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レイルロード・インク攻略 (4)

この記事の続きです。前回は初手に橋ではなく I 字もしくは L 字アダプタが出た時に、(3,3) もしくは (4,3)/(3,4) に十字を置く手法について紹介しました。今回は初手に橋が出た時の構築について解説します。初手に橋が出た時は T 字があるかないかで選択肢が大きくわかれることになります。

A. 初手橋 + T 字あり

 初手で橋がT字とセットで登場した場合、大きく分けて 2 種類の初手が存在します。

① (2,2) 橋

 隅の出口に T 字を配置して、(2,2) の位置に橋を置きます。と言うのは簡単ですが、実はかなり分岐の多い構造です。
 たとえば次にもう一つ橋が出たら (3,3) に置いて Fig. 1 のように (4,4) で線路と道路を束ねるのもよいですし、その他には (4,3)/(3,4) と (4,1)/(1,4) の2か所に橋を置くことで十字を一つ節約するというルートや、あるいは、(3,3) に5号の十字を置き、(1,4) and/or (4,1) に橋を置いて出口を回収することで十字を節約するというルートもあります。
 Fig. 1 のような形にすると確定で十字が辺中央2か所に取られてしまうので、たとえば (1,4)/(4,1) にL字アダプタを置いて終点としてしまう、という場合もあります。あるトッププレイヤーが「この初手は運ゲーになるから嫌い」と言っていて、確かに運の要素で勝ち負けが左右されがちではあるのですが、その時どきの最適解を見極めるスキルは最低限必要です。

Fig. 1 台湾のプレイヤー killua のログから。bgaのレイルロードインク史上おそらく最高得点。7ターン目の橋と3ターン目のI字線路を交換してT字道路で橋の減点をつぶすと83点で、これが理論上の最高得点とされている。

② (1,4)/(4,1) 橋 + (2,4)/(4,2) T 字

 Fig. 2 のように1ターン目で辺の中央に橋を置き、(3,4)/(4,3) に5号の十字を置いて (2,2) で橋を待ちます。① に比べると比較的最近使われるようになった手法です。
 ① では、遅くとも3ターン目に橋が来ないと (3,3) などに橋を置くのは難しかったのですが、この構造は橋が比較的遅いターンでも許容されるという利点があります。
 ただし、2~7 ターン目で橋が一つも出ない確率が (2/3)^6 = 9%弱あるため、もう一つの橋が出ずに低得点に終わる可能性がある点には注意が必要です(橋が出ない時にそなえて6号ではなく5号の十字を使っています)。

Fig. 2 右上やらかしたがそれでも70超える

B. 初手橋 + T 字なし

 この場合、まず候補となるのは (2) の回で紹介した (4,1) 十字 + (4,3) 橋のストラクチャーです。60点台後半を安定して出すことができます。

 この他に、A. ①と同様に、(1,2)/(2,1) に I 字を置いて (2,2) に橋を置く、という手法もあります。ただし、この方法は I 字を置いた方の路線でその後に T 字が大量に出ると失点が大きくなってしまうという不確実性がありますので、個人的には (4,1) 十字 + (4,3) 橋のストラクチャーの方が好みではあります。

最後に

 これまで3回にわけて主なストラクチャーを紹介してきました。これらはあくまでも進め方の指針でしかなく、モデルルートみたいなものは存在してもその通りに進む方がレアケースといえます。ダイスに応じたアドリブ力を鍛えることが上達には不可欠です。
 ダイスの目は9種類(I,T,L x 道路/線路, アダプタ2種, 橋)あるので、9種類のどれにも対応できるかどうか考えるのは常に習慣づけておくようにしましょう。


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