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「個人の発信」が新たなつながりを生む時代|原田 洸先生(Mount Sinai Beth Israel)

こんにちは、Antaa運営です。いつも素敵なスライドを投稿くださり、ありがとうございます! Antaa Slideに投稿いただいている先生方に、投稿のきっかけや投稿後の変化、今後の展望をインタビューするこちらの企画。

今回は、「症例プレゼン作りがうまくなる小技7選」など学会での発表や論文作成など様々な場面で役立つスライドを投稿してくださっている原田 洸先生(Mount Sinai Beth Israel)にお話を伺いました。

原田 洸先生
2016年岡山大学医学部医学科を卒業。同大学病院にて初期臨床研修終了後、総合内科専攻医として勤務。岡山大学病院 総合内科・総合診療科 助教を経て、2021年7月よりニューヨークで内科レジデントとして勤務。内分泌疾患(男性更年期障害)に関する論文で医学博士号を取得。カンボジアでのAPSARA総合診療医学会の理事を務める。

反響は医師間にとどまらず、出版社や学会、テレビ取材も?

ー原田先生がAntaa Slideを使い始めたきっかけを教えて下さい。

3年ほど前、アンタ―の中山さん・西山さんが当時私が在籍していた岡山大学病院を訪れて下さったことがきっかけだと思います。投稿をはじめた当初は、おもに初期研修や勉強会で使用したスライドを転用する形で投稿していました。

ー投稿後の反響はいかがでしたか?

ポジティブに作用する場面が非常に多かったと感じています。まずスライドを通して他者にアウトプットすること自体、自分にとっていい勉強になります。スライドを作ることは、自分の考えや意見を言語化する作業なので、本を書いたり人に教えたりするのと似ていると思います。

また僕らのような30代の医師は、ちょうどインターネットを通じた情報検索やコミュニケーションが活発化してきた世代です。そうした時代背景の中で、インターネットを上手く活用して個人が情報発信をすることの重要性は、ある程度認識していると思います。

実際、セミナーや勉強会へ出向いた際に「Antaa Slideでいつも見てます」と言っていただく機会もありますし、Antaa Slideを経由して出版社や各学会から取材や問い合わせを頂くこともあります。そういう場面に遭遇すると、Antaa Slideに投稿することの有用性をより強く感じますね。

アンターを通じてアウトプットの場は飛躍的に広がった

ーいままでどのような問い合わせがあったのですか?

例えば、「新内科専門医制度 J-osler 攻略のコツ」のスライドを通じて、内科学会の専門医機構の方が連絡を下さったことがありました。2019年から内科専門医制度が変わりましたよね。あのスライドを投稿したタイミングが2020年3月でしたので、ちょうど新内科専門医制度について理解を深めたいと思われる医師の方が多かったのかなと。私のスライドを学会で配る資料として使いたいという内容だったのですが、需要と供給が上手くマッチしたのだと思います。

あと意外な出来事もありました。当時勤務していた岡山大学病院に、ある日突然『水曜日のダウンタウン』さんから取材のご連絡を受けたのです。”ブラックジャックのように自分で自分の手術した人いる説”といった題材で取材先を探していたようなのですが、私が以前投稿した「臨床で全く役に立たない、セルフ手術の歴史」を検索して頂いたようです。まさかそこに需要があるとはなと思いました(笑)。

Antaa Slideに投稿したことによって、本当にさまざまな所で人と人とのつながりが生まれましたし、知識・経験をアウトプットする場が飛躍的に増えたと感じています。

ー投稿されてから多くの反響があったのですね!続いて、原田先生がスライドづくりで工夫している点を教えてください。

スライドづくりで工夫している所は、Twitter投稿用にスライドを作成したら、2~3日に1スライドのペースで投稿するようにしています。それが6,7つ程度たまった段階でパワーポイントにつなげて、Antaa Slideに掲載していますね。

例えば、出版物でいうところの連載記事を投稿して最後にそれを本にするようなイメージです。スケジュールを立てて上手く作成しようと思っても、なかなか計画通りに進行できなかったり、途中で滞ったりしてしまうこともあります。そのため、まずは小出しに作っていくことを意識していますね。

あとは、色使いを工夫したりフォントを統一したりはしていますね。強調したいポイントは赤字にするとか。そういったものは割と序盤のうちからルール化していました。

国境を越えた日本人医師のつながりがもっと欲しい

ー今後、アンタ―に期待したいことは何かありますか?

Antaa Slideには魅力的なスライドを投稿されている先生が沢山いらっしゃいますが、実はほとんどの先生方とお会いしたことがないんです。なので、オンライン上で医師同士の交流会などができたら面白いなあと思います。そもそも普段何をされてる先生方かも存じ上げないので、どんなお仕事をされていらっしゃるかも是非伺ってみたいです。

現在私は、ニューヨークで内科レジデントとして勤務しています。海外にいると日本の医師と関わる機会もそう多くはないので、そういった意味でもぜひ交流してみたいです。

ーありがとうございます。ちなみに原田先生はいつまでアメリカにいらっしゃるのですか?

昨年7月に渡米してちょうど1年弱経つのですが、少なくともあと2年は居る予定です。アメリカと日本では全てが異なっており、特に働き方改革やデジタル化においては日本の20年先を行っているイメージです。

例えば電子カルテにしても、日本の場合はカルテを書くためにわざわざ病院へ出勤することがあると思います。こちらでは、スマホ1つで簡単に電子カルテへアクセスできますし、自宅に居ながらカルテを書くことも可能です。決してアメリカだけが進んでいるという訳ではないと思いますが、この様式に既に慣れてしまっているところはありますね。

ーたしかに日本の医療体制はまだ課題がありますね。交流会は今度ぜひ企画してみたいと思います。ありがとうございます!

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