始めの戸惑い
ありさの仕事は反響営業の為、まずは営業ツールの準備から始まる。新人はいきなり対面営業はさせてくれない。
良質なスクールであるアピールをするには卒業生の就職実績、資格合格率が重要視される。デザイン講座ではパンフレットのデザイン性も問われる。
えー、このスクールで勉強すれば、こんなカッコイイデザインが出来るようになって、デザイナーと就職出来るんだ✨
入会者を集めるためにはそう思ってもらわないといけない。
スクールの講座内容は紙媒体のデザイン、WEBデザイン、CAD、インテリアコーディネーター、office系ソフト、ITがある。
同期のたけるはofficeソフトのスクール経験者で前職では売上No1の実績だったそうだ。ありさがこつこつ資料の準備をするために、コピー取りをしたり、呼び込みチケットを作ったりしている間に、早くも打席にたたさせてもらい、即決入会の契約をとってきたのだ!
たけるは、くせっ毛の短髪、前歯に虫歯があり、見た目は10歳ほどは老けて見える。始めとっつきにくい風貌だが、話し始めるととっても話が上手い。自虐ネタを使い、とにかく笑わせてくれる。そしてマシンガントークで相手にスキを与えない。
自分と話している分には突っ込みいれると爆笑トークに拍車がかかり、面白いに尽きるが、お客さんだったら、逃げ道ない話っぷりでちょっと嫌かも、と思う。
ありさは後に個性を活かせば輝く!ということに気づくようになるが、当時は「自分はこんなに軽快なトークは出来ないし、デジタルスキルもない、、。」このまま新人のルーティン作業は嫌だなあ、どうしよう、、、。悶々として毎日が過ぎていった。
そしてある日、大物が釣れる。
続く
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