シャドウラン初心者向け簡易ノウハウ集/02:レッグワーク事始め

レッグワークなんて言われているようだけど、要するに事件やら依頼に関する調査のことだ。
 シャドウランでは、調査に使える手法というのは現実と同じくらい(魔法があるからそれ以上に)多彩で、正直なところ、慣れていない奴は何をすればいいのか見当もつかない事も多いだろう。

 なので、まずはありがちな調査の選択肢を上げておこう。
 これが唯一の正解……と言うわけでは無いが、参考になれば幸いだ。
>>>一番早いのは、お前のGMに「どういう風に調査をするのがいいのかな?」と聞くことだがな。

 まず、お前のコンタクトに「フィクサー」がいるか確認すること。
 依頼人(依頼仲介者)がそいつなら、詳しく聞いてみるのもいいんじゃないか?
>>>なにせお前たちが成功することが、そいつの稼ぎになるわけだからな。

◆依頼元との関係は良好か?

 コネ値、忠実値については判断基準は色々あるが、まず「2」を越えているかどうかを見ればいいだろう。

 コネ値2以下は「大きな影響力が無い」(小規模なギャングとかならこれでも十分だが)。初期のコンタクトでコネ値が4あれば、それはかなり有用なコンタクトだ。

 忠実値2までは「仕事だけの付き合い」だ。
 もちろん、その方が都合がいい場合もあるが、個人的な友誼を結んでいるとは言いがたい。
 忠実値が3を越えると、ある程度の友情めいたものが発生する。問題は【お前も相手に対して同じ程度には友好的に接する必要がある】事だ。
 そいつがピンチになったら、ちゃんと助けてやれよ?

▶コネ値が高い場合
 そいつは、(お前に言う必要が無い)依頼の裏のあれこれを知っている可能性が高い。
 もちろん、「可能性」であって「絶対」ではない。何も教えてくれなくても喧嘩を売る必要はないし、最初からこいつは裏切ると決めつけるのは馬鹿の仕事だ。
 ただ「この依頼について他にも何か情報があって、あんたはそれを知っているんじゃないか?」と質問してみるのは一つの方法だ。

▶忠実値が高い場合
 そいつはお前に対して友好的で、お前もそいつに対して義理や友情を感じていたりする。
 だから、お前がそいつにしてやれるのと同じ程度に、そいつはお前の味方をしてくれる。あっちから「何かこの仕事きな臭いんだよな」とか匂わせてくれるかもしれないし、直接聞いてみてもいいだろう。

◆よくある調査方法

▶マトリクスで検索(参照:ルールブックP.243)
 コンピュータ技能を使う。実はハッカーでは無くとも、ちょっといいコムリンクを持っていれば検索だけは可能だ。
 コムリンクの場合は機器レートがそのままリミットになる。(ハッキングでは無く一般的なマトリクス動作なので、監視指数は上がらないぞ)
 サイバーデッキを持っているハッカーなら、「検索」ソフトウェアを使っていれば時間も通常の半分で済むだろう。
 気をつけるべきは「何を調べたいのか、具体的に指定すること」だ。
 googleの検索窓に「アレを調べたい」って打ち込んでも無駄だろう?
 お前のところのGMも、何を調べたいのか宣言されなければ適切な答えを返してはくれないだろう。
(GMは適度に情報項目を出したりしておくといい)
 必要なヒット数が高いときは「継続判定」をすることになるかもしれない。その辺のルールも確認しておくと良いだろう。

 また、余計なお節介だが「お前が調べていること」に気がつく奴は、マトリクス上にも存在するもしれない。
 一般的な話では無い、かなりきな臭い情報を調べるときには「すぐ逃げられる場所」「すぐ捨てられるコムリンク」なんかを使っておくのも一つの用心かもしれないな。
>>>ルールとして明確に決まっているわけではないので、グリッチした時のネタに取っておくくらいでいいと思うぜ。最初のうちは「プロっぽさの演出」として楽しむくらいでいい。

▶知識技能で判定(参照:ルールブックP.148)
 自分が知っているか確認する、知識技能での判定は比較的手軽で便利だ。
 だが、それは「一般的には知られていない知識」や「マトリクスですぐ検索できるタイプでは無い、専門的な情報」についてであって、特定の事件・事柄について証拠として使えるとは限らない。
 (マトリクスですぐ調べられるようなことだったら、知識技能を使わなくても「知ってるよ」でいいんだってさ)
>>>マトリクス検索0ヒットでわかる情報、ってやつだ。マトリクス検索でも同じことは言える。……つまり、GMは「誰でも調べればすぐわかる情報」なら判定せずに出しちまえってことだ。

