから、スマホは人を使い始めたと思う。

街を歩いても、電車に乗っても、料理の注文待ちでも。
いつでもこの四角い板切れは、人間をたった数インチの画面に縫い付けてしまう。

これは人類の悪魔的天才がデザインした洗脳装置だ。

SNSを筆頭にインターネットやYouTube、Netflix。
天才が人類の時間をここ10年でごそっと奪い去っていったと思う。

ソシャゲだってその一つだろう。

だからそこから抜けるのは大変だと思う。
別にソシャゲを無限に続けてても、そうとうアレな人でも無い限り生活は崩壊しないと思う。

でもたくさんの人がソシャゲに疑問を持ちながら遊んでいるんじゃないかなと俺は思っている。

だから俺みたいな中途半端にソシャゲをやってきた人間でも「こんなことを思うんだなー」程度に読んでもらえればと思う。

んで、
この話題をいつか書こうって思っていたんだけど、最近は正直心の底からソシャゲが楽しくないし、その理由もある程度明確になったので、
「ソシャゲが疲れた」
「なんか義務感がある」
「ログインしてないと気になる」
「なんとなくやっている」
「時間の無駄だとわかっているけどやめられない」
「話題のゲームをやっていないと置いていかれている気がする」
「別に辞めたくないし時間使うのもいいけどたまに疑問に思う」
なんでもいい。
何か「ソシャゲという文化」に引っかかることがみんな一度はあったと思う。
そんな人たちには読んでほしいかな。たぶん何も解決しないと思うけど。

だって解決を見るための文章ではないし。

ちなみに文中にはやたらとパズドラ、アイマスやデレステという単語が登場するが、俺が一番好きでやっていたゲームであって、例にしやすいので取り上げている。他意はないです。

さあ、ようやくオープニングだ。
これがソシャゲだったらチュートリアルに入る前にアンインストールしてるな?

◯ハマっている時はヤバいと全く思っていなかった

パズドラにハマっていた時の話から始めよう。

知らない人のために説明するとパズドラとは
正式名称『パズル&ドラゴンズ』というパズルのゲームだ。

モンスターを仲間にして、おはじきのようなパズルの色を揃えて敵を倒してダンジョンを進めていく。
自分で5体までのモンスターとゲーム内で協力してくれるフレンドが借りる1体でチームを組むのがオーソドックスなスタイルだ。

