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謎の出前 前編

皆さん、こんにちは(*゚▽゚*)こんにちは(*゚▽゚*)

今回のお話は、クレーム…では無いですし…
怒るとか怒らないとかよりも…いや、実際怒ったけども。
ある日、頼んでも無いものがお届けされたので怒ったお話です。

へいっ!お待ちっ!

今から20年ほど前のお話…当時はウーバーは無かったけどピザに中華に
一通り何でもデリバリーで頼める時代ではありました。

あれは金曜か土曜の週末の出来事。
当時、中一だか中二だかのお子とさら子、週末となれば当然夜更かし(*゚▽゚*)
草木も眠る丑三つ時の深夜2時過ぎ。
さら子の週末には必須の作業、猫ちゃんのトイレをお風呂できれいに洗って
お子に風通しの良い玄関の外に干す様に託し、一人ちゃぷちゃぷと湯船に
浸かってリラックスしてたのです。
すると物の数分もしない内にお子がお風呂のドアをトントンとノック。

    「表に知らん女の人来てるんやけど…?」

はい?心霊現象か何かですか?そんな事言われても「はぁ?」としか言えず
お風呂のドアを開けてお子と「何それ?」とか話してると、確かに玄関の
ドアをコンコン…と叩く音がっっっっ!!!
何が何だか分からないまま、取りあえずバスタオル一丁で飛び出して
ドアスコープを覗くと、確かに女性が一人佇んでいる…
「どちら様ですか?」と問いかけると、その女性は「あ…間違えました…」と言いつつ、ドアから少し離れた位置で携帯を取り出し立ち去る気配無し。

何が何だか分からずにお子に状況を確認すると…
母の言いつけ通り、猫のトイレを干す為に玄関の外に出た。
その時、マンション前に車が止まり、女の人が降りて来た。
「うちのマンションにこんな女の人住んどったかな…?」と思いつつ
トイレを良いポジションに干して、家に入りドアに鍵をかけたら
コンコンとノックされ、覗くとその女性だったので、母に知らせた…

なるほど。よーわからん。てか、深夜の2時に何で家間違えるねん。
アホかっ(。・ˇ_ˇ・。)と思いつつも、母は再び湯船にちゃぽん(。-_-。)
そして、リラックスしながら閃いた(*゚▽゚*)
車から降りる女性、走り去る車、ノックする女性、そして間違えました…
で、バッグをガサゴソして携帯を取り出す…しかもこの時間帯…
「これは…おねえさんをデリバリーしてくれる…デリヘルでは(*゚▽゚*)!?」
でも、うちのマンションってファミリータイプだし、単身者の男性なんて
住んでないと思ったけどなぁ…何階のお家と間違えたんだろか♡フフフ♡
とか、ちゃぷちゃぷしながら思ってたら、又してもお子がお風呂をトントン。

「おかん…また来た…今度は若そうな男の人…(´・_・`)」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ(。・ˇ_ˇ・。)なんだとー(。・ˇ_ˇ・。)何しに来やがった(。・ˇ_ˇ・。)
再びバスタオル一丁で鼻息ムッハー(。・ˇ_ˇ・。)なさら子。
息子よ…戦う母の背中を見るがよい…あたいに任せときなっ!

何しに来てるねん

「はい…(。・ˇ_ˇ・。)お宅、デリヘルでしょっ!?うち関係無いけど?」
ドアスコープを覗くとドアの向こうには、気の弱そうなボーっとした
暗そうな若い男性。
「いや…あ…あの…そ、そうなんですけど…こちらに男性のご家族は…
いてたら少しお話を…」って、そうなんかいっ。やっぱそうなんかいっ!
で?あぁ、おるわい(。・ˇ_ˇ・。)立派にオキ〇タマついた男おるわい(。・ˇ_ˇ・。)
猫も入れたら合計3人男おるわい(。・ˇ_ˇ・。)
猫男子チームのオキ〇タマは取っ払ってしもたけどなっ(。・ˇ_ˇ・。)
恐らく、最初に訪れた女性は階下から、うちに入るお子の姿を見てますし
深夜で暗くて、パッと見だと中学生か大人か見分けも付かず…
なのに、訪問すると女性のさら子が応対したので、どうしたものかと
走り去ったドライバーに連絡して来てもらった…ってな流れかしらね?

