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大切な女性がいる人に聞いてほしい卵巣腫瘍の話♦前編♦

こんにちはこんばんは私です。

今回のお話は女性や大切な女性がいる方に読んでほしい記事です。

注意事項として、文章の中に血の表現や便や内臓の表現また性的な話を含みます。またMRIの写真もあります。
苦手な方は読むのをお控え下さい。

また本人はいたって元気でこういったナイーブな事でも平気でふざけてしまう人なので、苦手な方はお控下さい。



れっつごー★

ある日いつものようにすやすや可愛く寝ていたら、、
下腹部の異常な圧迫感と痛みでで目が覚めました。
とりあえずトイレに行ってみた。

目が完全に覚め、頭もまわり、冷静に考える。
この痛みは何だ?痛みだけではなく苦しい。
その日食べたものは消化に悪いものでもないし、食中毒になるものでもなかった。
下痢系の痛みでもない事に気が付く。

自慢ではないが、私は常日頃から快便であり、腹痛であっても下痢であろうとすぐに出る。
どんな形であれ便がこんにちわしてくれる。
しかし、きばっても出る感じではない。

ならば吐いてみようかと思い、吐く体制にチェンジする。
自慢ではないが、
私は毎年ノロウイルスにかかってしまうので嘔吐は慣れている。
しかし、特に吐き気もない。

歩くのも困難で下腹部を支えながら布団へ戻る。
不正出血もない。
圧迫感で呼吸も普段通りには出来ず、息苦しい。
とりあえず万能薬のロキソニンを飲んで考える。

土曜日の為、やっている病院が限られる。
死ぬほどの痛みでもないけど歩くのが厳しい痛みの場合はどういたらいいのだろうかと悩み、知恵袋に質問しようかなとか考える。

どの科に受診するべきか悩む。
内科?消化器内科?婦人科?
もはやどこでもいいからさっさと見てくれ、私を助けてくれと思うぐらいの痛みと息苦しさを感じていた。
私は過去に子宮頸がんを患っていたので、午前中しかやっていない婦人科へ向かった。

下腹部を支えながらゆっくり過呼吸気味に歩いて電車に乗り込んだら、おそらく妊婦だと間違えたであろう男性が席を譲って下った。
罪悪感を感じながらも甘えて席に座らせて頂いた。

せめて気持ちだけは妊婦になってみようと下腹部を撫でながら心の中で話しかけた。
『幸子ちゃん、暴れないで』
架空の子供に話しかけている間に電車を乗り過ごすところだった。

いつもなら徒歩5分ぐらいで着くはずの婦人科に20分以上かけて到着。
病院のドアを開けると共に安心感からか崩れて倒れてしまった。
さすが土曜日の午前中、倒れながらまわりを見渡したら人がそれなりに居た。

看護師さんが慌ててきてくれて症状を聞いてくれる。
当時の症状は下腹部の痛みと圧迫感、そして婦人科に到着時に37度の微熱。
看護師さんが一通り話を聞いてくれ、放った言葉は

『消火器内科に行ってください。』


ふーん、えっちじゃん。
つまり診てもらうことが出来ない。

先生に対面することもなく婦人科を立ち去った。
歩く体力がもうなかったのでタクシーに乗り込み、ノロウイルスになる度にお世話になっている消化器内科に向かった。

到着後、とんでもない顔色の私を見てやべえ奴来たと思ったのか、すぐにいつもの先生に診てもらえた。
婦人科での出来事と症状を一通り話すと

『その場所の痛みは婦人科だよ』

ふーん、えっちじゃん。
私もう行く気力もないよ、疲れたよパトラッシュ。
しかし救いはここからだった。

『CTを今すぐ撮って救急で病院に行こう』

え?診てくれるの?と思ったが、とりあえず万が一消化器内科系の病気じゃないかと一応撮らせてねとのことだった。
その間に触診をしてもらい、ここの痛みは婦人科系なんだよな、、とも言ってくれた。


CTの結果はやはり消化器系には異常は見当たらない。
『僕はね、専門外だから言い切ってはいけないんだけど』と前置きをした上でこう言ってくれた。

『卵巣ら辺が専門外の僕が見ても明らかに腫れてると思う。ここでは診てげれないけど、緊急を要すると思うからこのまま病院に行こう』


この先生にはとても感謝している。
今まで経験したことのない症状を一人で体験すると正常な判断が出来なくなる。
冷静に考えたらさっさと救急車を呼ぶべきだった。


そして今度は3件目のでかい病院の救急外来に運ばれる。
もはやその時は圧迫感で呼吸が苦しくまともに会話することも難しかったので、小さいノートに症状を全て書いて到着後に渡した。

救急外来のベッドに運ばれ、脱水症状も出ていたようで痛み止めも含めて点滴を何種類かされる。
この時に質問されたのは

・最後に性交や性的接触をしたのはいつか
この質問はHIVや性病の可能性があるかないかを確認するための質問らしい。確かにそれによって検査内容も変わってくるもんね。
恥ずかしげもなくこう答えた。『年単位でしてません』

あとは内科で聞かれるようないつから~とか、生理周期や生理痛はあるか、痛みのレベルを10段階、息苦しさのレベルを10段階で教えてくださいと言われその時はまだ点滴も効いていなかったので『100です助けてください』と答えた。 
10段階とは何なのか、自分に問うてみたい。

