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【水星の魔女15話】またガキが死んだ

西の魔女が死んだ、のノリで酷いタイトルをつけるな


今週の水星の魔女。

軽快なテンポと重たいストーリーの強烈なワンツーがなかなか膝にくる回だった。
右ストレート級のジャブ打ってくるのやめろ。
間柴了か? フリッカージャブなのか?

例によって生き急いだスピード感の水星の魔女15話だったが、今回は情報や人物(特に初出のもの)が多いので事実関係は慎重に整理していかないとあっという間に置いていかれる。
頭から行こう。




①アバン:グエ虐

こんなんなんぼあってもいいですからね。
トイレに縛られ便所ブラシでロリショタにしばかれてるグエル。パパをぶっ殺したのがショックで3日も飯を食えていない。

テレビの音量35でも聞こえない声でグエルがウジウジ言っていたらフォルドの夜明けの中核の1人でもあるオルコットに無理やり飯を食わされて泣いてゲボりそうになる。

とりあえず制作にグエルを曇らせて喜ぶ人がいるのはわかった。

ジェタークの御曹司というのはバレてるようで、生かしておいて人質として取引材料に使う気のようだ。現在はラウダ(重症)がCEOなのでパパの時より効くかもわからんね。

②新ジャンル:ニカ虐


昔VIPかなんかで新ジャンルってSS流行ってたよね。僕もやってました(黒歴史の暴露)

13話でサリウスが「一丸となろう!w」といけしゃあしゃあと言った矢先に大軍が地球に向かうワンシーンがあったが、ついにフォルドの夜明けの拠点に押し寄せてくるようだ。拠点は放棄。非戦闘員たちもいるため受け入れ先を探している模様。

一方その頃アスティカシア。
ニカがノレアにボッコボコにされている。

こんなんなんぼあってもいいですからね。

ソフィが死ぬ遠因になったとのことだが、ソフィはチャチャっと荒らして逃げればいいものを普通にスレッタに喧嘩売って1人で死んだのでこれは流石に言いがかり。

とは言えアスティカシアの学生という自分たちよりも恵まれた立場にいながら被害者ぶり、出来もしない理想を掲げて状況を悪くする(時もある)ニカはノレアの地雷を全て踏み抜いてなおめげないジオングみたいな女だ。足なんて飾りですよ。
友人を失ったのもあって13話ラストではしおしおしていたノレアも荒れるのは仕方ない。

好き勝手暴れて殺してとやってたら誰もアーシアンの待遇を改善しようなんて思わないというニカの主張は綺麗事と切り捨て難いほどに極めてもっともなのだが、当然ノレアには届かない。とりあえずフロント管理者に逮捕されてないだけマシというべきかどうか。

②シャディクの思惑(お前それほんとぉ?)


またまた一方その頃アスティカシア某所。

全知全能シャディクとまたしても何も知らないサリウス・ゼネリ。シャディクの声が嫌に明るいのがまた嘘くさい。

代理戦争、戦争シェアリングなどの新ワード。キューバ危機や朝鮮戦争は歴史で習った通りなので代理戦争はなんとなくわかるが、戦争シェアリングとはまたパワーワードだ。

ニュアンスから察するに、裏で小細工して小さい火種を用意する。仕組まれた紛争だから大事には至らないし武器(MS)も売れると。

サスティナブルウォーという言葉がある。
持続可能な戦争、みたいな意味だ。
戦争を小規模に抑え長期にわたって続けることで兵器産業で経済が回せるみたいな話で、これは現実でも度々耳にする。

舞台は地球だから各方々のダメージも小さい。
昔はやばい無秩序で悲惨だったわみたいな話をエピローグでやってたから、戦争なくせないけどそれよりはマシということなんだろう。ベネリットグループは武器商人の群体だからこういう事もできる。

