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ID-GYM ~感染症診療のイロハ~総集編/βラクタム薬の使い方など

岡山大学内で開催され好評だった「ID-GYM」が、今回オンラインで全6回講義として開催されました。このnoteでは全6回の概要を総まとめとして掲載してます。感染症診療を学びたい若手医師、感染症診療の知識をアップデートしたい先生方、ご視聴くださいね。


【講師】萩谷 英大先生 (岡山大学病院総合内科・総合診療科)

【司会】平田 香穂里先生 (岡山市立市民病院 総合内科)

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【Vol.1】βラクタム薬の使い方

βラクタム系抗菌薬は、安全性の高さから臨床でよく選択される抗菌薬の一つです。

一方で、βラクタム薬はペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系等複数のサブクラスに分類され、さらに抗菌薬にはβラクタム薬以外にもマクロライド系、キノロン系、テトラサイクリン系等非常に多くの抗菌薬が存在するため、それらの全てを最初から覚えることは容易ではありません。

この講義では、“感染症治療のイロハ”を学ぶ上で欠かせない「βラクタム薬」について分類からなぜ使うのか、使い方までわかりやすく解説いただきました。

・感染症診療のトライアングル
・臨床でよく使う抗菌薬の分類
・なぜ、臨床ではβラクタム薬をよく使うのか
 - ペニシリン系抗菌薬
 - セフェム系抗菌薬
 - カルバペネム系抗菌薬
・抗菌薬選択の流れ
・βラクタム剤に対する緑膿菌の耐性化スピード
・各種βラクタマーゼ(カルバペネマーゼ)の分解範囲

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【Vol.2】薬剤感受性検査とアンチバイオグラムの読み方

MIC(Minimum Inhibitory Concentration:最小発育阻止濃度)は、菌の発育を阻止する抗菌薬の最小濃度です。
本スライドでは“感染症治療のイロハ”シリーズ第2弾として、このMICの決め方から感受性(susceptible)と耐性(resistant)の線引き、MIC値を評価する例外的状況まで、「薬剤感受性試験」をテーマに解説しています。

<Take Home Message>
・MIC値において、“The lower the better”は間違い
・別々の抗菌薬で、MIC値を比較してはいけない
・S(Susceptible:感受性あり)の抗菌薬が使える可能性のある抗菌薬である
・SはSでも、例外的にMIC値を評価するケースもある

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【Vol.3】抗MRSA薬の使い方

MRSAを制する者は感染症を制する!(講義スライド3Pより)
MRSAを学び、感染症診療をレベルアップしましょう。

抗MRSAと言われたら、バンコマイシン一択になっていませんか?
テイコプラニン、リネゾリド、アルベカシン・・・・抗MRSA薬にも色々ありますが、それぞれの特徴をしっかり理解しましょう

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【Vol.4】薬剤耐性菌(AMR)〜カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)に注意!

薬剤耐性菌(AMR)は世界の公衆衛生上の脅威であり、国際的な喫緊の課題となっています。
ここでは、臨床現場で特に問題となる薬剤耐性菌としてカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)に注目し、その発生機序から治療戦略、そして耐性菌を増やさないために今できることを解説します。

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【Vol.5】経口抗菌薬の賢い使い方

経口抗菌薬の正しい使い方を知っていますか?
近年問題となっている薬剤耐性菌の対策としても、抗菌薬を正しく処方することがますます大事になっています。

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【Vol.6】手指衛生と標準予防策

昨年から特に重要性が叫ばれている手指衛生と標準予防策。
「自分はできているだろう」と思っていても「意外と出来ていない!」なんてこともあり得ますよね。
実際、細菌はなんと20分で2倍に増えていきます。
病原菌伝播の連鎖を断ち切り、院内感染やMRSA感染を防ぐためにも、この機会にぜひ手指衛生と標準予防策を見直しませんか?

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終わりに

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以上、【ID-GYM2020】全6回総まとめでした!レクチャーいただいた萩谷先生、ありがとうございます。感染症診療に興味がある先生方に届くと嬉しいです。

萩谷先生は岡山県クラスター対策班としても活動され、岡山県内の感染状況と医療提供体制の分析をされています。萩谷先生が所属する岡山大学病院 総合内科・総合診療科では様々な活動をしていますので、是非、ホームページをご覧ください!

Antaaでは、臨床や研究・キャリアなど様々な配信やスライドが共有されています。ぜひご覧ください。