Antihelion Source (22)

2月23日(水)。Eで飲んだ。カラスミのピザが旨い。これがまた、尿酸値の高い私にはよくない。

2月24日(木)。Sで食事をしてからオンライン会議に臨んだ。宣戦布告が行われたという。本格的に戦争が始まった。…ここぞとばかり「憲法9条などでは国は守れない」と言い出す人がいる。たしかに、護憲派の中には憲法9条があれば大丈夫、と言っている人も少数見かけたことがあるが、そもそも、憲法というものは国の権力者を縛るものであり、憲法9条も第一義的には日本国内のならず者対策のものである。…「アメリカは守ってくれない。日本も自力で防衛できる力を」と言い出す人がいる。ウクライナはアメリカと軍事同盟を結んでおらず、日本は結んでいる。ロシアは、ウクライナがアメリカと軍事同盟を結ぶことを恐れて、そうならないうちに攻めかかっている。この事実から言えることを、理解できないのか。本当にアメリカが守ってくれないのであれば、アメリカの信頼は失墜するわけだし、日米同盟の価値はないことになる。…「次は北海道だ」「中国が沖縄にくるぞ」と言い出す人がいる。沖縄には米軍基地がたくさんある。それをアメリカが許すと思っているのか。北海道には米軍基地はあまりないように見えるが、北海道にある広大な自衛隊施設は、アメリカ軍も有事の時などに一時利用できるものが多く、仮にロシアと対峙するならばアメリカ軍にとって大事な拠点になる。そこを渡すような愚策をアメリカ軍がするのと思っているのか。…「やはり核兵器がないと!」と言い出す人がいる。核兵器を日本が持ったら、アメリカ含め、各国がどういう反応を示すのか、想像できないのだろうか。そもそもアメリカが許すのか、という問題がある。それに、日本が核兵器を持ったら韓国も持つだろう。唯一の戦争被爆国である日本が持つのだから、世界中で核兵器に対する自制心が揺らぐだろう。各軍拡競争が始まる危険性がある。抑止力は、ある程度理性的な国々だけが核兵器を持っている時にしか成立しない。狂った独裁者のいる国でも核兵器を持つようになる世界を作りたいのか。…しかし、どうするべきなのだろうか。

2月25日(金)。学習会(対面)に出てから、飲んだ。よくわからない人に盛んに話しかけられ、論じ合った。

2月26日(土)。出張の後、G街に行って、TとRに行った。キエフは持ち堪えているようだ。

2月27日(日)。Mで飲んだ。これからの世界が進む道を考えると、日本が進む道については、大まかに2通りに分けられるだろう。前提として、ここでロシアが大コケしない限り、アメリカ側陣営と、ロシア・中国側陣営に分かれての新冷戦の激化が想像される。…1つ目の道は、アメリカの対中・露前線基地として日米同盟を強化し、アメリカの要請による軍事力を増強し、もし抑止力がきかずにアメリカとロシア・中国の間で世界大戦となったら火の海になることも辞さない、というものだ。これの利点は、これから述べる2つ目の道に比べて諸判断が簡単な道だということ。欠点は、世界大戦になったら火の海だということと、アメリカが孤立主義に戻ったらどうしようもないということ。…2つ目の道は、アメリカとの同盟は今まで通りに続ける一方で、リスクの分散に努めること。具体的には、まず、両陣営の間で揺れている各国との連携の強化。インドやラテンアメリカ諸国などがそれにあたる。ロシアと中国のうちの片方とは少しは良好な関係を保つこと。ロシア・中国側陣営の弱点は、ロシアと中国の間で利害対立が起こる潜在的な危機があることであり、両方と近い日本はその利害対立に巻き込まれる危険性もあるが、一方で、何らかの働きを果たせる可能性がある。この道を歩めば、もしアメリカが孤立主義に戻ったとしても、ロシアか中国のどちらかとの関係を良好にして生き残れる可能性がある。また、経済的な封鎖が起こった時に、中国との関係が切れれば日本にダメージがあるだろうが、友好国が多ければダメージが軽減できる可能性がある。欠点は、外交として難易度が高いということ。…その両者のうち、たとえ難しくても2つ目の道がベターだろう。というのも、昨今、社会状況の変化が急すぎるからである。安全保障にしても、経済的な関係にしても、リスクを分散しておいた方が良い。

2月28日(月)。Sで飲んだ。中国はロシアに好意的だが歯切れが悪い。プーチンの暴走・敗北、というストーリーを見ているのだろうか。中国はこんなところで無理をしなくても、経済的な発展は続くだろうし、それなりに明るい未来がある。ところが、ロシアは、というか、プーチンの未来というと、あとは自らの死のみ。ウクライナの軍事大国化は暗いニュースだ(中国はウクライナとも親しいが)。急いで戦いたいのがプーチンの気持ちだ。中国は、そのようなものに本気で加担すると馬鹿を見る。ロシア対NATOで本気で戦えば、待っているのはロシア側の敗北か、人類の敗北だ。今回のことでロシアは、たとえ負けなくても経済的に苦しい。それならば、戦後のロシアを経済的に支えつつ、軍事的な技術を…そして、ロシア側ならぬ中国側陣営の盟主に…というのが美味しいところなのかもしれない。

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