時は2012年~13年の夏頃までの生活だ。

この時は会社をやめて半年ぐらい日雇いや、ある程度時間を自由に決めれる働き方をしていた。

パズドラでは当時、一日に3回出現するゲリラダンジョンがあって、その一番早い時間に起きるように、生活をデザイン(笑)していた。

例えば9時にハロワに行く予定の日に、8時からダンジョンが始まるとする。
その場合7時に起きてハロワの駐車場で1時間ソシャゲをしてハロワに行っていた。

もちろん睡眠時間は起きる時間に寝たい時間を逆算する。

今回のケースで例えば7時間寝たいとすれば12時に寝る。
前日の遅い時間には出現時間がわかっていたので、それを見てから次の日の予定を決める感じだ。

そっからまた就職してある程度所得が増えると基本的に仕事終わりは趣味の小説を書いてからずっとソシャゲをしていた。

手取り13万~15万ぐらいで毎月平均で1~3万ぐらいの課金額だ。

欲しいキャラが対象のガチャは5万ぐらい使う時もあった。これについては後述する。

ガチャだけじゃなく、土日は一日ダンジョンを周回するのでイベントでもないのに石を購入してスタミナを回復していた。

ガチ勢からすると普通かもしれないけど、普通にソシャゲを楽しむレベルから見るとヤバいと思う。

生活費のマックス1/3を課金して土日は合わせて12時間ぐらい同じダンジョンをただランク上げのためだけに周回する。

ピーク時はランクが上位1%に入っていて喜んでいた。もうアホやね。

この生活の何がやばいって【当時この生活がやばいって思ってないこと】だったんだよね。

◯人類最悪の発明「ガチャ」

人類の発明品で最高のものは「複利」と言われている。
その逆は「ガチャ」だ。

奇遇にもどっちもお金絡みなんだから、個人的には最大の発明はお金だと思うんだけどそれはさておき。

今更ガチャについて説明する必要はないと思うけど一応。

ガチャとはソシャゲを有利に進めるためのくじ引きのようなものだ。

例えば拳銃で敵を倒すゲームで、強い銃が必要になるとする。
普通に遊んでいても手に入る銃は弱いのばかり。

だけど「ガチャ」の中には強い武器もある。
そうなればみんながそれをこぞって回して自分のキャラを強くする。

対人要素があればなおさらだ。

パズドラも例外じゃなく、普通に遊んでいては絶対に手に入らないガチャ限定のモンスターがたくさんある。

最高難易度になるとガチャ限定じゃないと太刀打ち出来ないというのもザラだ。

ガチャを引くアイテムの入手方法には2通りある。
・ゲーム内で無料配布される
・お金で購入する

ガチャを引くアイテムは大体「石」とか「ジュエル」とか色々呼び方はあるが、とりあえずこの記事では特別な事情が無い限りは石と表記する。

もちろん無料で配布される石には限りがあるので、それで目的のアイテムやキャラを引ければいいが、なかなかそう上手くはデザインされていない。

なのである程度やり込む人は必然、月に数千円~人によっては数万円をゲームに使って有利に進めようとしたりする。

ちなみに強さだけじゃなくて見た目や、キャラの声優さんが目当てでガチャを引く人もいるけどそれは今回割愛させて頂く。

長々とガチャの説明も終わったので、
次からは俺がいかにしてガチャにハマっていたかを書いていく。

◯ガチャという文化~ガチャから抜けれなかった時代の話(パズドラ効率化と赤おでんの話)~

さて
ここでもパズドラを引き合いに出してガチャの話をしていこう。

ここで登場するキーワードは
「赤おでん」
これだけ覚えてもらえれば大丈夫。

もしかしたら当時と今で性能が変わっているかもしれないので、あえて2014年の感覚で話を進めよう。

「赤おでん」というのは食べ物のおでんではない。
オーディンという北欧神話の神様をモチーフにしたパズドラのキャラで、色が赤かったので「赤おでん」と呼ばれていた。

このキャラを成長させると、特定のダンジョンではパズルを一切しなくても攻略が出来てしまう。そんなスキルが付いていた。

それにより1時間しか出現しないダンジョンを効率よく集会できるのだ。
例えば普通にダンジョンを攻略すると、毎回パズルをしないといけないので、その分時間がかかる。

しかし「赤おでん」がいると、パズル時間は0秒だ。

通勤時間片道15分が10秒になったぐらいの差があるのだ。

レベルアップアイテムが登場するダンジョンは1時間しか出来なかったので、そのダンジョンを最速でたくさん周回しアイテムをたくさん手に入れるために当時の俺はこの「赤おでん」を5体求めた。
(チームに編成できるマックスの数)

ところがこの「赤おでん」は常設のガチャからは出てこず、何ヶ月かに一回のゴッドフェスというイベントでしか対象にならない。

つまりその数日という期間で狙い撃ちしないといけないのだが、排出率は非常に低くて、ゴッドフェスになると月の課金額は平均で3万強になった。

そんな課金→撤退のループが続いて「赤おでん」を5体揃えるころにはそこだけで30万円も課金していた。

まぁトータルで1年ぐらいかけて揃えたので月額で言えば3万いかないぐらいの課金だけど、ゲーム内の時間効率を求めるために使う金額としては多すぎた、と今では思う。

30万円あったら何でも出来るぞ。

◯ガチャという文化~デレステのガチャの場合(アイドルコンテンツと担当の親和性)~

さてここからはデレステというゲームも登場する。

正式名称を
『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』

これは長年続く『アイドルマスター』というシリーズの一つである
『シンデレラガールズ』のリズムゲームだ。

好きなアイドルでチームを作って、画面上部から落ちてくるアイコンをタイミングよく押して曲を演奏する。

プレイヤーはアイドルのプロデューサーとなって自分の『担当アイドル』を育成していくという要素も入っている。

デレステを熱心にやっていた理由は
『担当アイドルのガチャ』
の存在だ。
アイマスを知らない人に分かりやすく言うと『自分の好きなアイドルキャラのガチャ』とでも表現しておこう。

