Poem Of The River

音楽ファンに#忘れられちゃったかもしれない名曲 やバンドを記憶に残してもらうためにご紹介します。Post-Punk, New Wave, UK/US Indieなど、思いついたものを取り上げるので、新旧バラバラです。あるプロジェクトの備忘録です。音源提供はなくテキストが中心です。

Poem Of The River

音楽ファンに#忘れられちゃったかもしれない名曲 やバンドを記憶に残してもらうためにご紹介します。Post-Punk, New Wave, UK/US Indieなど、思いついたものを取り上げるので、新旧バラバラです。あるプロジェクトの備忘録です。音源提供はなくテキストが中心です。

最近の記事

"THE MIGHTY LEMON DROPS"の事。

”ネオ・サイケデリック”、海外では"Neo-psychedelia"という、なんとも曖昧な音楽カテゴリーがある。日本と海外ではかなり意味合いの隔たりがあって、イギリスとアメリカでもかなり異なるみたい。アメリカではクラシックなサイケデリック・ロックの革新性と実験性をベースにしたヘヴィなサウンド、イギリスでは、ポスト・パンクと結びついて発展したAcid punkとも呼ばれるサウンドのバンドを指す。奇人変人Robyn Hitchcock率いるThe Soft Boysを皮切りに、J

    • "ORANGE CAKE MIX"の事。

      ブリストルと言えば、英国はサウス・ウェスト・イングランドにある港湾都市で、イギリス全体で8番目に多い人口の大都市を思い浮かべるでしょう。音楽面では、ポスト・パンク期にはThe Pop Groupとその界隈のバンド、Pig Pag, Head, Maximum Joyなどを生み、1980年代後半にはMassive AttackやPortishead, Trickyなどを生んだアブストラクト・ヒップ・ホップの聖地で、Sarah RecordsがDIYポップのスモール・サークルを広

      • "SUPERDRAG"の事。

        音楽家が本人作の曲について、あの曲は嫌いだとか、あのアルバムは好きじゃないとか言う事ってありますよね。実際に黒歴史はあるんだろうけど、本当に出来が悪かったら仕方がないが、実際は凄く良い曲だったらどうでしょう。仮に、自分では自信作でも、レコード会社の思うようなヒットにならなくて、プロモーション費用が回収出来なかったので以降はプロモ―ションしませんし、作品も出すの中止にしますって、レコード会社から一方的に決められたらどうでしょうか。作者が受けた精神的苦痛は相当なものだろうと思いま

        • "EAT"の事。

          レコード会社が作り出したのか、マネジメントが作り出したのか、まさかバンドの狂言は無いでしょうが、バンドのバイオグラフィーって本当か?ってのは結構ある。フィリピンの少年が有名なバンドのヴォーカルになったという話や、路上生活者の子どもがDJで成功するという話なんかは、心温まる実話だと思うし、炭鉱労働者がブラスバンドで成功するというのは映画の世界の話だけど、実際にストライキの一環として合唱団を作ったサウス・ウェールズの鉱山労働者たちのグループは実在した。一方、記憶喪失のシンガーに歌

          "HEAD OF DAVID"の事。

          バンドって不思議な集団だ。初期メンバーによる初期衝動のインパクトはもちろん刺激的で、私のような新しもの好きのポスト・パンクの出の人間となると特にそう。でも、サウンドを進化させていくのはバンドの矜持だし、チャートに尻尾を振らずにそれを成し遂げていくのを見届けるのは、ファンとしても嬉しいことだし、バンドとしては素晴らしいことだと思う。しかし、後から知名度もテクニックも凄い才能の人物が加入すると、元々のメンバーの実力が足りないのかマッチしなかったのか、あまり上手くいかない事が多い。

          "HEAD OF DAVID"の事。

          "TUXEDOMOON"の事。

          またまたミュージシャンが拠点を移すことについて考えてみる。ミュージシャンにとって、活動する拠点での経験や触発される事でサウンドが大きく変わるという事は多いだろうし、暮らしやすさや活動のしやすさ、オーディエンスの反応など、色々な面でプラスにもマイナスにもなる。アメリカという、面積も大きければ人口も多い場所では、国内でも土地土地で色んなサウンドの傾向があって、全部が全部では無いけど、ニューヨークはパンクやノー・ウェイヴとか、ワシントンDCはハードコア、シアトルはグランジ、カリフォ

          "TUXEDOMOON"の事。

          "MINIMAL COMPACT"の事。

          ミュージシャンにとっての活動拠点の変更について考えてみる。各々個人の事情というのは色々あって、こんな田舎いやだー、都会へ行くんだってのもあるだろうし、社会的に活動しづらかったり、抑圧されて活動を制限されてしまうのを嫌って表現の自由を求めるアーティストもいる。アメリカやイギリスくらいになると、国内でも色んな場所で独自のサウンド・スタイルがあるので、それに憧れて移転を決める事だってあるだろう。一方、その国の音楽文化が自身に合わないと移転する人もいる。オーストラリアからドイツやイギ

          "MINIMAL COMPACT"の事。

          "TEST DEPT."の事。

          当の本人たちはそんな意識はサッパリ無いのに、やれ「✕✕✕の元祖」とか、「〇〇〇の先駆者」とかに祭り上げられているアーティストって結構多いんだろうなあと考えると、なんだか気の毒にしか思えてこない。勝手にカテゴライズされて祭り上げられて、ミュージシャンという職業は大変だなあと思う。しかも好きな事ばっかりやってたら食えないし、レーベルの言いなりや、リスナーの好むであろう音ばかり作っていては、あまり長く支持はされないという難儀な職種。では、初っ端から音楽を大衆文化では無くアート/芸術

