日本酒のお話 〜 番外編 進雅撃沈す
今回の原稿は具体名は挙げません。悪口になってしまうからです。
はい、ぶっちゃけた話
「ちょっとこりゃないだろう…」
というお酒のお話です。
何やら某漫画の影響か、灘や伏見の大手酒造メーカーは損な役回りをさせられている感があります。
しかーし、私は灘や伏見の大手酒造メーカーに気の毒というか、あんまりな風評だろうと少々腹立たしく思っています。
・全国どこでも入手しやすい流通量
・1年通じて安定したいつもの味
・それが手頃な価格で供給されている
文字にすればこれだけのことですが、コレって凄いことだと思いませんか?年によって出来不出来にバラつきがあって当然のお米が土台のことですよ?
にも関わらずこれをやってのける大手酒造メーカーの実力はもっと評価されていいと思っています。
大手酒造メーカーが流通量が最も多い普通酒を、安定した供給量と品質と価格で受け持っているからこそ、たまにどこか神社に出掛けて見つけた地酒のやれ純米吟醸の特別純米酒のと、私なんぞが呑気なことを言ってられるんです。
で、例によってその呑気さゆえにとあるエリアの日本酒を数種類買い漁ってきた訳ですよ。酒米もその土地ならではのもので、日本全国どこでも見かける山田錦や五百万石などではありません。
期待満々、まず最初に開けた純米吟醸Aを一口飲みました。
「うん、そう悪くないかな。」
という感想。しかしここでつまみに箸をつけて二口目を飲んだところ…
「あれっ、んんん…何だコレ?」
という具合に味が激変し、ひたすら苦味が前面に出てきました。なんでも日本酒の苦味は日本酒の旨み成分がもたらす、日本酒の味わいの奥深さの一つなんだそうですが、私はどうもあれだけ苦いと、辛口でキリリと…とは思えないタイプです。
そこで気を取り直して、純米吟醸Bを飲んでみました。すると…
「ええっ?何だよコレ?ひたすら苦いだけじゃねーか!えーっと、レビューでも見てみるか…」
と複数の口コミの類いを見たのですが、良いことしか書いてありません。しかも味わいの感想が全然違うのです。二口目も味は変わらず。仕方なく諦めで、純米吟醸Cに切り替えました。何かのコラボらしく、瓶の色やデザインにも特徴があります。これは期待してみようと飲んでみたところ…
「うわっ、これも同じだ。一体なんだって苦さが先にくる酒ばかりなんだ?」
つまみを変えたら、苦味が先にくる日本酒というのはありました。しかしこうも最初から苦いだけの日本酒というのは初めてでした。
そして最後の300ml瓶に期待して開栓してみたのですが…結果は失望感を深めただけでした。昔の日本酒にありがちな味でもない、苦いだけでもない、これもまた日本酒なの?と自分の無知や不勉強を疑いましたが、それにしてもあまりにネットのレビューと違い過ぎます。
いや、そんなのは日本酒に限った話でもありません。こんな名台詞もありますよね。
確かにそういう面はあるな、と感じさせられましたね。過去の記事にも書いてきましたが、私は醸造用アルコールの添加は気にしていません。これも漫画の影響か、何やら悪者扱い。「アル添」というだけで粗製乱造扱いする向きもあります。
ハッキリ言いましょう。私は今回失望させられた並いる純米吟醸酒よりも、アル添のこちらの方が美味いと思います。
これ4個で分量は四合瓶と同じです。で、値段は半分未満です。一種のブームが地酒の蔵元を逆におかしくしていないか、そんなことも頭をかすめました。
やっぱり実際に飲んで、好き嫌いの判断は自分ですべきですね。
そりゃアンタ、たまたま保管状態が悪いのを買ってしまったんじゃないの?
…というご意見もあろうかと思います。しかし後日別の銘柄の2種類を飲みました。入手ルートは別々です。前述のお酒と共通のキーワードはありますが、それは伏せておきます。
やはり同じ系統の味であり、これが特徴であり個性なのだ…と評するのが正しいのか、ほぼ変わらぬ最初の味わいにガッカリしたとだけ記しておきます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?