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「セクシーが不得手だから問題解決に逃げる」

日本滞在20日目のメモ。

昨日は、この春から東工大の教授になった元日経BPの柳瀬博一さんの学部生向け「メディア論」の授業を聞いた。「理系のトップレベルの人は、メディアの当事者になるのですよ!」と、とても説得力ある話をしていて面白い。柳瀬さんはご自分のメディア論を構築中で、その現場にいる学生は幸せだ。

レポートも学生が研究しているテーマのプレスリリースの原稿を書くこと。これは(柳瀬さんを)羨ましい。およそ200人くらいの学生が科学や技術のどんなテーマに注目しているのが、一気に分かる。

夜、久々に八子知礼さんと酒を呑む。イタリアのそれなりの年齢の女性が友人の墓に行くのは気味が悪いから行かない、と言い、友人たちが「それなら仕方がない」と許容した話をした。日本であれば「なに、子どもじみたこと言っているの!」と墓参りを強要しがちだが、こういう例を数回見た身にとって、この「子供じみた理由」を許す文化をどう理解するといいのか、という話を八子さんにした。八子さんも、このネタ、興味深かったみたい。

今日はTVキー局の報道番組のスタジオで「傍聴」。米朝首脳会談の進展をシンガポールから映像や特派員から情報とりながら、スタジオにいるキャスターやコメンテーターがまったく台本のないところで話していく。会談の成功を祈りながら、一方的に楽天的にはいくはずがないという2つの部分が、お互いに時々に膨れしぼむ様子が鮮明に読み取れた。TVの画面だけ見ていたら、分からなかったところだろう。

夕方からフォーブスジャパンの社内勉強会で、デザインや意味のイノベーションの話をした。副編集長の谷本有香さんがオーガナイズしてくれたのだが、ご本人は今日からフランス出張。さまざまな話題になったが、ビールを飲みながらの時間帯になって触れたのは、セクシーさや色気を事業や製品開発でどう出すか?が肝になる、ということ。これが不得手だと、「問題解決に逃げてしまう」のだ。ロジック100%信仰も、セクシーが基準になる世界を見て見ぬ振りにしたいのだろう。

今週で都内でのパブリックでのイベントはもう終わりか。

6月14日は六本木のデザインハブで意味のイノベーションと社会の話。6月15日は立命館大学東京キャンパスで、まちの保育園の松本理寿輝さんと対談。6月16日は立命館大学東京キャンパスで経済産業研究所の藤井敏彦さんと対談

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