          "TEST DEPT."の事。

          "KISSING THE PINK"の事。

          何か、メジャー・レーベルへの苦言ばっか書いてる気がしますが、インディ・レーベルに潰されたバンドだって無数に存在したんですねえ。インディ・レーベルの場合、ヒットがサッパリ無かったり、資金調達が難しかったりで運営が上手くいかずレコードを出すお金が無かったり、大物プロデューサーを雇ったもののレコーディングが終了してからお金が払えないのが判明して訴えられたり、果ては倒産というのも少なくない。会社を大きくして儲けようというところは少なくて(と思いたい)、音楽への良心だったり、良い音楽を

          "KISSING THE PINK"の事。

          "THE HOLLOW MEN"の事。

          これが最初じゃない気がするけど、メジャー・レーベルについて考えてみる。以前ならば、皆が目指すところだった気がするし、何と言っても、マネジメントからマーケティングまでやってくれるのだから、アーティストは創作に専念出来る。でも、インターネットが普及して、Arctic Monkeysをはじめとして、音楽配信やSNSを通じて、あっという間に火が付くバンドだっている。メジャー・レーベルも大小関係や買収問題で、かなり絞られてきてしまった。音楽業界が衰退した理由のひとつに、1980年代あた

          "THE HOLLOW MEN"の事。

          "AMAZULU"の事。

          音楽の聴き方は千差万別で、どう聴こうと、どう捉えようと自由だ。音楽のスタイルも多種多様を極め、シンプルなロックン・ロールから難解な実験音響、アナログからデジタル、インストゥルメンタルからアカペラと、色んなジャンルがあって、リスナー個人の好みで、どれを聴こうと自由だ。普段は暗くってヘヴィで陰鬱になるようなサウンドとか、爆発的に炸裂するノイズや、ピュアなアコースティック・サウンドなんてのを好む私の様な人間でも、時に明るくカラッとした能天気で楽しいサウンドが聴きたい時だってある。そ

          "AMAZULU"の事。

          "FINITRIBE"の事。

          好きな事をやり続けて、尚且つ楽しく生活出来るという理想的な人生って、相当に難しい。何をやるにしても、他人の思惑が入ってくると、それがストレスになったり、自分で壁を作ってプレッシャーを受けて挫折してしまったりする。音楽家だって、良い作品を作り続けていても、独りよがりな自己満足では中々上手くいかないし、メジャーのレコード会社をはじめとする売り出す側の事情を全て受け入れてしまうと自由は失われ、それを嫌って自分たちでやろうとすると、お金の問題なんかで頓挫して、最終的には活動を終了..

          "FINITRIBE"の事。

          "GLASS EYE"の事。

          ミュージシャン同士の交流というのは、音楽志向やジャンルやレコード・レーベルの垣根を越えて意外な所で接点が生まれ、単なるお友達関係や飲み仲間っていうのも多いんだろうけど、お互いに触発されて素晴らしいサウンドを生み出したり、著名なアーティスト同士だと夢の競演なんてのもあるでしょう。あまり有名ではなくても、才能のある人物同士が結びついて共同作業を行い、結果として素晴らしいものが出来上がる事は頻繁にあると思う。2019年に58歳で急逝したDaniel Johnstonの楽曲を理解し、

          "GLASS EYE"の事。

          "THE BELLE STARS"の事。

          バンドにとって、やっぱセールスってのは重要な訳で、そりゃそれで生計を立てていこうと頑張った結果は欲しいというのは人間の常だと思う。売れなくったって、好きな音楽をやっていければいいんだ、という人もいるが、大抵は別の仕事や本業を持っていて、経済的な基盤は持っていたりする。現実問題、セールスが無きゃあ厳しいのは当たり前だし、特に不況下の1980年代イギリスなんて特にそうだったでしょう。一生懸命曲を作ってライヴをやって、でもオリジナル曲が全く売れなくて、試しにカヴァー曲を演奏してみた

          "THE BELLE STARS"の事。

          "LIVE SKULL"の事。

          音楽のムーヴメントやシーンっていうのには、代表するバンドってのが大抵は存在してて、例えば”UKパンク”だとSex PistolsとClashあたり、”グランジ”だとNirvanaとPearl Jamでいいのかなあ。色々な意見はあるんでしょうけどね。でも、中々3番手って決めづらい、というか何だか立場的に一気に地味になってしまう感じで気の毒だと思う。ニューヨーク地下派のバンドとして、1970年代のSuicideは孤高の存在として、ちょっと後には"No New York"に参加して

          "LIVE SKULL"の事。

          "DAS DAMEN"の事。

          ミュージシャンに限らないが、芸術家は破天荒だったりエゴイストだったり悪ふざけが過ぎたり、ハチャメチャな行動に出る人がいる。ロックの長い歴史の中では、窓からピアノやテレビを落っことしたり、ホテルの室内を破壊しつくしたりと、武勇伝で済んだ1960年代や1970年代は良かったが、1980年代ともなると自由奔放って訳にはいかない。挑発的な態度だったり、ビッグマウスだったり、ミュージシャン同士の舌戦はあるけど、やっぱりある程度の忖度は必要な時代。本人に悪気があったのか無かったのか、悪ふ

          "DAS DAMEN"の事。