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母と私の子育て

精神科に行ってきた。
昨年の4月に再就職し、子どもを保育園に送って、仕事をして、帰りに子どもを迎えに行って、寝るまでお世話してを1年間続けたところで「もうダメだ」と思った。子どもたちにも「かぁかちょっと怒ってばかりだから心のお医者さんに診てもらってくる」と言った。

人生初の精神科。
親くらいの年齢と思われる女性の医師は、淡々と私の話を聞いてくれた。
児童精神科医でもある先生のやり方なのか、私と夫の祖父母の代まで遡って聞き取った話を整理していた。その中で、私の母が私を育てた環境についてクローズアップしたところがあって、私自身気にしていなかったので驚いた。
私の母は私を生んで1ヶ月で自営業の事務の仕事に復帰している。姑(私にとっての祖母)に、私が見ててあげるから授乳はミルクにして働くように言われたそうだ。母が淡々と語るもんだから、私はそのエピソードが印象的ではあったけど「そうなんだ」くらいに思っていた。母の感情を聞いたこともなかった。でも今思えばいろいろな感情が渦巻いていたであろう。もちろん私にその時の記憶はないし、私を生み育ててくれたのは主に母という感覚がずっとあるのだけれど、先生は「あなたは1ヶ月で母親と離されて乳幼児期を主に祖母に育てられた」と言われてちょっと切なくなった。実は私も母も寂しかったのかもしれない。

私自身も「うちの孫」発言をしてしまう姑(夫の母)に気を遣い、実家の母に頼るのを控えていたモヤモヤがあって、その事を先生に打ち明けると…

「それはね、あなたのお母さんのためにももっと頼るべきです」

と言われて涙が出た。自分の子育ての相談に来たけど、母を想う時間となったのだ。

「あなたのお母さんはお孫さんを見ることで時間を取り戻して、あなたはお母さんと同じような子育てはここで断ち切って、あなたの子育てをするの」

と言われて再び泣かされた。
母は、私の祖母である姑の悪口は一切言わなかった。でもエピソードを語るということは、聞いてほしい、想像してほしい何かが無意識にもあったのかもしれない。「それきつかったね。私なら寂しいわ」と言って欲しかった?
母も言われて初めて「私あの時寂しかったんだ!」となるかもしれない。

真意のほどは分からない。けれども私はホッとしている。
自分の話を聞いてもらうと色んなことが浮かび上がるものだ。
人の話も、なぜそれを聞いてほしいのかを考えると、その人の気持ちを代弁したり、理解してやれるのかもしれない。子どもの話もちゃんと聞いてやろうと思う。怒っている場合ではないのだ。


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