日々徒然

年々春が短くなっていくと感じるのは私だけだろうか。若葉の鮮やかな時も確か春と呼んでいたはずなのにその陽があまりに眩しくて、まだ春だと呼ぶことに臆してしまう。/

17年勤めてくれた方が足の手術をすることになり辞められた。御年70歳。辛い時何度も抱きしめていただいた。手を握っていただいた。貴女を娘のように思っているよと言っていただいた。心の温かい方だった。/

焦るというのは、今、足元にある小さな幸せを取り零している気がする。何に向かって焦るのだろう。今日の始まりと終わりの中で。/

見知らぬ町での4年間、その中で、抱きしめてくれた方、手を握ってくれた方、娘のように名前を呼んでくれた方、そのままでいいのよと言ってくれた方に出会えたことの奇跡のような幸せを、私は今の足元に自信を持って決して忘れてはいけなかったのだ。/

明日。黒猫の赤ちゃんが我が家に来る。縁あって出会った、小さな命。/