カードを知る場所としてのリミテッド、または私は如何にして心配するのを止めてコモンを愛するようになったか

おはようございます。
普段はマジックに関する配信をしておりますエニィと申します。


リミテッドって、楽しいね

私はここ最近、よくMTGA上でドラフトを遊んでいます。

仲良くしてくださっている方にリミテッドの上手い人が多く、その方たちに色々教わりながら(そしてジェムを溶かしながら)、試行錯誤して楽しんでいます。

私はいままでリミテッドという遊び方をパックを開けるついでのものとしてプレイしていました。
リミテッドが遊びたいからというより、ただパック開けるのはもったいない、対戦相手がいるならせっかくなら遊んだほうがいいじゃん、位の感覚です。
懐かしいですね、1パック200円で売っていたタルキール覇王譚でなんにも考えずにウィンストンドラフトをやっていたあの日々。

しかし、前述のように最近は色々なことを教わり、一つのゲームとしてのリミテッド、ドラフトを楽しんでいます。
どのカードをピックすべきか、デッキの構築、ゲームメイキング…。
いくらでも勉強することがあり、本当に楽しいです。
極めようとしたら果てしない、いくらでも階段を登ることができます。
こんなにやりがいのあるゲームはなかなかないでしょう。

この辺のゲームとしてのリミテッドの魅力は鮫梨ジルさんや山辺カフカさんの記事をご覧ください。熱量のあるとてもいい記事です。

私のような初心者にこういったゲームとしての深い魅力を伝えることはできません。だってまだ知らんから。

でも、私もこのリミテッドという遊び方の面白さを発信したい!
じゃあどうする…?

別軸を攻めよう。

マジックのすべてのカードには価値がある

リミテッド、それは普段使わないカードを使うのに適した場所です。
出るかわからないレアよりも数多く出現するコモンが重要な場所です。

構築フォーマットは基本的にレアを多く使い、デッキのコモンやアンコモンの比率は少なくなります。
ここでマネーパイル(札束)の別名を持つモダンの4Cオムナスのレシピを見てみましょう。

https://www.mtggoldfish.com/deck/5736404#paper

値段ヤバすぎる

このデッキ、コモン入ってないんスよ。

これはかなり極端な例ですが(アグロとかはコモンアンコ多いしね)、普通に構築フォーマットをプレイしているだけでは見かけるコモン、アンコモンは限られます。
レアに関してもリミテッドより見るカードの種類は少ないでしょう。

構築フォーマットが主流の現在、それだけをやっていると、使ったことがない、見たことがないままで終わるカードはいくらでもあります。

それってもったいないじゃないですか。

マジックはすべてのカードに存在する価値があります。あるべきです。
1枚のカードにはデザイナー、イラストレーター、テストチーム、数多くの人々の努力が詰まっています。
それを知らないまま終わってはマジックの魅力は一部しか味わえません。
一般的なフォーマットでは使えなくても、制限のある環境や特殊フォーマットでなら活躍できるカードはたくさんあります。

そして、その制限環境の中でも一番プレイしやすいのが、そう、リミテッドなのです。

指輪物語の悲嘆、指輪物語の鏡割りの寓話

上のタイトルは指輪物語:中つ国の伝承ドラフトでよく見かけるカードを表した言葉です(私が考えたわけじゃないよ)。なんだか分かるかな?

紆余曲折ありつつモダンの顔として定着したね
スタンは追放されたけど下でも大活躍中



そう、ゴラムへの拷問(悲嘆)と褐色国のクレバイン(鏡割りの寓話)ですね!

ハンド捨ててクリーチャーが出るから悲嘆でしょ
トークン出して指輪もたせればルーティングも出来る、これは寓話

いや適当言ってないって!
荊景学院の戦闘魔道士を旧枠モダンのコラコマって呼んでるのと同レベルとか言うな!

実際、この2つのカードは指輪物語ドラフトにおいてハチャメチャに強いカードです。
17Landsというドラフトの統計データを公開しているサイトによると、これらのGIH WR(このカードをプレイしたときの勝率)はどちらも6割を超えており、コモンに限定すれば3位と4位のカードです(2023/7/17現在)

でもリミテッドをやらない人はこのカードたちを知っているのでしょうか?

おそらく知らない人が多いのではないでしょうか。
構築、特にこのセットの範囲であるアルケミーやモダンだとパワー不足が否めません。
そもそも着実にアドを取るタイプの強さなので派手なカード飛び交う環境には合わないですね。

指輪物語のリミテッドをプレイした人は、おそらくこれらにいい思い出、辛い思い出がきっとあるでしょう。
それだけでこの環境をプレイしていない人より、2枚分カードへの想いが増えています。

カードに対する思い出が増える、それってとても素敵なことで、そのたびにマジックの魅力も広がっていくはずです。

カジュアルとしてのリミテッドの遊び方

ただ、もちろんリミテッドでも強いカード、弱いカードは存在します。
先程のゴラムへの拷問やクレバインは強いカードとしてデータが出ており、ドラフトでは勝つためには積極的に取っていくカードです。

勝つためには強いカードを取って強いデッキを組む。当たり前です。
しかし、それは出会うカードが少なくなるということも指しています。

私は今月ずっとMTGAで指輪物語ドラフトをプレイしていますが、まだデッキに入れたことのないカードは全然存在します。

なんかそれって、寂しいじゃないですか。

これはMTGAがデジタルのゲームであることが一因でもあるのかなと思います。
見知らぬ相手と会話もなく対戦する中で、求めるのはそりゃ勝利でしょう。

決して、勝利を目指すこと  ≠  楽しむこと、とは思っていません。
真剣に勝ちを目指すのはゲームとしてとても誠実な楽しみ方です。

でも、ふと、ただパックを開けるついでに友達と遊んでいたリミテッドもまた楽しかったことを思い出します。

何も情報を知らない、何が強いのかもいまいちわかっていない、そんな中でこれ強くない!?と周りと話しながら特に強くもねえカードをデッキに投入する。

それもそれで、リミテッドの面白さなんじゃないかなって。

全く知らない環境で、直観だけでデッキを組む。
一旦勝率は抜きにして、自分が遊んでみたいと思った色、アーキタイプ、カードで遊ぶ。
そういった場所も必要なのかなと思っています。

できれば私が、その場所を作ることができればと思っていますが…。
色々考えを巡らせている段階です。

追記 : あ、筆者はあまりプレイしていませんが、シールドは一期一会の出会いが多くなりそうな印象ありますね。ちょっと積極的にやってみようかな。

青汁


え!?今日はそんなカジュアルなドラフトが見れる場所があるのかい!?

7/17(月)、この執筆日ですね。
GIH WR50%以下のカードだけで組まれたキューブドラフトで遊ぶ配信を行います!

コラボ配信となっており、リミテ初心者の私の他、お相手には生涯獲得賞金1万ドルの山辺カフカさん、おだんご杯(シールドの日本有数の大会です)第二回6位、第三回7位の戦績を誇るはれのちしとどさんにご参加頂きます!

GIH WR50%以下、つまりプレイしたときの勝率が50%を切る、ドラフトでは活躍できなかった子たち。
この場所では思わぬ活躍を見せてくれるかも!?

ぜひご視聴していただけますと幸いです!

山辺カフカさん
https://twitter.com/yamabenokafka1 https://www.youtube.com/user/yamabeno...

はれのちしとどさん
https://twitter.com/HareShitodoCh https://www.youtube.com/@Harenochi_Sh...

それではここまで読んでいただき、ありがとうございました

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