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憧れではなく同じステージに立つ

まだ私が防弾少年団と出会う前のこと。あるアーティストが好きで上京したいと熱く語るインターンの子と社長と飲みにいく機会があった。
彼女はその頃九州に住んでいて、普段はオンラインで仕事のやり取りをしていたのだけれど、上京する度にそのアーティスト(仮にKさんとする)が行きそうな飲食店に目星をつけては訪問していた。そしてKさん宛の手紙を置いてくるという荒技を続けてた。昨日は〇〇に行ってみたけど受け取ってもらえなかったから、今日は▲▲に行ってみる〜と、楽しそうに話す彼女が可愛くて「お店に迷惑にならない程度にね」と言いながらも、私はただ話を聞いていた。

ある夜、その子と社長と飲んでいた時。その話になった。
社長も私も長い間バンド活動をしていたという共有点があり、彼女よりほんの少しだけレコード会社の仕組みや芸能事務所について知っていることは多かったのかもしれない。
Kさんと付き合いたい、結婚したい、そのために出会いのチャンスを探し続けるんだと息巻く彼女に、社長が言ったのはたった一言。
「ならKさんと同じステージまで上がらないとね。ファンのままじゃ無理だよ。」
彼女は一瞬ポカンとして、その後もKさんへの熱い思いを語っていたけれど、私はその言葉に深く頷いてた。
そう、ファンのままじゃ無理なんだよね。同じステージに立つことは最低条件なんだ。それは別に同じアーティストになることでも芸能人になることでもなくて、少なくとも同等の立場で仕事できるくらいになること。同じ世界じゃなくてもいい、全く違う業界でもいい。Kさんと一緒に仕事をしている人に紹介してもらえるくらい、つまりKさんと同ステージにいる人と同ステージに立つくらいにならないと。

それは例えば自分がアーティストやアイドルの立場になったことを考えてみれば、容易に想像がつくだろう。ファンと付き合うって、ものすごくリスクが高い。スキャンダルになるとか贔屓してるとファンが離れていくとか、そういう問題以上に、相手が自分のことを100%完璧なヒーローやヒロインとしてみているから。出会った瞬間が1200%。そこから先はファンだった時、自分の理想を重ねてみていた頃の彼と現実の彼との間違い探しをしていく日々だ。それがたとえ現実の方が素晴らしい人であっても。
ファンだった頃の好きが間違いだったわけでも勘違いだったわけでもない。好きな気持ちは本物だった。でもそれはやっぱりちょっと違うんだよね。


私自身、防弾少年団のメンバーみんなが大好きだし、心底彼らの幸せを願ってる。いつか会えたら本当に嬉しい。でもそれはファンの好きだっていう自覚がしっかりとあるよ。
私はジンペンだけど、ジンくんの好きなところの一つが「リアコを製造しないように喜ばせるけど期待させない」言動だ。もちろんすぐそばにいてくれるような隙をみせて、リアコをばんばん生み出して行くユンギやグクのことも大好きだよ。ときめくときめく。それでも、結婚してとか付き合いたいとか、そういう発言に対しては塩対応を貫くジンくんがすごくいいなって思ってる。アイドルとファン。ジンくんはアイドルという仕事をしていて、ファンを本当に本当に大切にしてくれてる。それは仕事の一環だけど、時にはプライベートを犠牲にしてまでアミを優先してくれる。それくらい防弾少年団のメンバーであることを愛している。アミを防弾少年団の一部としてすごく愛してくれてる。
私にはそれがジンくんの最上級の愛に感じられるから。彼を応援することでずっと満たされているんだなぁって、最近気づいた。


憧れじゃなく、同じステージに立つ。防弾少年団に憧れ続けるのではなく、私も彼らと同じステージに立つ。そが今の私の目標。
さっき言ってたことと違うじゃない!と思うかもしれないけれど、私はジンくんと恋愛がしたいわけじゃない。でも同じステージに立って、フランクに話をしてみたい。仕事したい。
私は食に関する仕事をしていて、先日あるダンサーたちのツアーケータリングにも参加させてもらった。その時私が思っていたのは「いつか防弾少年団が日本ツアーをするときにはケータリングスタッフとして一緒にツアーを回りたい」ということ。
今はこれが私の目標。そのために韓国語も韓国料理も学び始めてる。まずはペク・ジョンウォン先生とお会いして、直接料理を教えてもらいたい。ここが一つ目の目標。

すごいね。推しができるだけで、世界がぐーんと広がって、目標がどんどん具体化していくんだから。
私の世界を広げてくれてありがとう。ステージを上がれるよう頑張るね。


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