これがとにかく欲しかった。

それと「このアイドルの担当なんだから全部そろえないと駄目だろ」的な謎の心理が働いてしまっていた。コレクター気質ってやつだろうか。

俺はそういうのが気になってしまうタイプだ。
ここは人によるかもしれない。

とにかくこの『担当』という要素はアイドル系コンテンツとは抜群に相性が良いテーマなので、愛着を持ってしまうといよいよ離れることができなくなる。

リズムゲームでレベルアップしてアイドルのレベルも上がると、どうしても「一緒に頑張ってきた感」も出るし、担当アイドルが成長した時のコミュを読むと泣けてしまう。

「俺、このアイドルの担当で良かった」

と本当に思ってしまうのだ。

目の前にあるのはジョブズの作った板切れと、悪魔的天才たちが施したデジタルドラックなのに、そう思ってしまうのが怖いところだ。

だいたい天才たちが搾取しようと巧妙に作られた罠なのに、凡人の俺らに何が出来るってんだ?

「北条加蓮はいいぞ」(脳死)

ちなみに俺は今でも担当アイドルのガチャがほしい気持ちがあるので、意識高めに「選択と集中」と称して担当以外のガチャは引かない戦略でここ1、2年は無料石を天井分貯める作戦が成功している。

これにより石が足りなくて葛藤するというギャンブル要素は排除できたのだ。

でもその石を確保するためにログインしたり、デイリーウィークリーをやってるので、結局運営の術中からは逃れることができていないのだが。

でもそれを決めてるのも自分なのよね。アホよね。アホ。

「ログインしないともったいない」
もったいない精神で育った我々極東の島国の民は、毎日数分かかるログインやデイリー消化アイテムをありがたくプレゼントボックスに溜め込んでいる。

そのくせ貯めた石の使い方はわからないのに、欲望に優先順位をつけきれずにちょっと欲しいガチャが来たら無計画にまわして財布を空にしてしまう。

担当アイドルが増えるのは考えものだ。

幸い自分の場合はデレステのアイドルに対して欲望がとっちらかっていなかったので、それほど大きな課金をしたことがない。

それでも担当のガチャが来た時に手持ちの集めた石で引けないと、そりゃ天井を目指すわけで。
だって他のアイドルの時は我慢してたから。一点突破といわんばかりに。

そうそう。
度々ソシャゲ界隈で出てくる天井って言葉だけど、これもここで説明しておこう。

簡単に言うと「◯◯円使えば必ず目的のキャラが当たります」という機能のことだ。

デレステ内の石はジュエルと言うが、75,000ジュエルが天井1回分だ。
これを全て現金で賄うと9万円かかる。

例えば北条加蓮というアイドルのガチャが来た時に、75,000ジュエルもっていれば必ず引けることになる。

で、自分の場合は年一ぐらいで担当アイドルガチャが来るので、ずっと貯めているんだけど、75,000に到達しなく、かつ手持ちの無料石(ゲーム内配布)で引けない時は課金をしていた。

大体は手持ちの無料石+現金追加で天井を目指す形になる。

……とまぁ担当アイドルの時だけ運悪く天井が続いて、その時は4万円ぐらい課金したかなぁ

◯限定に弱い日本人はソシャゲのいい餌食

ソシャゲにはイベントというものがある。

期間限定でゲーム内のイベントに参加し、上位に入ったり一定数ポイントを獲得することによりその時限定のアイテムがもらえる。

大枠こんな感じだと思う。
これについては後述する「ログインの義務感について」と重複する部分もあると思うけど、ソシャゲと言えばガチャ、イベントなのでガチャの流れで軽く触れておく。

結論から言ってしまえば、日本人の限定好きの心理をよく利用している。

「この時しか手に入りませんよ!」
と煽ってイベントに縛り付け、そのタイミングで限定ガチャを出してきたりもする。

熱心なプレイヤーならイベントで上位に入るためにお金でスタミナを回復させたり、イベントに適したキャラを揃えるためにガチャを引いたりするだろう。

「今しか手に入らないアイテム」

「上位に入りたい承認欲求・自己満足」
を上手く煽って時間とお金を巻き上げる。

それがソシャゲのイベントなのだ。

まぁイベントと聞くと楽しそうで聞こえはいいよね。

「イベントが開催されてます!」

悪意のかけらもないけど、その内情は運営がプレイヤーから金と時間を巻き上げて、プレイヤーは射幸心を煽られながらデジタルデータと限定アイテムとその中でしか通用しない名誉を追いかけ続ける」

