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コンプレッサーについて

ギターやベースに繋いだり、PAやレコーディング現場でも使われるコンプレッサー。ひとえにコンプと言えどシンプルなコンパクトエフェクタータイプからラック式のものすごく高価なものやDAWではプラグイン等、様々なものが様々な用途で使われております。

それだけいい仕事をするエフェクターなのですが、その用途によって使われ方がまったく異なる代物であります。

そもそもコンプレッサーというモノの機能としては入力音量が予め設定した一定の値(スレッショルドレベル)を超えた場合、一定の時間経過の後(アタック)音量の変化を設定した比率(レシオ)で抑え、設定された時間で解放(リリース)するプロセスによって、その音量の最大と最小の差(ダイナミックレンジ)を圧縮する

というものです。

●スレッショルド→コンプレッサーが効き始める入力レベルの値(dB)
●レシオ→入力されたレベルをコンプレッサーが圧縮する対比率(*:1)
●アタック(タイム)→入力レベルがスレッショルドレベルに達してからコンプレッサーが働くまでの時間(msec)
●リリース(タイム)→コンプレッサーが働いてから開放されるまでの時間(msec)


を設定して使います。

シンプルに音の粒(1音ごとの強弱)をそろえるために使ったり、逆に圧縮が始まるまでの時間(アタックタイム)を調節してピッキングの音だけを強調(という使い方があるので誤解されがちですが、アタックタイムは信号がスレッショルドを超えてからコンプレッサーが働き出すまでの時間の値でアタック感を強調する機能ではありません)したり、またスレッショルドレベルを低く、圧縮比を高く設定することにより同じ音量が長時間維持されるので、減衰時間を伸ばしたようなサスティナーのような使い方も出来ます。
レシオを最大(∞)にして使うとリミッターにもなります。

と、色々な場面で活躍できる非常に万能そうな感じですが、なかなか取り扱いは簡単ではありません。そもそも音を圧縮するエフェクターですからコンプレッサーをかけると少なからず音質は変化します。強く掛けすぎると音に歪みがでたりしますので注意が必要です。
サスティナーの用途などでコンプをかけた後に音量を持ち上げる場合は、コンプでぐっと圧縮した音を大きくして減衰の差をなくしてるわけですから、実際に鳴っている音よりも大きいレベルの音を出している(極端に言えば必要以上にヴォリュームを上げている)ことになるわけで、普段は聞こえなかったノイズ成分が目立ったりハウリングを起こしやすくなったりします。
また、様々なメーカーから色々なタイプのコンプレッサーが出ていますので、物によって機能の名称が違ったり、設定項目が省かれていたりする場合が結構あり、実はこれが一番やっかいであります(笑)。本来設定するべき項目がたくさんあるはずなのに本体にCOMPと書かれたノブが一個しかない場合とかもあり、右に回していくと

スレッショルド→下がる
レシオ→上がる
アウトゲイン→上がる

一つのノブで三機能を同時にしてしまうなんてのもあったりしますから注意して下さい。
この方が操作少なくて使い勝手がいいプレイヤーもいれば、細かい設定をしたいからこれでは目的と違ってしまうというプレイヤーもいるはずです。
使うときはどのノブがどの役割をするノブなのかを把握しないと求める効果と全く違うことをしているなんてことを招きかねません。
しかも、ノブを右に回すと効くのか弱まるのかが逆な場合もありますから、本当に注意が必要です。
なので、自分の目的に合ったものをチョイスするところからすでにコンプレッサーとの戦いは始まっております(笑)!

あとベースをプレイしている方でコンプレッサーを使われる方は多いと思いますが、演奏するジャンルやスタイルにもよりますし、ベースに限った話でもないですけど、曲の抑揚を表現しなければならない時にコンプレッサーを常にかけっぱなしにしていると、せっかく右手で強弱をコントロールしてもコンプのせいで強弱がとれなくなり、ドラムが抑えて演奏しているのにベースだけ前に飛び出てしまうということが起きがちです。
適材適所で使うことをおススメします。


せっかく使うのですから有効的に使いましょう。

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