「男性の家族(。・ˇ_ˇ・。)?いますけど、中学生なんですけどね(。・ˇ_ˇ・。)」
ドアの内側でバスタオル一丁のまま、相変わらず強気なさら子(。・ˇ_ˇ・。)
そう言うと「あっ…えっと…その…あ、ちょ、ちょっと待って下さい…」と
鳴り出した携帯に出るボーっとした男性(。・ˇ_ˇ・。)
その間、一応ね?一応は確認しとかなければ…とお子に向かい一言。
       「あんた、デリヘル呼んだぁ(*゚▽゚*)?」
いやいやいや、普通は呼ばんやろ。どう考えても呼ばんわなって話だけど
一応はねぇ?確認しとかないと。確認もせずに「うちの坊やがそんな事
するわけないじゃないのー」とか言うのは、何か筋が通らないというか…
フェアじゃないというか…確認するって大事やん?

もちろん「呼んでないぃぃ(´・_・`)」と答えるお子。せやな。
そりゃごもっとも。あんたの言う通り。
と、同時に「デリヘル」とは何ぞや?を知ってるんだ(*゚▽゚*)
クスクス(*゚▽゚*)母のオープンな教育の賜物ですね。うんうん。
「取りあえず、ドア開けずに向こうの電話終わったら呼んでませんって
言って。私、服着てくるわ」と、玄関にお子を配置。
いつまでも、ノーパンでタオル一丁じゃ、この怒りを面と向かって相手に
伝える事も出来ないしな(。・ˇ_ˇ・。)まずはパンツだ(。・ˇ_ˇ・。)
パンツに片足通してると、お子がやって来て小声でそっと一言…
「念のためにブラジャーもしときや…危ないから…」
お子…本当におりこうだな(。-_-。)さすが良く気が利く子だな(。-_-。)

でも大丈夫(*゚▽゚*)対応は、ドアを開けずに玄関脇のお子の部屋の窓からに
するからね。この窓ったら、胸元辺りの高さの微妙なサイズ感なの♡
パパッと着替えて、豪快に窓を開けるとそこにはハッキリと見えてもやはり
暗そうでボーっとした印象は否めない若い男性の姿。
「あ…はい…なんか…男性はいるけど、子供さんで中学生みたいで…はい…」
とか、誰かと携帯で喋っておる(。・ˇ_ˇ・。)
「この子がそうですけど(。・ˇ_ˇ・。)あんた、呼んでないわな(。・ˇ_ˇ・。)?」と
背後のお子の姿を相手に見せながら言うと、お子も「うん!呼んでない!」
「あ…なんか…あの…息子さんも呼んでないって…はい…はい…」
まだ、電話の相手とやり取りしている陰キャドライバー…
そして「あ、あ、あの…ここの住所は…」と、さら子に住所確認してくる。
いかにも。あんたが言った住所はうちの住所だ。そこは認めよう。
だけど、見ての通り我が家では、さら子もお子も猫たちもデリヘルに用事が
無いんだよーーーーだっっっっ(。・ˇ_ˇ・。)アホンダラッ(。・ˇ_ˇ・。)ドアホッ(。・ˇ_ˇ・。)

呼んでへんっちゅうねん

それでも、まだ電話を切ろうともせず、かと言って帰ろうともしない陰キャ
に、さら子の怒りはますます燃え盛る…ゴゴゴゴゴゴ(。・ˇ_ˇ・。)
陰キャが、あーだこーだと電話してる間、さら子はお子に指示を出す…
リビングからあんたと私の携帯持って来いと。
そして、合図したらスススとリビングに引っ込んで110番してと。
陰キャの前に親子2台の携帯を取り出し「ここに来る様に予約した人の電話番号分かってるでしょ(。・ˇ_ˇ・。)お店からかけてもらいなさいよ(。・ˇ_ˇ・。)」
陰キャは「あ!なるほど!」みたいな顔をして、電話の相手にそれを頼む…
うんともすんとも鳴らないさら子親子の携帯。
当時はガラケーですしね。パカッと開いて「ほれ(。・ˇ_ˇ・。)見てみぃ(。・ˇ_ˇ・。)」
状態で電源が入ってる事も陰キャに見せ続けるも一向に鳴らない携帯。

「あ…はい…鳴ってません…はい…違うみたいです…はい…あ、分かりました」
と、さら子達の携帯が鳴ってない事を報告するも、なぜか「店の者と代わり
ますんで…」と陰キャの携帯を渡されるさら子。なんでやねん…帰りーや。
そして、パッと振り向きお子に「110番に電話せよ」と目で訴えるとお子も
合点承知!な表情でスススとリビングに…勘の良い子は…好きだよ(。-_-。)
で、何故か「店の者」と対決するさら子…
あなた達が一体どこから来たのか存じませんし、時間もガソリン代も無駄に
してイライラしてるかもですけどね?
さら子の方が週末の優雅な湯浴みの時間を邪魔されて怒ってるんや(。・ˇ_ˇ・。)
なので、開口一番「ちょ、どこの誰から依頼されたわけ(。・ˇ_ˇ・。)?依頼して
来た奴の電話番号教えなさいよ(。・ˇ_ˇ・。)」
いやいや、それは個人情報の漏洩ですからね。そんなの教えてくれるわけ
ないじゃない!?って思うじゃん?
けど…そういう社会の常識的な事は、あちらの方々の世界には無いみたいで
「えっとですねぇ?」と、電話番号から予約を受けた時の状況から何もかも
駄々洩れ状態で教えてくれました。