悪いものはなんでも擬態してやってくる。

借金だって「リボ」「ローン」と名前を変えて迫ってくるし、税金だって「源泉徴収」と直接名乗らない。

泥棒だって漫画に出てくる泥棒の格好はしていないわけで、イベントはユーザーから金と時間を巻き上げる天才の作った悪魔が擬態しているのだ。

あと限定ってソシャゲだけじゃないよね。
コンビニの一番くじとかもそうなんじゃないかな。

限定。
それは一度見たらもう戻れない魔法の言葉だと思う。

◯ソシャゲはソシャゲの外からも攻めてくる

アイドル育成ゲームであるデレステを例に上げると、これはゲームとリアルライブが密接にリンクしている。

『ゲーム内で新曲実装→LIVEでお披露目』
この流れがあると思う。

LIVEは声優さんがゲーム内のアイドルに扮して歌やダンスなどのパフォーマンスを披露する。

だからゲームで新曲を聞いたら、そのCDを買って聞いて、リアルLIVEに備えるし。

楽しむためのフローチャートとしてはよく出来ているけど、このレールから外れるとちょっと追うのが大変になってくる。

本当はそんなことないんだけどね。だって公式HPを見ればCDの発売日は書いているわけだし。

でもその時はこの流れから離脱すると「コンテンツについていけない」って思ってたし、実際ついていく方が楽だった。

だってゲームを継続していれば、楽曲の聞き漏らしがなくなるからだ。

そんな感じで2017年~18年はシンデレラガールズというコンテンツに関しては限定でも無い限りは全てのCDを漏らさず買っていたんだよね。

それから”追う”ことに疲れて、2019年頃からはゲームもあんまりやらなくなって、楽曲の把握もしていなかった。

そんな状態で行ったライブは半分ぐらいは知らない曲だったけど普通に楽しめた。
取り憑かれていたころの俺は何をしていたんだと、この時期痛感したんだよね。

◯このままソシャゲに時間を費やしていいのだろうかと思ったこと

「このままソシャゲに自由時間を費やしていいのだろうか?」
と思い始めたのは実は2020年だったかな。割と最近。

デレステに関しては2015年配信当初~今もやってるんだけど、一年ぐらい前まではイベントを毎回走っていた。と言っても景品が取れるところまでだけど。

一日のプレイ時間は40分~1時間。それを数日ぐらいかな。イベントとイベントの間のなにもない時はログインだけする感じ。

デレステは序盤の頃は何ヶ月かログインしない時もあったんだけど、2017年に同ゲームのリアルLIVEのライブビューイングに参加してから、アイマスへの熱がヒートアップしたことを今でもよく覚えている。

ちなみにライブビューイングってのは、実際に行われているライブを中継して映画館で見れるサービスのこと。

ソシャゲへの時間も一日30分~1時間は使うようになった。

アイドルマスターはゲームが複数あるし、他のもちょいちょいやってたので、多分一日1時間~2時間はソシャゲに時間を使っていたと思う。

2018年にスタートした『シャニマス』というゲームはやり方を理解してからは、仕事から18時に帰ると24時まで飯・風呂以外はそれに時間を使っていた。

だけど生きているとやりたいことはどんどん増えていく。
今は小説を書いたり副業準備をしていてそれの優先順位が高い。

そんな中やりたいこととソシャゲの両側から時間で押しつぶされそうになった時

「あれ? なんか時間足りなくね?」

◯ソシャゲの他にも面白いコンテンツがあふれる時代になった。そのことに気づくのが遅かったのかもしれない

ファミコンやスーファミなんかの家庭用ゲームをやっていた時はそれしかなかったから、いい時代だったのかもしれない。

スマホはおろか、携帯電話もない時代なので、当然SNSなんてあるわけないし、友達とゲームの進捗のために連絡をとるなんてこともなかった。

朝学校に行く時に「昨日買ったドラクエ3どこまでやった? 俺は◯◯まで進んだぜ!」「マジか。早すぎだろ。宿題やったのかよ」みたいな会話が懐かしい。友達いないからしたこと無いけど、多分想像だとこんな会話をしながら学校に行ったんだと思う。

