こんにちは!Antaa運営事務局です。 2023年もたくさんのスライドを投稿いただき、ありがとうございました。
Antaa Slide Award 2023では、昨年投稿のあったスライドから、審査員特別賞など計6つの受賞作品を選定。2024年2月1日の生配信 にて受賞者・審査員をお招きしお話をお伺いしました。 受賞された先生方、誠におめでとうございます!
本記事では、受賞作品 のご紹介と、スライド作成のご経緯、スライドに込められた先生方の想いをお届けします。
(以下、開催概要)
最多閲覧賞 Antaa Slide Award 2023最多閲覧賞は、2023年に投稿されたスライドのうち、最も多くの先生に見られたスライドを選出する賞となっております。
shun@形成外科先生の「図解 Screw と Plate Part1 基本知識 編」 受賞されたのは、shun@形成外科先生(総合病院)の「図解 Screw と Plate Part1 基本知識 編 」です!おめでとうございます!
Antaa Slide Award2023 最多閲覧賞「図解 Screw と Plate Part1 基本知識 編」 2年連続の最多閲覧賞受賞となりましたshun@形成外科先生。スライドを作成された背景と、ご受賞を受けてのご感想を伺いました。
このスライドは、スクリューとプレートがテーマなのですが、学生や研修医の先生が手術見学をしてるときに、「何をしてるのかわからない」とつまらなく感じることがあるかと思います。 そこで、そういった先生たちが少しでも手術の内容がわかると興味を持ったり、楽しくなるんじゃないかなと思い、基本的なところをスライドにしてみました。 プレートはかなりマニアックというかニッチなテーマなので、スライドを作っているときは、整形外科や形成外科の先生が見るぐらいかなと思っていましたが、たくさんの人に見られたというのはかなり意外でした。 勉強するためには分厚い教科書を読むしかない時もありますが、このスライドはなるべくリラックスしながら読めるように図を入れたり、戦隊もののヒーローのイラストを入れ込んだりして、気軽に見れるような形に作っています。 今回他の先生方のスライド作りのお話を聞いて、今後のモチベーションに繋がりました。投稿しても「役に立ってるのかな」と思うことがありますが、たくさんの人に見られると結構嬉しいものです。これを見ている先生方もぜひ気軽にスライド投稿していただけるといいなと思いました。
Antaa Slide Award 2023最多閲覧賞受賞者・shun@形成外科先生からのコメント 最多保存賞 Antaa Slide Award 2023最多保存賞は、2023年に投稿されたスライドのうち、最も繰り返し見たいと思われたスライドを選出する賞となっております。
「ER頻用薬の塩コショウ【2023年度版アップデート】」三谷雄己先生 受賞されたのは、三谷雄己先生(県立広島病院)の「ER頻用薬の塩コショウ【2023年度版アップデート】 」です!おめでとうございます!
Antaa Slide Award2023 最多保存賞「ER頻用薬の塩コショウ【2023年度版アップデート】 」 配信当日は残念ながらご参加が叶わなかったのですが、事前に動画でコメントを頂戴しましたのでご紹介いたします。
この度は、ERの頻用薬の塩胡椒のスライドが100万保存いただいたということで、本当にありがとうございます。このスライドは、院内の研修向けに、ERのよく使う薬をどのように使い分けているのかが伝わりやすいようにスライドを作らせてもらいました。 多くの方に見ていただいたり保存していただいたということで、本当にありがたい限りです。スライドは、なるべく文字情報が少ないスライドとしっかり読み込むスライドと、メリハリを意識しながら普段作ってます。 今後も治療指針が変わったり、ガイドラインとかのアップデートがあった場合はスライドを更新していきたいと思ってるので、また興味がある方は覗いていただけると嬉しいです。今後ともよろしくお願いします。
Antaa Slide Award 2023最多保存賞受賞者・三谷雄己先生からのコメント 最多シェア賞 Antaa Slide Award 2023最多シェア賞は、2023年に投稿されたスライドのうち、最も多くの先生が広めたいと思ったスライドを選出する賞となっております。
「ChatGPTが新着論文を要約し毎朝メールしてくれる仕組みの作り方」内田直樹先生 受賞されたのは、内田直樹先生(医療法人すずらん会たろうクリニック)の「ChatGPTが新着論文を要約し毎朝メールしてくれる仕組みの作り方 」です!おめでとうございます!