注意すべき事は、知識技能で「多分こうなのだろう」と推測は可能だが、それは「確定した証拠」とは限らないってことだ。やっかいな事柄については「調査の足がかり」程度にしておくのがいいだろう。
 ただし、今書いた事は「すぐに思い出せる程度のこと」の話であって、何日も図書館にこもったり研究室で試したりて、立派な証拠として使える事も、たまにはここに含まれる。何事もケースバイケースって奴だ。

▶コンタクトへの聞き込み・依頼(参照:ルールブックP.393)
 これは当然だが「コンタクト」を利用する。
 お前にどのくらい頼りになる友達がいるかが肝って訳だ。(そいつに連絡がつくかどうか、も割と大きな問題になるんだがな)
 おそらく「情報の助力」となるので、一回の判定ごとにコスト(コネ値×100新円程度)を支払う、とするのが処理としてはいいかもしれない。
 ただ、その辺りはケースバイケースなんでお前のGMと相談しておくといい。ちょっとした情報なら安くしていいと思うぜ。

 もちろん、情報だけではなくて、そいつの権力や能力に頼ったっていい。
 「ハッカーにランのサポートを頼む」「刑事に事件の調査資料を見せてもらう」「探偵に裏取りの調査を依頼する」なんて事、案外できそうだろ?
 (もちろん、コストは多くかかるだろうけどな。お前がランナーを雇うようなもんだ)
 このやり方は「他人が持っている情報だけではなく、時に他人の助力を得られる(かもしれない)」ところが優れている。
 不安定ではあるけどな。もちろん、お前が誰かに頼まれごとをすることも増えるわけだ。人付き合いにはコストがかかるんだよ。「何事にも代価がある」って言うだろ?
>>>お前のコンタクトには得意としていること、不得意としていることがある。フィクサーにご禁制の武器の調達を頼むのはいいが、同じ事をマトリクス専門のブロガーに頼むのはおかしいよな。ラーメン屋に入って、突然寿司を注文するようなこと……しないだろ?

▶現地の下見・現場調査(明確な参照ページは特に無し)
 目的地や事件現場がわかっているなら、実際に見に行ってみるってのは原始的だが有効な方法だ。刑事もののドラマじゃ現場百遍なんてのはよく言うし、良くも悪くも、突発的に発生したするイベントもあるかもしれない。
 あと「実際に見る」というのは意外と情報量が多く、最低でも以下の3種類がある。

物理的な知覚(参照:ルールブックP.135)
 <知覚>で見るタイプ。ワイヤレスでも何でも無い物理的なトラップ(トラバサミとか)や、待ち伏せされそうな植え込み、遮蔽物などだ。
>>>マトリクスでの情報だけではわからないことが、実際に見てみたらすぐわかるなんて言うことは意外とよくある話だ。職員が「子犬」と登録してこっそり飼っているペットが、とんでもないクリッターだったりとかな。

マトリクス知覚(参照:ルールブックP.236)
 <コンピューター>で見るタイプ。基本はハッカーの仕事だ。
 隠されたドローン(自動銃座もドローンの一種だな)を見つけたり、相手にホストがあればそれがどのくらいなのか、どこにあるのか、そんなことがわかる。
 突入するときに、ブリッキング(データスパイクで、相手のマトリクスコンディションモニターをぶん殴る)するなら、どこにどんな機器アイコンがあるのかは確認しておけると便利かもな。

アストラル知覚(参照:ルールブックP.318)
 <霊視>で見るタイプ。基本は魔法使いの仕事だ。魔力障壁を金で買って維持している企業はそこそこ多い。(参照P.321)
 それに加えて、力のあるところだったら精霊が見張りをしている事もあるかもな。
>>>逆に、無防備だった場合はアストラル投射してのぞき見が可能になるって事だ。……相手がグールみたいな二元生物じゃ無ければ、だけどな。

 まずはこの程度(結構多いけどな?)のやり方を知っていれば、そこから自分の得意なことを選ぶだけでなんとかなるとは思うぜ。この辺りに加えて、後は「社交」によるあれこれもあるだろうが、そこはお前たちのフェイスに頼ってくれ。

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