不器用な専業主婦の午前中

結婚したら職場の長から辞めるように言われた。
時代錯誤だなと思ったが、職場の性質上しょうがないよなぁと思うところもあり、そもそも仕事と子育てを両立する器用さは自分にはないので（当時子どもはまだいなかったが）思い切って専業主婦というのを4年ほどやっている。その間に子どもが二人産まれた。

今日はそんな不器用な専業主婦の午前中を書こうと思う。

4時起床。
いや、正確には床には入ったまま覚醒。下の子の夜泣きで起こされたのだ。幸いにも上の子はすやすや寝ている。下の子はこのまま6時過ぎくらいまで、明け方泣きを繰り返すのでそのたびに添い乳をしたりとんトンをしたりしてなだめる。下の子の泣き声で上の子が早朝に覚醒しないように。
この明け方のダラダラ泣くやつが無くなれば、もう少し朝の時間が余裕が持てるのに。

努力の甲斐なく6時ころに上の子も起きてしまって、仕方なく寒い居間へ。下の子もほっこり寝れなかったのか起きぐずりがして抱っこを離れない。おむつを変えるために下ろすだけで大泣き。夫が起きて朝食の準備をしてくれる。申し訳ないなぁと思いながらも下の子がくっつきすぎて手伝えない。トイレにも行きたい。でも今行ったら絶対多泣きする。

朝飯。
なんとか隙を見て子どもたちのおにぎりを作り旦那の作ったみそ汁を椀に盛る。おかずとして下の子はしらすを、上の子はカニカマを出す。大人が食べるおかずなんて絶対に食べてくれないのだ。上の子が座ってご飯を食べられない、というかご飯自体を食べたがらず、あそんだりお菓子をせびる。喝を入れて隣に座らせ、スプーンを持たせて食べさせる。もぐもぐしている間に、もう片方の隣に座らせた下の子の口へおにぎりを運ぶ。上の子が席を離れそうになるのを引きとめて励まして食べさせる。下の子が呼ぶのでおにぎりを運ぶ、おにぎりじゃないものが食べたそうなのでみそ汁の野菜を食べさせる。上の子のもぐもぐはもう完全に終わっているだろうな、早く上の子を構わないと…。振り返ると上の子がテレビに夢中になっている。もう一度意識を引きもどしカニカマを手に持たせ…

ええーいしゃらくせい！
この工程を食器がきれいになるまで繰り返すのだ。
自分の食事も同時進行だがいつ食べたんだっけ。
下の子が食べこぼした床を掃除しているときにトイレを思い出し駆け込む。

保育園の支度。
着替えはどうしよう。一つ選んでから寒いから暖かいのにしようと思い直して着せる。自分でやらせなくてはと思いつつもやってしまう。旦那の出勤に合わせて連れて行ってもらいたいから。
ごいごいと着替えさせて、おむつもこの時に換える。本当はトイレに行かせた方がよいのだろうけど寒いし時間もかかるし面倒になってしまっている。
髪の毛を縛る。動く。なんとか止まっていてくれとお願いして分け目はガタガタになったけど顔にかかってこないようになった！できた！行ってこい！
パジャマ姿の私を見て「かぁかと行く～」と言うのを「とぉとといこうね」などと全然会話になっていない会話をして送り出す。

洗濯。
家族4人になってから一日でも洗濯ものをため込むと遅れを取り戻すのに大変だ。山の木が伸びているので日は当たってこないが、ヤフー天気によると今日もよく晴れそうだ。
仕方なく洗濯機のある脱衣所へ…行けない。「おかあさんといっしょ」を見ていた下の子が気づいて目が合ってしまったのだ。「かぁかいるよ～」などと言って乳をくれたりして機嫌をとる。ところが今朝早く起きてしまったもんだから機嫌がなかなか治らない。ヘタすると1時間はかかる。1時間あれば洗濯機を2回は回せる。泣く子を置いて、洗濯機に洗濯物を突っ込んで洗剤と柔軟剤を目分量で入れてスイッチを入れてダッシュで戻る。
機嫌取りの再開。1杯目の洗濯はもう終わっているだろうになかなか機嫌が直らない。「いないいないばぁ」が始まって気をとられているうちに１杯目を引きずり出して2杯目を突っ込む。
思うところあって１杯目は室内干し。2杯目は寒いけど日光に当てたいものもあるので外干し。外にある物干し台から最寄りの客間で洗濯ものをハンガーへ掛けて、細かいものはピンチハンガーのピンチに挟んでおく。この客間が寒い。下の子もついてきて遊んだりしてご機嫌なのはいいがいかんせん寒い。手がかじかむ。ストーブでも焚いておけばいいのかもしれないが灯油がもったいないし、客間のストーブは柵をつけてないので子どもが触ったら危険だ。
すべての洗濯ものが干せる状態になったら、一気に外の物干し竿へ掛ける。ピンチの工程で眠気が限界に達した子が泣きだしたので「これだけやらせて～」と懇願して泣かせたまま作業続行。こういう日に限って靴下がごまんとある。まさにピンチ。手がかじかんで不器用になる。ピンチがあと少しといったところで足りない。仕方ないので一つのピンチに二足の靴下をはさんだりする。
泣きわめく子を抱えて居間へ。ようやく昼寝をはじめる。

時計を見ると10時半。
なんか間食でもしたいけど次女がいつ起きるか分からないので少し早いが昼ご飯を食べる。昨晩、旦那が出初式の飲み会で貰ってきてくれたオードブルの唐揚げと海老フライを一個ずつ、と白いごはん。濃い味付けが体にしみわたる。うまい。
みそ汁は夕飯にとっておきたいし、盛りつけにカチャカチャ音が鳴るから食べない。下の子が寝たらやりたいことはたくさんあったのだけれど、寝かした場所では音を立てるような事は出来ない。
なんだか、私も眠くなってしまった。

私はいつ着替えたんだ？忘れたけどまあいいや。こんな午前中である。
本当は子の機嫌をとったりしている間に考えてた事を書こうと思ったが入れ込む隙間がなかった。暮らしをよくするために課題を見つけてはああしようかこうしようかと考え事をするのが楽しいといった事を書きたかった。色々な事を思いついても実行できないでいる。ごはんと洗濯をするのでくたびれはててしまう。仕事と両立なんて、どうなってしまうんだろう。
専業主婦の頭の中の色々は次回書こうと思う、実行できるか自信がないが。