デリングのクワイエットゼロは結局のところこれで後回しにしてきたツケをなんとかしようとするものだったということなのだろう。

メタルギアか、アーマードコアか、そうでなければヨルムンガンドみたいな話になってきた。
宇宙世紀シリーズにはシェアほぼ独占で連邦にもジオンにもばかばか兵器売ってたアナハイム社がいましたけどね……

シャディクの思惑はこの利権構造の破壊ということだが、単純に世界平和を目指した正義感からなのかというと普通に怪しい。

フィクサー役であるベネリットグループの資産を全て地球にくれてやればそりゃスペーシアン同士のしょうもない諍いは減るかもしれないが、普通に地球と全面戦争になる可能性も爆裂に高い。

生活、教育、物資に技術、全てが整ったスペーシアンと、代理戦争と重税で疲弊する地球では国力が文字通り天と地の差だ。
税金や輸出入で簡単に締め上げれるスペ公と違って、アーシアンは有効な外交手段を集まってデモするくらいしか持たない。

そんな地球に軍事力だけを与えればどうなるか。ファーストガンダムのジオンと連邦の構図を例に出すまでもない。仮に平和を謳うならそれがわからないシャディクではないと思うのだが…。

とは言えシャディクが純粋に武器商として利益を追求してるだけなわけもない。
そもそもそれなら戦争シェアリングの現状と本質的には何も変わらない。
地球にまともな生産能力は無く、頼みの綱のMSはスペーシアンが卸すのだから出来レースにもならない。

現状シャディクの発想は完全に破滅願望を持つテロリストのそれだ。世界平和を謳う思想家のものでは断じてない。全部ぶっ壊してミオリネと地球に駆け落ちする気と言われた方が全然信じられるが果たして。

(というかこんな重要な話をさらっとやるな)
(机に座るな)
(机に立つな)
(靴を脱げ)
(肌着を着ろ)

ついでにミオリネがデリングの側近の人にクワイエットゼロについて聞きにくる。
プロスペラの話1ミリも信じてなくて草。

④地球には地球の事情がある

ヒップホッパーみたいなジャリル、モジャモジャ頭のベッシ、もみあげが凄いフェリップが新たに登場。

チビどもがソフィの墓を作ってるのが悲しい。
ナジとオルコットの会話。

「撤退するってのに余計な物を」

「忘れたくないのさ。忘れたらいつ死んじまうのかって恐怖に耐えられなくなる。お前さんならわかるんじゃないのかい」

「……──忘れたよ」

受け入れ先が見つかり移動を開始。
オルコットたちMS隊がしんがりを務めるとのこと。

「チェーンガンは使わないんですか?」
「俺はなんでも軽いのが好きなの」

ってくだり、ガンダムっぽくて好き。

移送が優先だから見つからない限り仕掛けるな、時間を稼げという指示で作戦開始。
自分の記憶にある限りこの手の命令が遵守されたことはないので要は「撃つなよ?絶対撃つなよ?」ってことですねわかります。

うろちょろしてるちびノレアみたいな子たち(シンシアちゃん)がグエルに復讐を試みるもオルコットに止められる。

ごめんねおまえの父ちゃん死んだっぽいけどどれだかわかんねーや……

レイプ目のグエル。

「なんで父さんじゃなくて俺なんだ」
「俺が死んでいれば父さんは……」

手錠を外すオルコットにこいつの会社もう潰れるらしいから連れてっても意味ないじゃんという少年。これにはしっかり反応するグエル。

声優さん、演技上手いっすね…

一瞬でフラグ回収するジャリル。開戦。
流れ弾が学校に直撃してCM

⑤フォルドの夜明け(ただし明日はない)

オルコットの過去の回想。
父と子というサブタイトルはこいつにもかかってるんだね。
瓦礫に潰されたシンシア。
ここ、少年が1人で自由に逃げれて自分もすぐ戦線に参加できるようにワンチャン助かるシンシアを見捨てたのかと思ったけど全然そんなことなくてほんとに瀕死だったっぽいね。
そして普通にスルーされるグエル。