Antaa Slide Award2023 最多シェア賞「ChatGPTが新着論文を要約し毎朝メールしてくれる仕組みの作り方」 医療業界を超えて、歯科業界にも広がった今回のスライド。意外なご作成秘話をお伺いしました。
私はコロナの感染化で講演や出張とかがなくなって時間ができたので、ものづくり医療センターという医療者向けのプログラミングスクールでプログラミングを学び始めました。 その後、ChatGPTが公開されて触っている中でこのアイディアを思いつき、「こういったのを作れたらいいな」とツイートしたんです。そしたら翌日、全く面識ないフォロワーのエンジニアさんから「作りました!」とリプライがあって。実際使ってみたらすごい便利だし、他の医者も使いたいんじゃないかと思ったのですが、GAS(Google Apps Script)は普通使い慣れていないと難しいものです。そこで、わかりやすく作り方をまとめたスライドをAntaa Slideに投稿してXでシェアしたところ、2日でフォロワーが300人とか増えて、「バズるってこういうことなんだな」と貴重な経験をさせていただきました。 私も日々送られてくるメール見ながら情報をアップデートしていますが、この仕組みを使ってくださってる先生方の知識がアップデートされていれば、少し医療に貢献できてるのかなと思ったりしてます。
Antaa Slide Award 2023最多シェア賞受賞者・内田直樹先生からのコメント 「つながる力」賞 Antaa Slide Award 2023「つながる力」賞では、アンケートを実施し、先生方の投票から「役に立った」とご回答の多かったスライドを選出する賞となっております。
「心不全の評価と治療」かたやまたかし@循内先生 受賞されたのは、かたやまたかし@循内先生(総合病院)の「心不全の評価と治療 」です!おめでとうございます!
Antaa Slide Award2023 「つながる力」賞「心不全の評価と治療」 「心不全」のスライドは意外となく、教科書に細かいことは書いてあるけど、必要な時に手っ取り早く心不全の評価と治療はどうしたらいいのか、ネットで調べても、なかなか出てこないんですね。 また、心不全といっても、術後で心不全であるとか、肺炎とか骨折とかで合併するなどいろんなケースがあります。そこで、循環器内科以外の内科や診療所の先生などに向けて、心不全をどう評価して治療するのか、どういうときに専門家に相談するのかとか、そういう見極めができるような内容にしました。 あと、心不全管理後にそれを維持することも大事なので、そういう外来管理もせっかくなんで盛り込みたいなと。 内容盛りだくさんだったのですが、こんなに見て保存していただいたり、ご意見いただけて大変感謝しております。 皆さんが保存してくれると通知が届くのですが、どのページが保存されたかを見ると自分の思ったのと意外と違うところだったりするので、参考にさせてもらっています。次のスライドを作る意欲にもなっているので、引き続き、新たな分野のスライドを作っていけたらなと思います。
Antaa Slide Award2023 「つながる力」賞受賞者・かたやまたかし@循内先生からのコメント 審査員特別賞(総合診療科・呼吸器内科) Antaa Slide Award 2023 審査員特別賞は、総合診療、呼吸器内科領域の2部門について審査員の先生に選定いただきました。 スライドは、忙しい臨床医にとって、パッと分かりやすいタイトル、理解しやすく現場で活用できる、また新規性とオリジナリティがあるかどうかなど、複数の観点で選定いただいております。
【審査員紹介】 総合診療科・審査員特別賞 審査員 志水太郎先生 (獨協医科大学総合診療医学主任教授 総合診療科診療部長) 呼吸器内科・審査員特別賞 審査員 飛野和則先生 (飯塚病院 呼吸器病センター長/呼吸器内科部長)
【審査員特別賞 選考ガイドライン】 以下の選考基準で受賞スライドを選定、決定。 ①忙しい臨床医がパッと見て分かる、目的が明確なタイトルであること ②タイトルで期待した内容が、読了後に明確に得られる内容であること ③タイトルから逸脱せず、ユーザーを置いていかない構成になっていること ④難しいトピックであっても、スライドを一瞥するだけで腑に落ちる説明とデザインであること ⑤単に既存の知識をまとめただけでなく、作成者のオリジナルの読者を意識したメッセージや工夫が考えられたこと
2021年1月作成 それでは、総合診療科の受賞スライドからご紹介いたします。
「医療従事者が「もうしんどい」と感じたときのセルフケアの話」松本学先生 受賞されたのは、松本学先生(飯塚病院)の「医療従事者が『もうしんどい』と感じたときのセルフケアの話 」です!おめでとうございます!