だけどそっから時代が20年進んだだけでどうだろう。

毎月リリースされるソシャゲ。毎月サービスが終わるたくさんのソシャゲ。

YouTubeとNetflixは無限に時間を奪い、画面を閉じて休もうと一度ホーム画面に戻ればTwitter、Instagram、Facebook、LINEの右上に踊る赤い数字。
「返信しなきゃ」
そうして時間を奪われなんだか疲れて「ゲームでもやるか」とまた戻っていく。

ソシャゲから抜け出してもGAFAの手のひらでくーるくる。

ファミコン時代のゲームと違って終わりがない。
ドラクエだってクリアしてしまえば、次の誕生日まで新作はなしだったのに。

だけど数回タップすると無料のゲームが無限に遊べる。

無限にだ。

大体1分間で
YouTube アップロード動画総時間 500時間
Facebook 新規投稿数 260,000件
Twitter 新規ユーザー数 319人
Instagram 投稿数347,222件
Amazon 出荷数 6,659商品
Netflixストリーミング配信総時間 404,444時間
ZOOM リモート会議参加人数 208,333人
TikTok ダウンロード数 2,704回

これだけの情報が世界で更新されている。
人ひとりの人生時間なんて虫けら同然。数の暴力だ。

昔は次のゲームを買ってもらうためにワクワク待つという時間は、数十秒のダウンロードに踏み潰され、まるで焼畑のように時間を奪われていく。

もう本当に今の時代、時間は燃えている。
石油の埋蔵がなくなっても俺たちの時間は無限消費され続けるんだ。

ソシャゲも動画もSNSも楽しい。全部楽しい。間違いない。
だからって好きなゲームをやって、動画を次から次へとおすすめされるがままに消費して、通知のバッチを殲滅させるまで文字を打ち続ける。

そんな生活をしていたら、人生もう終わりよ。
人生の時間が足りない。

既読を倒してツイートをしてゲームをして動画を見てリプライしてまた動画見て。そうやって息抜きのつもりで使っていたスマホに無限に時間を燃やされ気づけば今日一日何もしてない。

そんな日が一体どのぐらいあっただろう。

だから本当にやりたいことのために、楽しいことも断捨離しないといけない時代になっている。

それに気づくのがちょっと遅かったのかもしれない。
少なくとも俺は遅かった。

自分の時間しか勝たない。

◯価値観とライフスタイルの変化~歳を取ると時間を生産的なことに使いたくなる説?~

これは俺の中で一つの説だったけど、最近フォロワーさんとSkypeをしてて同じ話になったので、まぁ一つの説としては有力かなと思ったので書いていこうと思う。

前述の通り、時間って有限なわけだ。
で、俺の場合だと今は
『小説を書きたい』
『副業の準備をしたい』
『土日に副業をしたい』
『YouTubeを撮りたい』

小説は趣味だけど、他は自分がもっと歳をとった時に潰しがきくようにスキルを習得する一貫としてやりたいと思っている。

俺は今39歳なんで、さすがに感情の赴くままに色々やるのは気力的にも時間的にも大変になってきたし、何より体力的に大変になってきた。

体力と気力は比例すると心底思う。もっと言うと20代の人と40代の人だと1時間の質が違ってくるのだ。歳を取ると体と同じ様に時間もぼろぼろになる。

数年前までなら仕事が終わってからどっかに遊びに行くこともしてたけど、今は帰宅途中で日用品を買うのすら億劫なのだ。

ってことで帰宅してからやるべきをやりつつソシャゲは完全にキャパオーバーになってきた。

若い人はもしかしたらこの感覚わからないかもしれない。
ただ優先順位をつけないといけないのは年齢関係なく確かなことだと思う。

この記事を書くことが優先順位としてどうかはかなり微妙なところだが、天才たちが作った道具の犠牲者同士、もうしばらく傷をなめ合おうじゃないか。

となると、生産性の低いものから切っていく作業に入ることになるんだけど、そうなるとやっぱりソシャゲを切らないといけないよなぁって思ってしまう。

だって面白いけどやっぱり何かは生み出してくれない。
生み出したとしてもどう考えても投資している時間と比較すると割りに合わないと個人的には思う。

めっちゃゲームして有名になってそっからYouTubeとかに展開していく……とかなら生み出したとも言えるかもしれないけど。

◯単純にだるい・疲れる

シンプルにソシャゲがだるい。
前は「イベント上位だやった! 報酬がもらえる!」って喜んでたけど、今は「で?」という感じだ。

多分これは「飽き」+「ソシャゲへの疑問」+「体力と気力の低下」が原因だと思う。

アイマスの場合はイベントのコミュが見れて、それは登場人物にさらなる深みを与えているので、そういうのは物語的にはいいんだけど、
結局ソシャゲはゲームが変わろうが、イベントが変わろうが、やってることは変わらないのだ。