私が苦しんでいる間にもコロナ禍もあってどんどん運ばれてくる人達。
救急のベッドはカーテンで仕切られてはいるが、声や音は筒抜けである。
右隣の方の機械が不吉なピーという音が鳴ったり、左隣の方は『もうダメここでメスで開ける!』という先生の声が聞こえてきた。

ニュースでは医療崩壊しているとよく聞いていたし、SNSでも見ていた。
だけど自分が思っていた以上に現場は明らかに人が足りていなくて、そんな中一生懸命働いてくれてる人たちにとても感謝した。

そして夏場だった為、室内熱中症の人が少なくても4.5人運ばれてきたのを目のあたりにした。

あなた達がエアコンをつけていたならこの人達の仕事を減らせたかもしれないのに、、、と思ってしまった。
症状は違えど、私もお世話になっている人の一部で、そんな私が思っていいことじゃないなと反省し謎の自己嫌悪にぬか漬けにされる。

痛みが多少マシになった所で造影剤のCTを撮りに車いすで運ばれる。
造影剤は内臓をより素敵にクリアにみるために点滴からぶちこまれた。

入った瞬間に尿を漏らしたかのような熱さがくる、その熱さは一瞬で股間から目まで移動して全身を巡った。

ちなみにこういう造影剤や検査には基本近親者や身内、または本人のサインが必要となる。
私は書けるような意識状態では無かったが、付き添いもいなかったので先生に確認事項を読み上げてもらって代理でサインしてもらった。

検査も終わり、再び点滴ろ痛み止めで更に飲み薬を追加。
婦人科の先生が緊急オペで長引いてるらしく、すでに7時間経過。
家で謎の痛みと圧迫感を一人で耐えてる時よりも原因はわからなくともとりあえず病院に居れる安心感はとても大きかった。
しかしこんな安心と感謝を述べても。7時間はきつい。

なんせ救急のベッドってとっても硬いのだ。
普段セラピストをしながらゲームをしつつパソコンでいろいろしたりしていると背中と腰がバキバキのバキ山さんになる。
そうならないために普段は定期的にメンテナンスを行ってるけど、たまたまタイミング悪く行けてない時期だった。

バキ山になった私は下腹部の痛みに加え、腰と背中の痛みを手に入れたのであった。

7時間半後、とうとうその時はやってきた。
突然ベッド周りのカーテンが開いた。
ようやく婦人科の先生がオペを終えてきたのかとゆっくり寝がえりを打ち、先生の方を向いた。

『大丈夫ですか?お待たせしました』


私は目を疑った。
そこには菅田将暉そっくりの先生が居たのだ。
何かの間違いかと思い、まばたきを何度もし確認した。

やっぱり菅田将暉が居た。
とっさにその時出せる可愛い声でこう答えた。
『大丈夫でしゅ、、、』

思わぬサプライズに痛みも苦しみも消えてくれれば良かったのだが、現実はそんなに甘くはなく、時間の経過と共にひどくなっていた。

先生(以下菅田将暉)にエコー検査をされる。
エコー検査というのはまあ簡単に言ってしまうと器具を穴にぶちこんで突いたり押したりする検査です。
私はこの検査がとても苦手で、検査のたびに憂鬱になっていた。

しかし今回は相手が菅田将暉だ。
気合を入れて可愛く声を出しちゃうぞなんて思い、力を抜いてくださいと言われた次の瞬間、穴に侵入してきた。

私は痛みで勝手に涙が溢れ、イダイとひたすら訴えた。
いつのまにか頭部を撫でてくれる看護師さんが一人、右手を握ってくれる看護師さんが一人、左側で涙を拭いてくれる看護師さんが一人と贅沢に3人に囲まれていた。

息切れしながらもどうにか検査を終えて、診察室へ。
『入院しましょうか?』
え?もしかして私を帰したくない?もしかして求愛されてる?と思いかけたが、冷静に自分キモイとどうにか思い直すことに成功し、次の言葉を待った。

腫瘍が出来ていて、少し破けている。
痛みと圧迫感はその影響ですね。

ふーん、えっちどころじゃないじゃん。
しかしセミナーを控えていたので、どうにか入院は避けたかった。
菅田将暉に私の全てを知って欲しくて仕事の内容や、セミナーがある事、とにかく今は入院したくない事をできる限りの可愛い声で伝えた。
そのおかげか菅田将暉は通院治療の提案をしてきた。

一旦抗生物質と痛み止めを継続的に必ず飲んで下さい。
これから基本的に二週間に一回通院して頂きます、僕が担当します。
重すぎる物やお腹に負荷がかかる事、腕を上げて長時間作業しない事、無理は絶対にしない事、これらを守れるなら入院しなくていいですよ、と言われた。

これから二週間に一回通院してくださいだと?
つまり私に定期的に会いたいと誘っているのか?それとも俺以外の男に見せるなという独占欲か?
とまたしも勘違いしかけ、ぎりぎり残った理性で我に返るのであった。


という事で前編はこれで終わりです。
次回は診断確定と今後の治療方針、ホルモン剤投与の副作用のお話をしたいと思います。

まさかこんな長くなるとは思わず、ここまで読む人は果たしているのだろうかと不安になってますが、もうしばらくお付き合いくださいませ。


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