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大切な女性がいる人に聞いてほしい卵巣腫瘍の話♦中編♦

前回の続きになります。

まだお読みになられていない方は前編からお読みください。

また前回同様、注意事項として、文章の中に血の表現や便や内臓の表現また性的な話を含みます。またMRIの写真もあります。
苦手な方は読むのをお控え下さい。

また本人はいたって元気でこういったナイーブな事でも平気でふざけてしまう人なので、苦手な方はお控下さい。

菅田将暉に誘われては仕方ない。
私はこの日、新しい下着を着用し、可愛いワンピースを着て病院へ向かった。

検査内容によってはネイルやお化粧のラメはダメな事もあるので、せめてものおしゃれを精一杯した。

病院へ到着し受付を済ましまず血液検査へ向かった。
てっきり菅田将暉に血を抜いてもらえると思っていたのに、専門コーナーみたいなところでキレイなお姉さんに血を抜かれた。

血液検査の結果が出るまでは内診もしてもらえないので、院内にあるカフェでWi-Fiを繋げながら時間を潰した。

2時間後、菅田将暉に呼ばれた。
血液検査の結果は肝臓の数値が悪くなっている、炎症の数値はよくなっているから恐らく破けた所は閉じたね、よかったといわれた。

そしてエコー検査!!!!
可愛い下着を見せる時が来たかと気合を入れたが、そもそも患者は一人で下着を脱いで診察台に乗る。


そもそも下着を見せる機会なんて無かった事に気が付き一人で勝手に絶望した。

いつまで落ち込んでいても仕方がない。

ここで出来る事を精一杯しようと、せめて診察中に可愛い声を出そうと思い改めて気合を入れる。
菅田将暉が私の穴に器具を入れる、さあ来い、将暉。

『イダイイイイイイイ』

今回も全く可愛くないドスの効いた素晴らしい声が院内に響き渡った。

そして肝臓の数値は強めの抗生物質を飲んでいた影響で悪くなったとのことで、減薬になった。

診断名を付けて今後の治療方針を決めたいので次回MRIを撮りましょうと言われた。
診断名はこの時点ではあくまで予測でしかなく、確定させるにはMRIを撮る必要があった。

2週間後にMRI、その次の週に診察と確定診断。
ようやく治療方針が決まるのかとこの時は安心していた。

少し落ちついた所でふと考えた。

もしかして????
菅田将暉は私の事を誰よりも知りたくて、
内臓の全てを知りたくて、
君の内臓を見たい、
というアピールをしているのではないのかと。

そんな情熱的で個性的なアピールをされた事はないけれど、期待に応える為に思う存分に私の内臓を見てもらおうと心に決めかけたが、冷静に考えたら菅田将暉は仕事をしているだけなのでまた勘違いをしてしまうところだった。

罪な男、菅田将暉。

そして世の中そんなに甘くない。

2週間後、私は高熱と喉が火災ですか?大炎上ですか?と、訴えてくるような痛み、身体の節々の痛み、咳に襲われていた。

このご時世なので明らかに症状が出ていて婦人科に行っていいのか判断が出来なかった為、病院に電話をする。

『あのお、ゴホッおえッ、本日ウ、よ、予約してるゴホッ。者なんですけどオエエエ』

こんな感じで愛しさと切なさと激しい咳と嘔吐しそうな感じと気持ち悪さを固めた感じで症状が出ていることを伝えた。
まずは来てもらって発熱外来を受けて下さい、そのあとに婦人科で受け入れるか判断しますと言われた。

指示を出してくれるのはとてもありがたいことだ。

前回も似たような事を書いた気がするけれど、体調が悪くて一人の時は思考回路がおかしくなったり脳が正常に機能しない。

日ごろから人に頼り切って甘えて生き抜いている私は今後も困った時はそうやって生きていこう、そう心に決めながら病院へ向かった。

発熱外来は外に設置され、テントの中に業務用の空気清浄機とでかい扇風機が設置されていた。

数時間待ち、呼ばれるまで後一人というところで私はなぜか過呼吸を起こしてしまい、挙句の果てに血管迷走神経性失神(血管迷走神経反射)を起こしてぶっ倒れたのであった。

目が覚め、気が付くと無菌室のような超寒い部屋だった。

血圧が安定したところでPCRを受け、支払いは次回の診察日で大丈夫ですと言われ結局婦人科の検査も診察も更に2週間後になった。

『陽性でした。』

そして今後の指示と市の連絡先やネットでの手続きを教えてもらった。

ここから少し大変だったのは
まず近日に施術させて頂いた方への連絡、自粛期間中に頂いているお客様への連絡、事務所の人達にPCRを受けてもらうことのお願い、とにかく会った人たちへの連絡。