スタミナがあってそれをリアルの時間を消費して使い、イベントをこなす。上位には報酬がある。それをやりやすくするためにガチャがある。

基本全部いっしょなのだ。時間を使う→繰り返す→時間を使う→繰り返す。

終わりがないのに、その終わりのないものが増えていく。
なのに時間は有限だ。

冷静に考えて継続しろという方法に無理がある。
ゆえにダルくなって疲れるのは当たり前じゃなかろうか。

多分俺はこの9年でソシャゲに使えるコップの水を使い切ってしまったのかもしれない。もしくは器に穴が開いてるか。

いずれにせよそこへ回せるエネルギーはもうあまり残っていないように思える。

ゆえにソシャゲからの離脱方法は2つしか無い。
運営がサービス終了するかこちらから退場するかだ。

運営「これからマラソンをします。100mごとに景品を用意しています。有利に走りたければ受付で福袋が売っているのでそこでドリンクやシューズを揃えてください」
運営「1km走りましたね。おめでとう。でも隣の人はあなたのほんの少し先をいっています。どうです、ガチャ」
運営「おめでとう。今回のイベントで上位に入賞したあなたは、次のイベントでは少し前の方から走ることができますよ。次も頑張ってください」
ぼく「このマラソンをそんなに頑張ると何が得れるのですか?」
運営「それはわかりませんが、私達はこのグランドを維持することができますし、少しだけ良いところに住めて、少しだけ美味しいものが食べれるようになります」
ぼく「なるほど?」

運営は俺たちを楽しませることも考えているが、それで彼らが得ているものは彼らの生活だということを忘れてはならないと思う。

ぼく「きりが良いので帰ります」
運営「残念。またいつでもおいでね」
ぼく「アンインストール」
運営「残念」

ソシャゲに時間を奪われる俺たちと、俺たちから時間を奪う運営たち。だけど運営たちも俺たちの時間を奪うために、自分たちの時間を燃やしている。

誰か幸せになった?

◯ログインの義務感について

義務なんて強めの言葉で書いてるけど、まぁちょっと気になる程度なんだ。別にログインしなかったからって何かを失うわけでもない。

でもみんなログインするのはさ、なんかゲーム内で重大発表があったり、イベントが始まったり終わったりの情報を聞き逃したらどうしよう? みたいな真理働いてない?

それ以前になんとなくログインしてない?

「ログインボーナスが欲しいんじゃ!」

ボーナス。
ログインしていれば貰えたはずのボーナス。
これが貰えなかったら損した気分になるよね。
だからみんなログインするんだよね?

「ログインしないともったいない」
もったいない精神で育った我々のDNAがソシャゲにせっせとログインさせる。それが義務感につながる一つかもしれない。

だけどそんなに溜め込んでもサービスが終了する時には駆け込みでガチャを回すじゃないか。

昔モンハンで
「やること無いけどハチミツだけ集めるわ」
と言って一生使い切れない量を集めていた奴がいたが、彼はモンハンを退く時にそのハチミツをちょうど0個に出来たのだろうか?

これも一種の強迫観念かもしれなくて、ログインもそうだと思う。

もう一つの可能性としては彼がプーさんに脅されていて人知れずハチミツを納品しないといけない立場にあった可能性もあるが、ソシャゲとは関係ないので、もしこの記事を見ていたら真偽を教えてほしい。

まぁその彼とはイマジナリーフレンドなんだけどね。

それでも俺は、シャニマスってゲームは週に2日ぐらいデイリーやってるし、土曜日にTverでプリキュア見ながらウィークリーやってるしで、結局ソシャゲにまだ少し縫い付けられているんだよなぁ。

◯「やりたい時にやればいい」はどれぐらい成立するのか

本当にそれ。
やりたいときだけログインしてやればいい。
でもそうしないで、みんなは毎日だるいだるいと言いながらログインしてるし、なんならゲームをしないで「俺、これはログインだけにしてる」ってやつもいる。
もうこれは完璧に運営の手のひらだと思う。

