レイルロード・インク攻略 (1)
はじめに
Railroad ink というゲームがあり、全人類がやるべきゲームです。本稿では Railroad ink のルールはわかっている程度の人を対象に、このゲームの戦略について説明します。今 board game arena で ELO が 100 ~ 400 くらいの人が、安定して60点台を出せるようになるのが目標です。安定して60点台が出れば ELO 500~600 くらいには届くはずです。
用語
まず最初に、ここで用いる用語について説明します。
正式名称ではないのですが、慣用的に以下のような語彙を用いています。
十字:スペシャルダイスのこと(Fig. 1)
アダプタ:駅のこと。黒い四角のついたダイスの面(Fig. 2)
橋:高架のこと。海外勢は overpass と呼んでいます。
また、線路・道路の形状を便宜的にL字・T字・I字と呼びます(Fig. 3)
何を重視すべきか
このゲームにおける得点源は大きく分けて3つです。
1. 出口をつなぐ
2. 中央9マスに配置する
3. 最長道路/線路を伸ばす
この中でどの要素を最も意識すべきか、というのはこのゲームを始めた人が最初にぶつかる疑問ではないでしょうか。出口を全部繋げたら45点って強くない?中央9マスを取ってもダイス1個1点なら弱くない?というのが私の最初の印象でした。
結論から言うと、この中で最も重視しなければいけないのは、「最長道路/線路を伸ばす」ということです。「出口をつなぐ」「中央9マスに配置する」というのは相互にトレードオフの関係にあり、ダイスへの依存度が高い要素でもありますが、一方で最長道路/線路を伸ばすことはダイスへの依存度があまり高くなく、ほぼすべてのゲームで無視することができません。
ここで一つ、具体的な盤面を見てみましょう。
Fig. 4 の左側のプレイヤーは、既に4ターン目で線路を閉じてしまっています。これ以上線路の最長を伸ばす見込みがありません。一方で右側のプレイヤーは、道路・線路ともに最長を伸ばす余地を残しています。5~7の3ターンで線路は平均すると4.5個出ますので(橋を除く)、この時点で最長線路については出口1つ分の差がほぼ確定しているということになります。
最終的にこのゲームでは、最長道路+最長線路が左のプレイヤーが16、右のプレイヤーが25となったため、最長線路/道路によって出口2つ分以上の差がついてしまっています。
理論的には、1ターンに(アダプタが書かれたダイスを除くと)3つのダイスを振る、というのを7ターン繰り返すため、このダイスをすべて最長線路/道路に貢献させると21点出ます。実際には、十字や橋もカウントされるので最長線路+最長道路は20点台後半~30点程度になることが多いです。これを20点以下にしてしまうと、いくら出口をつなげても厳しい戦いを強いられるということがわかるのではないでしょうか。
ところで先ほど、「「出口をつなぐ」「中央9マスに配置する」というのは相互にトレードオフの関係にあり、ダイスへの依存度が高い」と書きましたが、これは下記の理由によります。
出口をつなぐためにはT字が多く必要になりますが、その場合は中央9マスへの配置が相対的に弱くなります。T字を中央9マスに配置すると、エラーによる失点の原因になりやすく、かつ出口をつなぐには遠回りになるからです。逆に、T字が少ない場合は出口をつなぐことが難しくなりますが、その場合は中央9マスへの配置が相対的に有利になります。
そうは言っても
「最長を伸ばせばよい」と言うのは簡単なのですが、とはいえ実践しようとしてもT字が少ないと Fig. 5 の右上のような形になりがちです。
このような形を避けるためには、ある程度進め方のパターン、あるいはテンプレートを複数のバリエーションで持っておく必要があります。これを私たちは「ストラクチャー」と呼んでいますが、記事の中では単に「構造」と記載します。次回以降、1ターン目の出目によって構造を分類して紹介します。
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