高熱にうなされながら誤字もしつつどうにか連絡を完了。

その日のうちに玄関に必要な物資を届けてくれた事務所の人たち、物資を聞いてくれて送ってくれたセラピストさん達、なぜかアマギフを送ってくれたお客様、、本当にありがとうございました。

そして奇跡的に幸いにも事務所の人もお客様も含め、陰性で移すことは無かった。

これだけがずっと心配で、嫌われるとか今さらないだろうけど、大切に思っている人が自分のせいで体調を崩して苦しむのは嫌だった。本当によかった。

ところでnoteってパソコンから入力していると現在何文字ですっていうのが作成中のページから見れるんです。
予定では後編は2000文字ぐらいのつもりだったのが既に2101文字です。
予定は未定というのはこういう事を言うんだろうなぁとしみじみしております。

後遺症は残ったものの、自粛解除となり2週間遅れでMRIに向かった。

病院に到着後、MRIコーナーに案内される。

びっくりしたのは更衣室の中に個人用のロッカーが用意されていたこと、男女別なのは勿論、更衣室の中も区切られていて個室感覚で着替えて待機出来た。

この辺は病院によって全然施設環境が違うと思うけど、基本的に人見知り根暗ネットヤンキーの私にはありがたい事だった。

そして時間になり、検査室に入場すると菅田将暉の姿は無かった。

ここは割と大きい病院でそれぞれ専門があって、MRIにはMRIのプロしか居なかったのだ。

つまりこの日私は菅田将暉と会えなかった。

まあ来週どうせ会えるし、会えない時間が愛を育てるともいうので潔く心を切り替えてMRIに臨んだ。

今回は太もも~胸部の撮影。ヘッドフォンを取り付けられ、お腹になんか重たい板をお腹に乗せられ、右手には緊急用のボタンを握らされた。

昔受けたMRIでは好きな曲が選べたけど今回は何も聞かれずにどんな曲が流れるのかなとワクワクしていた。

ゴオオオオっと機械が大きい音を出したのと同時にヘッドフォンから耳栓代わりの曲が流れ始めた。

『情熱大陸』が流れ始めた。

予想外すぎて思わず吹き出し、身体が動いてしまいそうだった。

しかもメドレーじゃなくて永遠と情熱大陸なのだ。

今回のMRIにかかる予測時間は30~45分

この間ずっと情熱大陸をひたすら聞かされた。

もはやゲシュタルト崩壊しそうになったが、ここであるひとつの考えが浮かんだ。

もしかしてこの曲は菅田将暉からの何らかのメッセージなのではないか、と。
この曲のタイトルは『情熱大陸』、つまり俺の情熱をユーラシア大陸で受け取ってくれないか?というメッセージなのではないか?
コナンもびっくりの名推理ならぬ大妄想をしているとあっという間に検査は終わった。

この日に検査結果は聞けないので、検査が終わった後は食事制限を解除された喜びでファミマのポテコロをルンルンで食べた。

ちなみにとってもおいしかった。

そして1週間後、今度こそ菅田将暉に会うべく婦人科へ向かった。

こうして文章にしているとふざけているようにしか見えないが、大体合っている。
けどこの日だけはおふざけよりも不安が勝っていた。

なんせ私は前に子宮頸がんを患い、寛解している。

再発か、それとも別の新規がんか、それとももう腫瘍は消えていたりしないkな、せめて腫瘍が悪性ではなく良性じゃないかなとか一人でもやもやしていた。

診察室に呼ばれる。

情けない事に足が震えながら診察室へ入った。

そこには光り輝く菅田将暉が居た。あまりにもの眩しさに足の震えが収まった。

冷静に考えるとそこにいるのは当たり前だった。

さっそくですが結果をお伝えします。

・『子宮内膜症重症』による卵巣に病変

・『チョコレート嚢胞』と共に骨盤に癒着

・月経困難症重症

内診で腫瘍が4㎝→8㎝→6㎝となっており、開腹手術(お腹を開く手術)ではなく、腹腔鏡手術を行いたい。

この光っている部分が腫瘍ですと言われ、

『何か光っててかっこいいから記念写真撮りたい』とお願いし撮らせてもらった。

画像1
記念写真

そして手術をする前に、、、、

というところで今回はいい加減終わろうと思います。

次回、完結編

『菅田将暉とわたし』

『ホルモン剤投薬、副作用』


もうしばらくお付き合いください。ぱおん。

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