見出し画像

日本酒のお話 〜 元伊勢籠神社と徳利イカ騒動

聞くところによるとスルメイカが不漁で、徳利イカの生産にも影響が出ているそうな。
何がキッカケだったか忘れましたが、木咲と私(進雅)とで話していた際に徳利イカの話題が出ました。それで調べてみたら、楽天やAmazon等のお馴染みのサイトでも売り切れだったり、徳利イカの産地によっては生産を見合わせているとか、輸入物のスルメイカを使っているとか、そんな話がチラホラと。
一方で京都新聞の記事で、宮津では名物の徳利イカの生産がピークを迎えて…というのもありました。宮津と言えば天橋立、天橋立と言えば元伊勢籠神社、てな具合に私達の頭の中では連想ゲームの如く繋がっていった訳ですが、何せ徳利イカの生産のピークは1月下旬から2月ということで、近畿圏といえども日本海側に行くには雪や路面凍結の心配をしなくてはなりません。
そんな訳で徳利イカの話もその時だけで終わっていた訳ですが、ひょんなことからヘッダー写真の元伊勢籠神社に行く機会があり、宮津に行くことになりました。
元伊勢籠神社は境内撮影禁止なので、鳥居の外から撮ったこの写真しかありませんが、爽やかな居心地の良い神社の典型の様なところで、なるほど確かに一時期でも天照大御神がこの地にいらしたのだろうなという気配を感じるには十分な地でした。

籠神社の後方にある真名井神社

こちらはすぐ近くにある真名井神社で、何やら伝承のある地らしく、境内にはご神水が湧いていて、大量に汲みにきている地元の方と思しき2人の方々をお見かけしました。私たちもひと口頂いて、手元の空の小さいペットボトルに1本頂いてまいりましたが、気分の問題も大きいのでしょうがこの手のご神水にも微妙に味やパワーの違いを感じます。こちらのは柔らかながら芯があると言いますか、上手く言えませんが飲んで納得の感がありました。

という訳で宮津の地に来て思い出したのが徳利イカです。ここまで来たんだから、と最初に立ち寄った土産物店にぶら下がっていた徳利イカを見つけて買い求めたのでありました。
熱燗で2杯まではイカの風味が楽しめる、飲んだ後徳利は食べられるが、実際に食べようとすると固いですよ、という様なお話を聞きつつ何の疑問もなく買った訳です。
そしてお参りが済んでトイレを借りつつ別の土産物店に立ち寄ってみたら…
「え?何で?」
同じ製造元の同じ徳利イカが350円も安いじゃありませんか!
しかも帰り道の京都縦貫道の、宮津から少し離れたPAの売店でも300円安いときたもんだ。
店の名前やら値段やらは曝しませんけど、地元の同じ製造者が出してる徳利イカの売価がそんなに違っちゃダメでしょう。買う時皆さんよく見比べてから買いましょうね、ホント。今時珍しいです。
トイレをお借りした土産物店では、徳利イカ用に地元の酒をと考えてコレを買いました。熱燗にしますから、熱燗に向く酒をという訳です。

与謝娘酒造さん・丹後七姫

特別本醸造酒で、正直普通酒があればむしろその方が良かったのですが、土産物店に普通酒の四合瓶はありませんわな(笑)
磨きは60%で京都の酒米「京の輝き」を使っています。アルコール度数は15.5%と至って普通です。

開封前の徳利イカと丹後七姫


燗酒にして徳利イカに注いだ状態

さて、お味の方ですが…熱燗にして徳利イカに移し替えてから少し待たねばなりません。でないとイカの味も香りも移らないからという理屈の様です。なのでちょい熱めにして徳利イカに移すと良いでしょう。
おつまみのさきイカの様な、あの系統の匂いをもっと強くした香りが部屋に充満すると表現するのが正しいと思います。確かにお酒にもほのかにイカの風味が移ります。付属のイカの猪口で飲む訳ですが、飲んでるうちに少し柔らかくなります。でもそのまんまかじって食べれる程にはなりません。やはり読み通り、普通酒の方が良い様に思います。むしろその方が徳利イカから出る味なり香りなりがお酒によく反映されそうな、そんな気がしました。さきイカやらイカの姿焼きをかじりながら日本酒を飲むほどにイカの味がする訳ではありません。微妙な味加減の変化を楽しむ様な頃合いが徳利イカの燗酒の感想です。しかしこの微妙な味と香りの変化がある以上、飲んだ日本酒の感想は述べづらいでしょう。何と言いますかね、3銘柄くらい別々のお米でチャーハンをそれぞれ作り、米の感想をそれぞれ述べよと言われても困るとでも申しましょうか。
一時期Amazonや楽天等でも売り切れになっていましたが、こういうのはやはり旅のお土産で「なるほどねー、こういうもんか」という帰宅後のちょいとした楽しみ向きの様な印象です。
お買い求めの際は値段をよく見比べて、日本酒は日頃飲み慣れた普通酒がむしろ分かりやすいかな、と締め括っておきます。
私たちは徳利イカ2本分飲んで終わりにしました。そこまではイカの味や香りが日本酒に程よく移っていたことを申し添えておきます。結局使用後の徳利イカは食べませんでした。通な方々なら「もったいない」と仰るかもしれませんが、食うにしては固そうでどうにも…。あたりめみたいに炙ればいいのかもしれませんが、あの筒状のカチカチの徳利イカを開いて平らにして…という根性は湧きませんでした。そんな訳で食べた感想は無しです。悪しからず。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?