日々徒然

暑いのかも寒いのかもよく分からない。いつも身体が氷水に浸かっているよう。季節も時間も平等に降り注いでいるだろうに、そのどちらも知らない間にというのはなんてつまらないことだろう。/

数えてみた、45日めだ。孫娘が来て、生まれて初めてのそれはそれは楽しい時間を過ごして、そして、臥せった。傍らにはまだ手編みのカーディガンが掛かっている。過ぎ去った5月。ほとんどその姿を知らない。きっと清々しい緑の風が吹き抜けていたに違いない。木々は毎日柔らかな黄緑の葉を伸ばしていたに違いない。45日なんて人生のうちでは瞬きのような時間、とそれは過ぎてから思えること。いつか思えること。それでも辛かったこと忘れたくない。/

何を書こうというのだろう。どんなに辛いことも悲しいことも苦しいことも楽しいことも嬉しいことも、過ぎてしまえば自分の思い出になるだけだ。/

幼い頃に亡くなった母の、そのほとんどを私は知らないと思春期によく嘆いたけれど。だから何だったんだろう。とうに母の生きた人生より長く生きている。母こそ知らないと嘆いているだろう。数年前に亡くなった父の何を知っていた?やっぱりそのほとんどを知らない自分がいる。

父の、母の、生きた証は子供、この私自身であり、その人の思い出はやっぱりその人が持っていくのだろう。/

ダメかもしれない、ふとそんな思いが横切った時、残す物を考えた。付き合いだして夫に初めて貰った可愛い指輪は孫娘にあげよう。パールのピアスとネックレスのセットは下の娘に。亡くなった母のパールの指輪と共に。上の娘には夫に貰った婚約指輪を。ゆくゆくは孫娘にあげてもいいし。
さて夫に残すものがない。結婚指輪は彼のどの指にも入らないだろうし、とりあえず共に歩いた時間を覚えていてもらおう。

そんなことなど考えた……バカだね。/