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今日は貧血がおさまったので外に出て近所の梅園に行った。いつも満開の梅と人とで賑わいを見せるのに、ひっそりと静かだった。 おばあちゃまが亡くなる前、杖で歩けた最後の時期に一緒に行った梅園。 お茶の先生だったから、部屋に花をたやさず季節の変わり目にはお香を焚いていて楽しんでいたから 満開の梅とその香りをきいたら 元気になるかもしれないと思い、連れて行ったのだ。 梅の薫りは、ほのかでささやかな可憐さと、どこか神妙で夢幻へ誘う力がある。 御伽噺で梅薫る霧の中、幼女と老婆が手毬をつい
「近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さい」 引っ越しハガキの最後のこの一言について、ずっと(不義理をしている)と悩んでいたのだけれど どうやらこれは、定型の結びの言葉であるそうだ。と最近こころから知った。 普通の人はとくに引っかからない言葉なのだそう。 私は車で都内を走っている時や電車に乗っていると、町の風景が移り変わるたびに 友人達からの引っ越しハガキの最後の一言がくるくるあらわれアナウンスのように次々と頭に表示されてしまい落ち着かなくなる。 約束事だとインプットされて
