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コツを学ぼう、研修医中に身につけたい手技系スライド3選

初期研修中に覚えるべき手技ってたくさんありますよね。多くの手技は患者に痛みがともなうものです。患者に負担をかけずに正確におこなう必要がありますよね。手技にともなう合併症と対策を知らないと、患者を危険にさらしてしまいます。

Antaa Slideの手技系スライドは、一つ一つが厳選されています。Antaa Slideで重要な手技の予習・復習をしていきましょう。

胸腔ドレナージは安全第一、ポイントは胸腔内は鈍的に剥離

胸腔穿刺や胸腔ドレナージは、救急外来でも病棟でも経験することが多い手技のひとつです。一方で、合併症が起こりやすい手技でもあります。場合によっては致命的な合併症となってしまうことも。番場先生の胸腔穿刺・ドレナージのスライドで勉強して、リスク回避のための策を講じましょう。

スライドのテーマは「安全」な手技を目指すことです。安全な手技のポイントは、以下の2つです。

  • 事前準備

  • 鈍的におこなう

一つ目のポイントにある事前準備ですが、物品の準備に加えて、患者のポジション設定が何よりも大切です。胸腔穿刺では座位で前傾姿勢を保つように指導しましょう。また、患者からは見えない部位を穿刺するため、患者への十分な説明と理解が必要です。無理せず穿刺からドレナージに切り替えるのもひとつの手です。

二つ目のポイントは鈍的におこなうこと。胸腔穿刺や胸腔ドレナージをおこなう際の危険な合併症は、肋間動静脈の損傷による出血と肺損傷です。予防策は鈍的に肋骨上縁から胸腔内に入ることです。肋骨の位置を十分に把握できるように、皮切は十分に取りましょう。挿入時は先端が尖っている内筒は抜去するか、チューブ内に引いて先端は鈍にしておきます。ポイントを押さえて安全な手技を目指しましょう。

ルンバールはポジショニングと事前準備が重要

ルンバールは細菌性髄膜炎やくも膜下出血の診断など、緊急度が高い手技です。張り詰めた場面でもルンバールを確実にキメたい先生には、やまて先生のルンバール手技のスライドを紹介します。

スライドで紹介されている穿刺前のチェック項目は、実際の臨床現場でも活用できます。

  • 頭蓋内圧亢進の兆候

  • 凝固能の異常

  • 穿刺部の状態

  • 手技に耐えられる全身状態か

上記のチェック項目を必ず事前に確認し、ルンバールをおこなうべきかどうかを判断しましょう。

穿刺時のポイントとして、やまて先生の7stepを以下に紹介します。

  • CT確認(あれば)

  • 体位調節

  • 穿刺部決定

  • 局所麻酔

  • 本穿刺

  • 髄液採取

  • 抜針

どのステップも重要ですが、やはり大事なポイントは体位の調節でしょう。ルンバールは術者だけでなく、患者の体を支える介助者の役割も大切です。手技の流れや体位の重要性を介助者と共有しておきましょう。

スライドでは髄液が出ない、血性髄液になったなどのトラブルシューティング対策も紹介されています。神経内科ローテ前には必ず予習しておきましょう。

正しく縫うには左手に持っている鑷子の使い方をマスターせよ

皮膚縫合も救急外来では必須のスキルです。外科研修や初期研修中に縫合実習があると思いますが、いざ患者の皮膚を縫うとなると練習とは違うものです。縫合の基礎から復習したい方に、shun先生の縫合の基本というスライドを紹介しましょう。

スライドでは、shun先生がよく受ける質問の「皮膚に垂直に針を入れようと思ったら手首が回らない」に対するポイントが紹介されています。ポイントは利き腕に持った持針器だけを動かすのではなく、反対側に持っている鑷子でサポートすることです。鑷子で皮膚の創縁をあわせたり持ち上げたりして、縫合のサポートをしていきます。

また、バイト(創縁と針刺入部の距離)とピッチ(縫合と縫合の距離)をあわせると、美しく縫えるそうです。形成外科の先生が縫うように美しい縫合を目標に頑張りましょう。shun先生の縫合の基本スライドは、今回紹介したpart1に続いてpart2もあります。そちらも要チェックですね。

手技にもPDCAサイクルを回してスキルアップを目指そう

この記事では手技のコツがわかりやすいAntaa Slideを紹介しました。上手に手技をおこなうことが全てではありませんが、安全で適切な手技は、正しい医療をおこなうために必要不可欠な要素です。手技を経験できる回数は限られています。限られた中で最適化するには、PDCAサイクルを回すことが重要です。

  • P(Plan:手技前の勉強、予習)

  • D(Do:準備と実施)

  • C(Check:正しくできたかチェック、振り返り)

  • A(Action:次に活かす)

手技をやりっぱなしにせず、スキルアップを目指していきましょう。PDCAサイクルを回す際、Planの予習には、わかりやすい図解が豊富なAntaa Slideが最適です。ぜひ活用しましょう。

文責:すたば@救急、産業医