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読書『元彼の遺言状』

新川帆立さんの『元彼の遺言状』を読んだ。

あらすじは下記の通り。

「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」。元彼の森川栄治が残した奇妙な遺言状に導かれ、弁護士の剣持麗子は「犯人選考会」に代理人として参加することになった。数百億円ともいわれる遺産の分け前を勝ち取るべく、麗子は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走する。ところが、件の遺言状が保管されていた金庫が盗まれ、更には栄治の顧問弁護士が何者かによって殺害され・・・・。

本のカバーより

第19回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞作で、2022年にはドラマ化もされた作品。28歳の弁護士、剣持麗子が奔走する非常に読みやすいストーリーだった。

最近のミステリーでは売りの『大どんでん返しのようなものはあまりなかった』(私が気づかなかっただけ??)が、登場するキャラクターの個性や関係性が良い感じでストーリーを引き立てていたと思う。

ミステリーに限らないが、最初散らばっていた点と点が繋がる瞬間はやはり爽快で、読み進めていくテンポに拍車をかけてくれた。

本の中でポトラッチという言葉が出てくるが、人間の戦い方にはこのようなものが、しかも大昔から各地で自然発生的にあったことを知った。

ポトラッチ(potlatch)
《元来は消費・贈与の意》北アメリカ太平洋岸のインディアン社会に広くみられる、威信と名誉をかけた贈答慣行。主催者は盛大な宴会を開き、客に蓄積してきた財物を惜しみなくふるまって自らの地位と財力を誇示し、客もその名誉にかけて他の機会にそれ以上のもてなしをする。

コトバンクより

また、この新川帆立さんの『剣持麗子シリーズ』は『倒産続きの彼女』、『剣持麗子のワンナイト推理』とあと2本あり、非常に興味があるので、ぜひ続編も読んでみようと思った。


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