Antaa Slide Award2023 審査員特別賞・総合診療科「医療従事者が『もうしんどい』と感じたときのセルフケアの話」(配信時のコメンと) 審査員をお務めいただきました志水太郎先生(獨協医科大学総合診療医学主任教授 総合診療科診療部長)より、こちらのスライドを選ばれた理由をお伺いしました。
全体的に前年度に劣らず優れた作品が多く、選考作業は悩みました。熟考の結果これだろう、と感じたのが松本学先生(飯塚病院)の「医療従事者が「もうしんどい」と感じたときのセルフケアの話」でした。 昨今の医療業界は老いも若きも東も西もバーンアウトの文字が飛び交い、当事者のドクター、相談に乗る少し上の上級医、また彼らをサポートする指導医や管理職の先生方も、共通に認識して取り組んでおくべきトピックといえます。臨床の総論・各論的な話題も大変重要であることに変わりはありませんが、その学びも日々のコンディションが安定すればこその話です。一方、コンディション調整の方策に時間をさいて学ぶことは、忙しい臨床の日々では優先度を高くできない状況も多いでしょう。 松本先生のスライドはこのようなニーズに光を当てる新規性を持ち、選考基準にもある、目的が明確なタイトル、その内容との一貫性、ユーザー目線、わかりやすいスライド、そしてメッセージ性や工夫も素晴らしいものでした。そのため、本スライドを今年度の審査員特別賞とさせていただきます。 松本学先生、おめでとうございます!
Antaa Slide Award 2023 審査員特別賞(総合診療科)審査員・志水太郎先生からのコメント 志水先生からの講評を受けて、配信中に松本先生にお話をお伺いしましたので、ご紹介します。
このスライドは、患者さんと医療従事者がお互いに幸せになるような光景をどうやったら作れるんだろう、というシンプルな動機で作成しました。 特に緩和ケアの場面では、終末期の患者さんが最期の人生をその人らしく輝いて過ごせるためにサポートする中で、そういった過ごし方をしている患者さんって本当に輝いて見えるんですね。 一方で、「僕ら自身は輝いているのか」と見つめ直したとき、バーンアウトの問題があったり。片方がそのような状況だと、本当の意味での持続可能性が担保されないのではと危惧しているので、今回賞をいただいて「セルフケアは大事だよね」と皆さんに思ってもらえたことが僕は嬉しいです。 また、志水先生に選んでいただいたこともとても嬉しくて。志水先生のご著書「診断戦略: 診断力向上のためのアートとサイエンス」の内容に僕も共感しています。このスライドは知識やスキルといった“サイエンス”よりも、どう自分の内面と向き合っていくかという”アート”を取り扱っています。今後、医療従事者自身が美しさを感じるものにもっと注目して、自分たちのやりがいを持ちながら働けるようになるための一助になればいいなと願っています。
Antaa Slide Award 2023 審査員特別賞(総合診療科)受賞者・松本学先生からのコメント 「肺非結核性抗酸菌症 診断と治療のポイント(非専門家向け)」番場祐基先生 受賞されたのは、番場祐基先生(新潟大学医歯学総合病院 高次救命災害治療センター)の「肺非結核性抗酸菌症 診断と治療のポイント(非専門家向け) 」です!おめでとうございます!
