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おさらい:インテグラル夢学への道

■インテグラル夢学の背景

ここまでのところをおさらいし、言い足りていないところを若干補足しておきたい。
私たちは、21世紀の新しい「夢学」を目指している。それは「統合的(インテグラル)な夢学」でなければならない。なぜなら、夢という現象はジャンルを限ったり、特定の学問分野に限って現れるわけではなく、あらゆる人間の営みに関連して現れるからである。
あらゆる研究分野がそうだろうが、今まで個々ばらばらになされてきたものが、20世紀の後半になって、「学際」ということが盛んに叫ばれるようになり、ばらばらだったものを統合的に扱おうという風潮になってきた。
しかし、夢に関する研究はまだまだ後手に回っているようだ。今までインテグラルな視点で夢を眺めてみる試みは、私の知る限りではない。そこには相変わらず西と東の対立、客観的分野と主観的分野の対立の構図がある。そこで、そうした対立の乗り越え方として私が借りてきた方法論は、ケン・ウィルバーのインテグラル理論だった。ウィルバー理論は、夢というテーマにもよく馴染むと考えたからだ。

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