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レイルロード・インク攻略 (2)

この記事の続きです。
前回、まずは最長線路/道路の最大化を目指すべきである、と書きましたが、そのためには指針となる構造を身につける必要があります。今回から3回に分けて、このゲームにおいて把握すべき基本的な構造について説明します。

(4,1)/(1,4) の位置に十字を置く

最初に覚えるべき構造は、初手で Fig. 1 のように (x,y) = (4,1) または (1,4) の位置に十字を置き、十字を中心として線路(または道路)を外周に、道路(または線路)を中央9マス経由で線路の届かない出口に伸ばす、というやり方です。想定として中央は4マス取ることになります。T字が多く出たら先回りして置いておきましょう。

Fig. 1 筆者のログから。半年前のログなので初手が今考える最善手とかなり離れています。

この手法の利点は、基本形が比較的固まっているため、テンプレートに沿って線路/道路を描くだけで比較的高得点が取りやすいという点です。この方法の長所と短所を以下にまとめます。

長所:
1. 学習コストが低い。初心者でも70点以上を出しやすい。
2. 中央を進む方の路線にT字が少なくても序盤を耐えられる。
3. どの出口を道路/線路で回収するか考えなくてもよい。(Fig. 1 では下辺左を線路の終端として定め、線路を時計回りに展開する一方、道路については下辺中央を経由地としたのち反時計回りに展開するので、線路と道路の役割がバッティングしない)

短所:
1. まんなかを進む方の路線で、T字が多く出ると減点要素になりやすい。減点を避けて壁際を先に作るとリスク要因になる。
2. 壁際の路線で序盤にTが少ないと苦しい。特にL字が多く出ると詰む。2つ目の十字を早々に消費しがち。
3. 橋が1,2個しか許容できず、あとは I 字線路または道路の代わりとして減点を食らいながら置くしかない。
4. 1~3の理由から、分散が大きい。そのため、低レートの相手に大爆死することがある。

覚えておくべきは、序盤の死にづらい立ち回りと、Fig. 1 の線路側でどうやって道路の出口を回収するか、という点です。

序盤の死を避ける

基本的には、線路/道路のうち T 字が多く出る方が外周を、T 字の少ない方が中央を進むことになります(*1)。初手の置き方で気を付けるべきは、L字/I字がいくつ来ても耐えられるか、キャパオーバーした時にやり過ごす手はあるか、という点です(他の構造も使えるようになると、その他の構造に移行できるかどうかも考慮のポイントとなります)。十字の両サイドに T 字を置くよりも、リスクを取りつつちょっと離したところに T 字を置くことが、結果的にリスク低減になっていることもあります。

(*1) T字が大量に出た時に Fig.1 の右下から構築する人もいますが、十字を余計に使わない場合は左下から上辺中央にかけてT字が4つ消費されるので、外周から構築した方が安定するのではないかと考えます。

線路側での道路出口の回収(またはその逆)

Fig. 1 の上辺左側を見ると、線路から I 字アダプタを使って道路出口を回収しています。ここは L 字アダプタでも同手数で道路出口を回収することが可能です(必要な線路の本数は同じですが、IとLの内訳がかわります)。また、上辺右側を見ると、橋+L字アダプタ+十字で道路出口を回収しています。ここは橋+L字道路+十字でも同様の手順を組むことができます。
ここで注意が必要となるのは、橋+L字アダプタ(もしくはL字道路)+十字による道路出口の回収は、アダプタのみで道路出口を回収する手順に比べてT字を2個節約することができる、という点です。したがって、T字が少ない場合には十字を使って出口を回収する方法を検討する必要があります。

なお、橋が出ない場合でも十字のみで道路出口を回収することは可能です。
今回紹介している構造において橋は基本的に減点要因になりますが、減点なしで橋を使うことができるというのが上記手順の長所です。また、橋を使うと置ききれないI字やL字の置き場ができるので、T字が少ない時の猶予にもなります。

T字が多すぎる

Fig. 1 の道路のように盤面中央を進む方の路線でT字が多く出てしまった場合、下辺中央と左辺中央の接続を諦めて下辺中央を起点に外周を伸ばす、という選択肢もあります。この場合、Fig. 1 の左辺中央で道路と線路を合流させるのではなく、右上などで道路と線路が合流することになります。中央9マスはまったく取れなくなりますが、それでも12出口を繋げれば70点程度は出ます。

(4,3) 橋ヴァリアント

1~2ターン目に橋が出てくる場合、Fig. 2 のように (4,1) と (4,3) に橋と十字を置く形に移行することができます。この形は前掲の欠点を解消することができ、爆発力は下がりますが(12出口はまず取れない。11出口もかなり厳しい)安定して60点台後半を取ることができます。さらにもう1個橋が出た時に (4,4) に置くことも可能です。ただし、橋を大量に活かす形は必要なL字が多くなりがちな点には注意が必要で、減点を食らいながら橋をI字の代わりに用いることも検討すべきです。

Fig. 2. 1ターン目で5号の十字を使っているのは2ターン目に橋が出る可能性を考慮したため。6号の十字だと、橋の可能性を考慮するとL字線路を左に向けることになり橋が出ない場合に危険。

なお、1ターン目で同種のL字が2個出てきた場合は (4,3) ではなく (3,3) に橋や十字を置くことも可能です。

次回

今回紹介した (4,1) に十字を置く手法は、2022年の前半頃まではマジョリティの戦略でしたが、徐々にトッププレイヤーの使用率が下がっています(*2)。また、初手に橋が来る場合についても Fig. 2 に示すような形よりさらに強い形が既に開拓されています。次回は、近年使用率が上がっている (4,3) 十字からスタートする構造について説明します。

(*2) 個人的な意見ですが、壁側の路線で十字の使用を避けようとするとT字が4つ以上要求されるのが結構厳しいなと感じています。特に1ターン目でT字がない場合、2~7ターン目に出てくるT字は平均3つなので、結構な確率で十字を消費させられることがわかります。とはいえ、I字が多い場合はそれでもこの構造が相対的に強い可能性があるため、T字がなくてもこの構造を選択することがありえます。

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