Antaa Slide Award2023 審査員特別賞・呼吸器内科「肺非結核性抗酸菌症 診断と治療のポイント(非専門家向け) 」 審査員をお務めいただきました飛野和則先生(飯塚病院 呼吸器病センター長/呼吸器内科部長)より、こちらのスライドを選ばれた理由をお伺いしました。
審査のポイントにしたのは、①閲覧してほしい対象者の幅広さ、②スライドの美しさ、③スライドの最後まで集中力を切らさずに読めること、④実臨床に落とし込めること、の4点です。小学生のころ、名著(迷著?)「美味しんぼ」(小学館)の海原雄山 vs. 山岡士郎の美食対決を読みながらいつも思っていた、「お腹いっぱいになったらどう考えても後攻が不利じゃん」とならないよう(なぜか原作では後攻が勝つことが多かった気がしますが)、1日に1スライドを評価させていただきました。体調が悪い日はスライドを見ないようにし、評価するタイミングも朝イチの同じ時刻にしたので、多分公正な判定になったと思っております。結果、総合点で最も高くなったのが番場祐基先生の「肺非結核性抗酸菌症 診断と治療のポイント(非専門家向け)」でした!おめでとうございます! 肺非結核性抗酸菌症は、数ある呼吸器疾患の中でも患者数がどんどん増えているとても注意すべき疾患なのですが、市民の間での認知度は10%程度ととても低く、非専門医の先生方にとってもややとっつきにくいため、結果として見落とされがちなのです( ;∀;)。患者さんが呼吸器内科専門医を受診される頃には、すでに病状が悪化してしまっている事も多く、もっと啓蒙が必要だと感じています。そういった意味で、多くの方に是非閲覧して頂きたいと思ったのが第一の選定理由です。 番場先生のスライドはとても美しく整理されていて、結構ボリュームがあるのですが最後までスラスラ読めました。実臨床にそのまま落とし込める記載もてんこ盛りで、「非専門医向け」とタイトルにありますが、スライドを最後まで学ぶと十分専門医レベルまで到達するような内容だと思いました。とても勉強になりました! 他の先生方のスライドももちろん素晴らしく。是非是非呼吸器内科に興味がある先生方には覗いていただきたいです!また、専門医の先生方も日常診療にそのまま使える超実用的なスライドがたくさんありますので、ぜひ!
Antaa Slide Award 2023 審査員特別賞(呼吸器内科)審査員・飛野和則先生からのコメント 飛野先生からの講評を受けて、配信中に番場先生にお話をお伺いしましたので、ご紹介します。
元々は、自分が肺結核性抗酸菌症の研究やっていて、その研究の説明用に作ったスライドと、その啓発向けに作ったスライドをドッキングさせた上で、今年その治療指針が改訂されたことを踏まえてスライドを作りました。 呼吸器内科の外来をやっているのですが、飛野先生におっしゃっていただいた通り肺結核性抗酸菌症の患者さんが増え、全体で見てもかなりの割合になってきています。ただ、まだまだ一般診療科の先生方の認知度が高くないかなと感じているので、認知度が上がったらいいなと思っております。 診断のハードルは高いのですが、疑ったら呼吸器内科に紹介や相談をしていただいたり、自分のところで治療しなきゃいけないなということであれば、こういったスライドを利用していただきながら診断や治療してみていただければると嬉しいです。 今後も、できるだけ人とかぶらない変わった視点からスライドを作成してみようと思います。僕も皆さんの新しい視点でのスライドがまた登場するのを楽しみにしております。
Antaa Slide Award 2023 審査員特別賞(総合診療科)審査員・番場祐基先生からのコメント 1つのスライドから広がる、医師のつながりと想い 今回、Antaa Slide Award 2023で受賞された先生方、審査員のお二人をお招きし、受賞された先生にはスライドに込められた想い、審査員の先生には選定理由や業界にとっての意義などを伺いしました。 初めて顔を合わせる先生方がほとんどの中、視察のお話が上がるなど、これ機に先生方の交流が深まり、こちらまで温かい気持ちになりました。
「先生方が楽しく学べるように」「疾患を啓発したい」「医師がやりがいを持って働けるように」 お忙しい中、合間を縫って丁寧につくられたスライドのお話から、医師、そして医療に対する熱い想いを聞くことができました。 改めてご参加いただいた受賞者、審査員、参加された先生方、ありがとうございます。
スライドを共有してくださった先生の想いが、知りたい先生に届くように努めてまいります。 今後もAntaaをよろしくお願いします。
Antaa Slide Award2023配信の終わりの様子