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音楽だけを、

中学校に入る少し前から、音楽を聴くようになった。きっとその頃に、私は私になったと思う。それからずっと、音楽を取り込んで生きてきた。有線イアフォンの白いコードが、私の生命線。音楽を聴けなくなったら、私は直に死ぬでしょう。人間の身体が酸素を無くしては生きられないように、私の心には音楽が必要だった。

音楽を作って生きている人が好き。彼らの世界には、きっと音楽しか無いから。そうして生きていけたら、どんなに幸せかと思う。音楽を、聴いて、書いて、吸って、吐いて、そういう風に生きる人になりたかった。

それでも、音楽無しでは生きていけないけれど、私は、音楽以外のことをして生きていくことができる。そうした方がいいことも、知っている。音楽だけを愛するには、少し、長く生きすぎてしまった。

本当は、私、音楽になりたかったのだと思います。


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