20:死亡届出は3か所・賢い火葬場利用
人が逝去すると一部離島を除き大多数の死体は火葬します。火葬場については次項で詳しく説明しますが、火葬するには死亡届を提出した行政が発行した『火葬許可証』を事前予約した火葬場に提出する必要があります。
『死亡届出書の提出は3か所だけ』
》故人の逝去した場所の行政
死亡した病院、施設、自宅の所在地行政(市区町村役場)は届出できます。但し病院や施設に於いては病院名、施設名でなく現住所の記入です。
》故人の本籍地
これが理解できない点のひとつ、現在は日本国内の何処でも本籍地登録は可能で皇居でも、都庁でも、大阪城でも、清水寺でも地番のある場所なら何処でも本籍登録できるのに死亡届可能地域として故人の本籍地は理解不能。
令和4年1月現在、戸籍(除籍)謄本(抄本)は本籍地でしか取得できませんが、令和元年5月24日改正案成立により、令和5年を目途に何処でも戸籍(除籍)謄本(抄本)が取れるようになるはずです。
》届出人の現住所
死亡届出人に成れるのは、親族(血族6親等、姻族3親等)、同居者、家主、地主、家屋管理人(入院先医院長・入所先施設長も含む)、土地管理人等、後見人、保佐人、補助人、任意後見人、任意後見受任者の現住所の役所も届出可能です。
この決まりの結果、不思議な現象が起こることもあります。
例えば――、前橋市民で、本籍地が皇居(東京都千代田区)で、高崎の病院での逝去で、届出人の子供は埼玉県新座市民だった場合、普通に考えて火葬無料の前橋市での火葬となりますが、届出は、千代田区、高崎市、新座市のいずれかで、もし東京日大付属病院での逝去なら板橋区ですから届出は東京千代田区、東京板橋区、埼玉新座市のいずれかで、火葬は群馬県前橋市という可能性が高くなる。
お迎えに行っても死亡届の提出と火葬許可証の発行を待って、群馬県に帰らなければならず非常に効率の悪い流れに成り得るのが現在の法律です。死亡届出可能地を単純に『逝去地役所』『届出人現住所役所』『故人現住所役所』とするか『故人現住所役所』を追加すれば済むことです。
以前、群馬県よりの埼玉県にある国際的な人達の集まるプロテスタント教会から牧師さんが突然の病で逝去したが何をどうしたら良いか分らず助けて欲しいと連絡が入りました。
電話で状況を聞くと『現在独身の牧師』『福島県在住』『伊勢崎市総合病院で逝去』届出人になれる親族はいないというので、病院の医院長に家屋管理人として届出人になって貰えば、伊勢崎市は届出人が市民なら何処の誰でも無料で火葬してくれるからと指示して病院に向かいました。
病院には十数人の人達がいましたが普通に日本語が通じるのは電話をくれた1人だけ、他は南米人のスペイン語とブラジル人のポルトガル語で意味不明です。医院長への届出人依頼結果を聞くと事務所で断られたと聞き、すぐ病院事務所に向かい事務長に福島県民で親族もなく身元は福島県会津若松市役所で確認してある事等を説明すると届出人の承諾を得られました。
福島県まで遺体搬送は費用が掛るし、福島県役所での届出人要請も日数が掛るし、医院長が届出人なら無料で火葬できて費用が抑えられるとの判断で動いたわけです。
牧師さんはハーフで身長190cmでしたが膝を曲げ6尺棺に納め教会まで運び祭壇前で安置、火葬当日は教会関係者や信者が集まり賑やかなバンド演奏と生花を手向けて教会出発、伊勢崎市斎場では全員でアメージンググレイスを合唱して火葬という流れでした。
『賢い火葬場利用』
火葬場は居住地を利用するのが当り前と思ってる人も多いですが、費用面、利用方法は各斎場毎に様々ですから賢く利用しましょう。
まず初めに火葬料は3パターンあります。
①『市民無料』『届出人が市民なら無料』『市民外火葬有料』
②『市民無料』『市民外火葬有料』
③『市民有料』『市民外火葬有料』
①②の火葬無料での利用を最優先で考えます。
斎場利用については、
①『10人程度は無料休憩所待機可』『待合室無料』
②『会葬者1人でも有料待合室必須(使用後掃除)』
③『骨壺持込不可・東京博善は火葬料で総額9万円』
見て分る通り火葬料、斎場利用いずれも 「①」 がお得で火葬場までの搬送料金に変化が無ければ優先しましょう。ただ誰でもお得な利用をしたいですから、利用希望者が多く火葬予約が取り難い状況もあります。
群馬県内でも前橋市は「①・①」高崎市は「②・②」の為か人口では3万人ほど多い高崎より前橋のほうが予約は取れませんので、安置日数に掛かる費用と棺の搬送費用、移動距離の問題も併せて決めると良いでしょう。
この辺りは利用する葬儀屋に確認しておき、葬式内容も含め事前に伝えておけば逝去連絡した直後の予約確認が可能です。火葬の空き状況が分った上、或いは火葬予約をした上で打合せがお勧め、病院から運んで安置と打合せを済ませてからの予約では数時間後となり1日2日延びる可能性もあります。
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参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」