見出し画像

「デザインマネジメント論」を語る(1)

ポドキャストを再開しました。1時間程度です。

八重樫文さんと安藤拓生さんの本『デザインマネジメント論 ビジネスにおけるデザインの意義と役割』(新曜社)を前に、ミラノのカフェで八重樫さんとこの本について質問したり、話し合ったりした内容の第1回目です。

この本は、八重樫さんの表現を借りれば「これからデザインマネジメントの議論の場で使っていって欲しいワード」を解説したものです(だから、知らない言葉があっても恐れないように!)。拾い読みをしたところ、分かったような分からないような気分になる記述がいくつかあったので、この本をネタに八重樫さんと話すポドキャストをやってみようと思った次第です。

今日は、以下の項をとりあげました。

I-1 デザインマネジメント

I-4 デザインと組織文化

I-5 デザインリーダーシップ

I-8 デザイントランスフォーメーション

V-9 デザインアティテュード

デザインマネジメントはデザイン学と経営学を横断的にカバーする領域なのですが、どうしてもデザイン学が経営学に気に入ってもらえるような「すり寄る」感じがあるのですね。それでデザインのエッセンスを失う、あるいは意図的に見せないところがある。

審美性など最たるところで、デザインの大きな資質なのに、「いや、いや、審美性とかセンスとか、関係なくてもデザインを語れるんですよ」と語らざるをえなかった複雑な経緯があり、他方、経営学の側から「アートってやはりカバーすべきだよね」「センスって重要じゃない」って言われると慌てるところがあるんですね。どうしても。「やあ、それを持ち出すと経営に使ってもらえないと思って・・・でも、もちろん、アートは同胞ですよ!実はセンスも必要なんですが・・・」と冷や汗をかきながら答えている様子が窺えるのです。

デザインが組織運営に有効であるのは確かであり(例えば「デザインリーダーシップ)、しかしそれに似た概念や言葉がデザインだけにあるわけでもないはずなのですが、デザインという体系と経験のなかで考えた方が圧倒的に「つじつまが合う」。(八重樫さんは、デザインリーダーシップを、クリエイティブリーダーシップやイノベーションリーダーシップという言葉に置き換えたくない、と言います)

それがデザインマネジメントが存在感を出す、あるいは出すべき理由なのであり、が、そこで前述したように戦略的にデザインの強みを「隠してしまった」事情の理解が、このデザインマネジメントを把握するにあたり鍵になっているようです。

そういうデザインマネジメントの「可愛いところ」(笑)を踏まえてみると、この本で説明されていることがよく分かってくるはずです。と、いうことで、まずはポドキャストを聞いてみてください。

写真は@nzai_ken at Instagram

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?