見出し画像

全身を繋げて踊るって難しいね。

ついこの前まで昨年の発表会のことをやっていたつもりが、3月から私が受け持つJAZZ中級クラスと初中級クラスは今年の発表会へ向けて少しずつ動き始めました。本番は8月、約5ヶ月掛けて生徒さんたちは積み上げて行きます。

さてさて、振付が始まると見えてくる各自の課題。これまで未消化にしていたもの、新しいフェーズへ上がったからこそ生まれた課題、それぞれありますが、とにかく真剣にみんな向き合ってくれているし、もっとかっこよくなりたい!成長したい!というとっても素敵な欲が感じられるので、少しでも彼らの良き所をPickしてブラッシュアップできたらと思っています。

前提としてダンスは楽しむものだと思います。ですがシンプルに美しく踊ろうと思うと、当たり前に地味な練習やトレーニングがセットで付いてきます。勢いやテンションでは誤魔化せない領域なのですよね。ここの領域に来た子達は「あぁ基礎って本当に大切なのね」とやっと分かるようになるというか…昔の私がまさにそれでした(笑)

私自身体の使い方にとにかく悩んできました。特に10代は同じ基礎、同じ振付を踊っているのに先生や先輩とどうしても同じ形にならない、同じに見えない。つまり体全身を繋げて踊る事ができなかったのです。
レッスンで先生、先輩方から「もっとこう動けたらいいよね」というアドバイスは散々頂いていたのですが、どういう理由で出来ていないか具体的な答えは"自分で気づくべし"という場所だったので、頂くダメ出しやアドバイスと知識や自分自身の体験と重ねてトライ&エラーを繰り返す日々でした。そしてそれは今も続いています。当時は何度やっても分からない、出来ないで本当に劣等感が膨らむばかりだったのですが、今となってはその経験があって本当に良かったと思います。
すぐに答えが分からなかった、自分で探すしかなかったから、出来なかった理由も、何をどうしたら繋がるのかも理解できるようになったし、説明できるようにもなりました。それはダンス講師という私のお仕事にとってとても大切な能力だと思うので、本当に必要な時間と経験だったと思います。何事も無駄なことなんてないんですよね。

全身を繋げて踊れない原因は一つではなく様々な要因が絡み合っていることが多く、体の可動域の狭さ、アイソレーションの弱さ、体重移動がうまく出来ていない、体の癖が強い…等が絡み合って個人オリジナルの出来ない理由が出来上がっていると思います(笑)
当時の私が一番言われていた注意は「脇(腹)を使って。」つまり腕(手)が肩甲骨から使えていないので、腕の動きと胴体の動きが分離していたことを指摘されていました。でもどうやったら脇が使えるのか、何が脇を使うの正解なのか、どんなトレーニングがその脇を使うに繋がるのか…当時は本当に分からなかった。というかレッスンの最初の基礎の時間のソレが振付になった時のコレに繋がるという感覚を持てるまでに時間が掛かりました。

今の私の生徒の子達を見ていても殆ど全員が私と同じ所で躓いたり、悩んだりしています。同じように動かそうとしているのにそう出来ない。「なんで出来ないのか?」当時の私の様に感じているのだろうなぁと…。
数年前は自分が経験したように自分で気づくことが大切だと思っていたので、気づいて貰えるようにヒント的なアプローチしていましたが、いやいや違うなと。体の使い方が分かったとて、その先のダンスの領域に入ってからの道のりがとてつもなく長い。理論的に体の事を理解しながら踊る方が怪我も防げる。そう思うようになってからは私が実体験で理解した事は、とにかく細かくしつこいくらいに説明するようになりました。
先ほどの私の脇が使えない問題、生徒ちゃんにも多くおります。なので基礎の段階で脇を①使えてる動き②使えてない動きとやって見せた上で、この動きが今の振付にどう繋がっているかを説明します。やはり多くは私と同じく、腕と肩甲骨が繋がっている感覚が持てていない、つまり背中(背骨)が使えていないことが多いなという印象です。
生徒ちゃん達は一所懸命に分かろう分かろうとしながらもやってみると「…分からない!!」と毎週試行錯誤。「そうだよね〜分からないよねー難しいよねー。。。」共感しかありません。でも最近は点が線になる瞬間も少なくなく、基礎の時間に「わぁ〜だからか!!分かったー!!!」と言う声がスタジオ中に響き渡る瞬間も。じゃそれで踊ってみようとすると長年の癖が顔を出し「つっ…繋がらない…間に合わないっ。泣」となっております。本当に全身を繋げて踊るって難しいです。

地味で地道な積み上げなので結果が出るまでに心折れたり、つまらなくなる過程だと思います。勢いで踊れる方が瞬間的には楽しいですしね。若ければ若いほどそう思ってしまうのも分かります。私もそうでした(笑)
それでもこういう時間は必ず実を結ぶと断言できます。現に昨年の発表会の時と今の彼らのダンスは確実に変化しています。肩甲骨、股関節の動き一つで変わるものなんだと熱く伝えている毎日ですが、その全ては自分のダンスを素敵にしたいから。その想いと情熱の方向さえズレなければこのマニアックな道へ自ずと来てしまうのかなとも思ったり…♡
私自身今も改善できた所、未だ上手く使えない所と課題が沢山なので一つ一つ丁寧に理解して生徒ちゃん達に還元していきたいと思っています。


さぁ本日も絶賛振付とレッスンです。最近胸椎と股関節の調子がいいので気持ちよく踊れてとってもはっぴーです。

それでは、ごきげんよう。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?