「俺、3ヶ月ぐらいログインしてないけどこのゲームやってるんだ。やりたい時にやるスタイル」

って言ってるやつを見たことがない。
大抵は惰性で毎日ログインしている人が殆どじゃないかな。

本当にやりたい時にやるんだったら、別にログインもその時だけでもいいってことなんだよね。

「俺、昨日からカレー食べてるんだよね」

って言ってるやつが「あー今日もカレーかー」とか言っていたらそいつは可愛そうなやつだと思う。
食べたい時に色々食べればいい。
カレーにシチューが増えたら毎日それらを食べるんじゃなくて、日替わりで食べればいいと思う。

もうあれだ『ゲーム』ってアプリがあってログインするまでなんのゲームが起動するかわからないアプリゲームを作ろう。
あれ? そういう話じゃない? うん、そうだね。

◯ログインしないと小宮果穂は悲しがるか~問題の先送り問題~

小宮果穂とはアイドルマスターシャイニーカラーズのアイドルだ。

ってかこんなタイトルつけるといよいよこいつヤバいんとちゃうかっていう話にはなってくるかもだが、ゲームにログインしなくて推しが寂しがるんじゃないか、また自分が寂しくなってしまうんじゃないか。

そんな疑念に囚われる場合もある……かもしれない。

でもその正体は完全に「ゲームを断ち切れない言い訳で」なんならそんな言い訳に担当アイドルを担ぎ出すのは本当に無礼千万というものだ。

まぁここで言いたいのはゲームをやめられない言い訳をどっかに求めて解決を先送りにしているということだと思う。

「ログインしないと推しキャラが寂しがる!」

気持ちはめっちゃわかるんだけど、それも多分運営の手のひらだと思う。

でもなー
ログインしたあとの画面でキラキラした瞳で話しかけられると心に来るんだよなぁ……

え? 誰にでもそうやって話しかけてるって?

バカ言うんじゃない。ソシャゲのやりすぎでおかしくなったか?

◯どうやってソシャゲ沼から抜け出せたのか~今の向き合い方~

正直あまり抜け出せていない。ログインは緩やかにしてる。

だから気が向いた時にやってる……という感じなんだけど、多分毒は抜けきってないんだろうなぁ。

でも明らかにゲームをやる頻度は減ってる。

ただ趣味の片付けの資格を取ったり、土日に副業をしたいという欲求が惰性で続けてるソシャゲや他の趣味の熱量を上回った。ただそれだけだ。

だからもしソシャゲに疲れてやめたい人は、その代わりになる何かを探すのがいいかもしれない。

なんとなくタバコを吸っている
なんとなく酒を飲んでいる
なんとなくパチンコにいく
なんとなくログインをする

ログインの違和感がなさすぎる。
むしろ違和感がログインしてくれ。

とにかく俺は家にいてやることがないとなんとなくYouTubeを見てしまう。この記事を書いている時点ではなんとなくログインはなくなって「そろそろ1週間ログインしてないから入っておくか」という感じだ。

だけどこれは惰性よりまだ義務感が強いから駄目っちゃ駄目なんだろうな。

はー、ホントにソシャゲやSNSを考えた奴は天才だな。この悪魔、人でなし。

タイトル回収?

しらんなぁ。今後はどうなっていくんだろう。
でもパズドラやデレステみたいにガッチガチにハマることはないと思う。

◯そろそろ結論~ソシャゲは悪か~

これに善悪をつけるとなると難しい。

ただ「良い」部類ではないと思う。

中毒性
射幸性
義務感
惰性

こいつらを引っさげてやってくるんだから、悪ではなくとも

「たちの悪い桃太郎」

ぐらいにはなってると思う。

その吉備団子は俺らの課金ぞ。
鬼も課金漬けにして俺らのクレカを狙いに来る。

ともあれ何はなくとも付き合い方。
これしかないと思う。

良い文化とは言い難いと思うけど、コミュニケーションを助けたり、暇つぶしの道具になったりと悪いことばかりじゃないし、その業界で暮らしている人もいるしね。

ってことで繰り返しになるけどソシャゲは別に悪くないと思う。

ただ、ソシャゲ疲れをしている人はたくさんいると思うので、今回の記事を書いた次第。

少しでも思うところがあれば幸いです。


では僕はオグリキャップの育成に戻りますね。

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