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ギャンブルをやめたギャンブラーがプロジェクトマネージャー的ポジションにつくと現場が死ぬ件について

お世話になっております。
禁パチ100日をクリアしたコハラです。
仕事はがんばってやっていますが収入は上がりません。残業代もつきません。どうしたらいいかわかりません。

刺激を求めるギャンブラー

何を隠そう、僕はギャンブル依存症です。特にパチンコ。
そして禁パチ100日を達成して絶賛継続中というわけなのですが。
ギャンブラーからギャンブルを奪うと、別のところで刺激を求めるようになります。色々ありますが、僕の場合は仕事でした。

手を抜いても怒られないギリギリのラインを探す遊びをしたり、社外メールに縦読みメッセージを紛れ込ませてばれないか楽しんだり。
最初はそういう風なことをやっていましたが、やはりそれでは刺激が足りない。

そこで僕は、仕事の受注段階から無意識に刺激を求めるようになっていきました。

プロジェクトマネージャーがギャンブラーだった悲劇

ちなみに僕は、いわゆる「プロジェクトマネージャー」(PM)的な立ち位置の役職がついています。実際はそういう名前ではないですが、一般的にはこう呼ばれるような立場。別に冒険もせず適当にやっていればたいした負荷もなく日々が過ぎ去ります。ただ拘束時間が長すぎるのと休日でも容赦なく連絡が来る、ただそれだけです。

そんな立場の僕ですが、仕事の受注や管理自体は、いつもどおりやっていると思っていました。
仕事上で刺激を求めるのは、仕事の本筋と関係ない遊びのようなことだけで、通常業務はいつも通りやっていると。そういう感覚でした。

ただ、なんとなく仕事が忙しいな、2022年の1月半ばくらいからでしょうか。そう感じるようになってきました。おそらく、仕事がすげー忙しいみたいなことをツイートしはじめた時期だったと思います。

そのまま2月に入ると、なんだか偉い人から妙に可愛がられるようになり、ちょっと気持ち悪いなと思っていました。自分の中では特に何か変わったことはなかったのです。

しかし2月半ばすぎでしょうか。

現場のトップ的な立場の人から、時間を下さいと。ガチな感じで。わざわざめんどくせーなと思いつつ話を聞いたところ、個人的には衝撃的な内容だったのです。

「もう現場は限界です。ペースがきつすぎます」
とのこと。僕がまさに“なんのこと?”という顔をしてしまったのでしょう。
「ひょっとしたら無意識なのかなとは思ってましたが、さすがに看過できません。きつすぎます。」
と。なんだかここ最近、仕事の受注量がじわりじわりと増えてきており、現場の疲弊がすすんでいたとのこと。いよいよ我慢の限界となり、直談判してきたと。確かに最近当日欠勤するスタッフがちょこちょこ出てきていたんですが、冬だしな、風邪かな、くらいにしか思っていませんでした。

禁パチしたばかりのパチンカーをPMにするのは危険だった

ハッキリ言って今回の件、自分にとっては寝耳に水の話でした。
しかしデータをよく見返してみると、今年にはいってから受注量がぬるっと上がっており、毎回ちょっとずつ仕事量が増えているという状態になっていました。

いつもどおりのルーティン業務でほぼ完了してしまう受注量だと刺激が足りないため、無意識に上乗せして受注を行っていたのだと思います。おそらくそのときの気分で、無事にいくかな?いかないかな?とちょっとドキドキするくらいに増量していたのでしょう。根拠不明の意図不明な数字が散見されます。

いままでは、それはもう早く仕事を終えたいわけです。パチンコ打ちたいから。そのためには、みんなが平和につつがなく終えられるくらいの仕事量にしておくのが一番良いわけで、受注量を増やそうという発想など微塵もなかった。

それがパチンコをやめてからというもの、「これくらい受注量を増やすとひょっとしたらさばけないかもしれない」という刺激を求め、無意識に仕事量を増やしてしまっていました。別に多少のトラブルで残業になっても問題無いわけですから。むしろその分時間が潰れてスリップする可能性が減るというメリットすらある。残業代は出ないけど。
ただそれまでぬるぬるの環境に慣れていた現場からすると、「アイツ急にどうしたんだ?」とキレ始めるわけです。現場へなんの相談もなく仕事量を増やし、しかも売上を伸ばしている僕は、しれっと上司からの評価を上げている。まあ怒るのも無理ないか、という話。

現実問題として、僕が増やした程度の受注量では、結果的に労働環境的には問題となるほどの悪化はありませんでした。ただ今回はそれくらいの時点で現場から声があがったことによって気づけたから良かっただけの話で、このまま誰からも指摘がなければ、どんどんエスカレートしていくところまで行っていた可能性はあります。現場トップの人が控えめな性格だったら、誰かが倒れるみたいなことになるまで問題が顕在化しなかったかもしれません。

ギャンブル依存症の毒は簡単には抜けない

当時は、ちょうど禁パチ30日~50日くらいだったと思います。
そのころ僕は正直、「このまま仕事で時間潰しまくればパチンコ辞められるわ」と思っていたのです。
動画投稿によるセルフマインドコントロールがうまくいき、打ちたい欲求がいい感じに抑えられている状況だったので、あとは物理的に打つ暇がないという状況さえ整えれば完全解脱も目前だと考えていました。

しかしそんなに甘くなかった。
今回はパチンコ欲というか、ギャンブル欲が抜けていなかったというのが問題でした。

やはりこれまでギャンブル漬けの生活をしていた人間がいきなり足を洗えるはずもなく、意外なところに毒が回っていました。
頭ではもう解脱したと思っていても、簡単にはギャンブル依存症の毒は抜けないということです。

「元ギャンブラーあるある」らしい

それで今回の一件について、それぞれの事情でギャンブルをやめた人たちがたくさんいるようなコミュニティで話をしてみたわけです。すると意外にも、
「ギャンブルできないから仕事でギャンブルするとか普通でしょ」
「仕事で無茶して鬱憤晴らすとかよくやってたなあ」
みたいな感じで、「いや別にそれよくある話じゃね?」的なリアクションが多かったのです。ヤバいだろ。

人事権のある皆様へ

ギャンブル依存症者の世界では、ギャンブルから足を洗った直後に仕事でギャンブル的な取り組みをして鬱憤を晴らす。これはわりとポピュラーみたいです。

なので人事権のある偉いひとは、ギャンブルをやめたばかりの元ギャンブラーをそこそこのポジションに置くのはやめましょう。とくにその人の采配で現場が動くようなポジションは。現場が死にます。以上です。

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