この辺りの戦闘シーンマジで良かったね。
一機一騎の動きがしっかりフォーカスされてて戦況が明確。かつ迫力のある地上戦。
アーマードコアを思い出してめっちゃ熱い。

ジャリルが死亡、オルコットが参戦。

当たり前のように五体満足のグエルが瀕死のシンシアを抱えて逃げる。

フィリップがコックピットを貫かれ死亡。
写真が燃えていくのが生々しい…
敵討ちとばかりに仲間がジープでミサイル撃ちながら突っ込んで行き相打ち。
弾切れのベッシが特攻するも1秒で撃墜。

新規のネームドキャラ軒並み死んだが……


(この時点ではシンシアちゃんは生き残るのではと思っていた)

降ってきたベッシのMSに乗ろうとするグエル。コックピットの亡骸を見てまたゲボルジェターク。シンシア助けるためにこれ引っ張り出したんだろうな…

オルコットが叫ぶ

「捨てただろ…。要らないんだよ、そんな物は‼︎」

過去に家族を助けられなかったオルコット。
仲間の死を前にして、もうそういうの(仲間への愛情)は捨てたんだから動揺するなと奮い立たせているのがなかなか痛々しい。

MSに乗って飛び立つグエル。
車(シンシアの仲間達)を探す。

気を取られた敵部隊を薙ぎ倒すオルコット。
ここかっけえ。

グエルからオルコットへの通信

「──ダメだ」
「──死んじまった」

血まみれで瞳孔開いて動かないシンシア。
またしても助けられなかったグエル。

「…『父さん』って聞こえたから」
「助けて欲しかったんじゃないかって」

先のシンシアの「何がしたいんだよ」って言葉へのアンサーだったんだろう。
父を手にかけて失意に暮れていたグエルが、せめて同じく父を亡くして泣いていたこの子だけはと足掻く姿、不覚にもちょっと泣きそうになってしまった。

オルコットに軌道エレベーター(宇宙への直行便)への道のりを聞くグエル。

「これ以上無くしたくないんだ」
「俺と父さんを繋ぐもの」


存続の危機にあるジェターク社を守る決意をするグエルでエンディング。

後々のシャディクとの直接対決が決定的なものになりそうですね

一方ミオリネがエピローグで登場。
そう言えば話を聞きにきてたね。
当時の惨状をなんとかしようとしていたデリングとノートレットの出会いのエピソードが明かされたがこれも地味に重要。戦争シェアリングなんて非人道的なことを仕組んでもなお変わらない世界をなんとかするための最後の手段だったわけだ。

「悲しいならそう言えばいいのに…」

デリングとしてはそんな弱みを見せられる時期では無かったのだけど、それがきっかけでやはりミオリネとの溝は深まってしまったんだろう。「お母さんのお葬式だって」と口走っていたこともあったし、そこで何かの確執があったのだろうと伺える。

自分で決めろよと釘を刺されて今週終了。
デリングの道が屍で作られるとわかっているからこそのこの助言。いい大人もいるもんだ。

おわり

先週の時点ではデリング復活かなと思っていたし、そうでなくともシャディクサリウスメインの話になるかなと想像していたが、予想に反してグエルそしてオルコットの回だった。
2週間分の出番を一気に回収してきたわ(心理的に)

プロスペラに「あれ仕組んだのシャディクw」って唆されてシュバルゼッテ?に乗ってシャディクにカチコミかけてたらいよいよ令和のリディマーセナスまっしぐらだったが、とりあえず自力で瞳に光を取り戻せて良かった。

畳み掛けるような展開だったが内容がわかってれば特に考察するようなものもなさそうなので今回はここまで。

次回 水星の魔女第16話 罪過の輪

サブタイトルが不穏過ぎるだろうよ


※先週はグエルが1秒も出なかったが、今週は主人公スレッタが1秒も出ないまま終わった。


では



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