そして、はっはーん…有力なヒントを入手したさら子…
ほっほー…なるほどね…そうですか…なるほど、なるほど。
実は、さら子の苗字って…
普通に芸能界とか著名人の方で同じ苗字の方もいらっしゃいますし
特別珍しい日本に数人しかいない…な苗字でも無いんですよ?
例えば…地名の「神戸」。こうべ、かんべ、じんご等、色々な読み方するじゃないですか。ポピュラーなのは「こうべ」だけれど、漢字を習いたての小学生で全国各地の地名も分からない様な場合、習った読み方を合わせて
「か、か、かみと…(´・_・`)?かみ…ど(´・_・`)?」と読んでしまうみたいな。
それと同じで漢字に弱い人や未成年には読み辛いらしいんですよ。

ペラペラと何もかも教えてくれた「店の者」から聞かされたさら子の苗字。
それこそが、漢字に弱い人若しくは未成年が間違えるパターンの読み方。
音的にも「こうべ」と「かみと」じゃ、聞き間違える事も無いでしょ?
さら子の苗字もこのパターンで聞き間違える事は無いわけですよ。
よし…いいだろう…「店の者」からは、必要な情報は全て聞き出した…
さら子によるあんた達への事情聴取はこれで充分だ。
お風呂を邪魔されたさら子&一応はあらぬ疑いを持たれたお子と
イタズラで予約されてガソリン代と時間を使ってここまで来たデリヘル。
どっちの被害と怒りが大きいかと言うと…ガソリン代という無駄な出費が
ある分、デリヘルチームの方が被害は大きいと言えば大きい…
だがしかーし(。・ˇ_ˇ・。)怒りはさら子チームの方が勝っておる(。・ˇ_ˇ・。)
こやつらが風営法に則って商売してるか違法なのかは、さら子の知った事
では無い…そこを取り締まるのはさら子の役目ではない…
というか、何もかも全てさら子の役目ちゃうんやけどな。
取りあえず…110番してるけど、おまわりさんが来たからと言って何がどう
解決するわけでも無いから、あんたらは帰って(。・ˇ_ˇ・。)シッシッ(。・ˇ_ˇ・。)

ご苦労さまです

しかし…この時の女性…びっくりするぐらい、普通のお嬢さんなのよ。
20代半ばなのかなぁ…普通にオフィス街でお昼休みにはカーディガンを
羽織ってお財布だけ持ってランチに行く様な…めちゃくちゃ普通で質素。
一体、あのお嬢さんは何でそんなお仕事を選んだんだろうね…(´・_・`)
何か止むに止まれぬ事情があるのかもしれないけれど…
自分を大事にしなくちゃいけないよ…
陰キャとお嬢さんを追い払い、そんな事をしみじみ考えてたらようやく
チャリンコポリスメーンの登場。遅いよ。交番、すぐそこなのにどっから来たんな。
事情を説明し「店の者」から聞いた、イタズラに使われた携帯番号と
「店の者」の携帯番号、名前を報告。
ポリスメーンは「次にまた来たらすぐ110番して」と言い残し帰って行きました。

で…騒動の最中に「店の者」が何回かけても繋がらなかった予約した時の
携帯番号…さら子はその番号を入手しちゃってるので♡
さら子、翌日からも何回か、かけましたが繋がらない。
聞こえてくるのは「電源が入ってない」ガイダンス。
「おかん…なんか面白そうな事になってきたな(*゚▽゚*)けど、あの女の人…
めっちゃ大人しそうな人やったのになぁ…人は見かけによらんねんな…」
人生において大事な事をまた一つ学んだかの様な事を言うお子。
「せやで…だから、あんたも気つけや…可愛くて大人しそうな子やわぁって
思っても裏で何してるか分からんのが女ってもんやからな…私を見てみ?
中身と見た目が大違い♡大和撫子って私の為にある言葉やと思うねん♡」
満面の笑みで語る母をよそに、猫を撫でながらお子は言ってました…
「また、おかーちゃんアホな事言うてるねぇ…困ったおかーちゃんやね…」

そんなん言われたら、さら子が困っちゃう(´・_・`)
後編に続く…

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